特捜隊ノート 共生社会、道半ば【NEXT特捜隊】

 読者投稿欄「ひろば」宛てにさまざまな“声”が届きます。2021年投稿が相次いだテーマが、障害者をはじめあらゆる理由で歩行が難しい人のための「ゆずりあい駐車場」の適正利用についてです。
 取材を進めると、「駐車スペースに利用証のない車が止まっていて、予定を変更した」という方が多くいました。障害者への理解が深まらない理由として「身近にいない」という意見を聞くことがあります。「急いでいる」「少しの時間だけ」という安易な気持ちが、障害や病気がある方の外に出る機会を奪っているかもしれません。
 車いすを利用するドライバーは「あるあるですね」と笑って答えてくれました。諦めているようにも感じられ、共生社会には道半ばだと思いました。現状では個人のモラルに頼るしかありませんが、啓発を続けるとともに、制度の実効性を見つめ直す必要もありそうです。

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