熱海土石流で甚大な被害 伊豆山港復旧へ漁師ら出資求む

 土石流で甚大な被害を受けた熱海市の伊豆山港を復旧させようと、地元漁師でつくる伊豆山漁業会がクラウドファンディング(CF)を始めた。港に流入した土砂の影響で漁獲量が落ち込み、ダイビングや遊漁客を迎えることもできない中、漁師は「元の港に戻して笑顔が集まる場所にしたい」と話し、協力を呼び掛けている。

土石流で大きく損壊したままになっているシャワー室=2日午後、熱海市の伊豆山港
土石流で大きく損壊したままになっているシャワー室=2日午後、熱海市の伊豆山港

 土石流は、起点から約2キロ離れた伊豆山港にまで達し、約1万8千立方メートルもの土砂が海に流出した。港内の土砂撤去は県が昨年10月までに終えたが、細かい土までは取り除けず、海がしけるたびに舞い上がり、濁りが数日間続くという。
 港にはダイビング客らが利用できるシャワー室やトイレもあったが、土砂が直撃して損壊した。建物は公費解体されるが、再建費用には約2千万円を要する。再建に向けて国から4分の3、市から8分の1の予算補助が受けられる見通し。だが、漁業被害の補償がない漁師らにとって残りの自己負担分は重い。
 復旧プロジェクトリーダーの漁師松本早人さん(46)は「一日も早く誘客できる環境を整えるとともに、来訪者をもてなして地域の復興につなげたい」と話す。CFの目標額は450万円。既に200人以上から計約280万円が寄せられている。出資は専用サイト「キャンプファイヤー」で4月15日まで受け付けている。返礼品として伊豆山特産の伊勢エビやサザエを贈る。

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