記者コラム「清流」 故郷の思い乗せ世界へ

 ようやく…といった心境だろうか。袋井市出身の杉本幸祐選手が北京冬季五輪のモーグル競技で代表入りを果たした。それ以前の同市出身者の五輪出場は1960年ローマ大会までさかのぼる。歴史を刻んだ新星の登場に地元も沸いている。
 競技に専念するため、中1で家族とともに長野県へと移住したが、故郷への変わらない思いを語る杉本選手。「市民の皆様へ、精いっぱいの恩返しの滑りをしたい」とのコメントが力強い。
 小学生からの夢という五輪出場はソチ、平昌(ピョンチャン)と2大会連続で出場を逃した末につかみ取った。「酸いも甘いも経験して、今が一番いい時期」と語る、円熟した技術を武器に世界に挑む姿は市民の記憶に刻まれるはずだ。

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