警戒区域住民「未来の会」発足 熱海土石流、復興計画「声反映を」

 熱海市伊豆山の大規模土石流で、市が災害対策基本法に基づき設定した「警戒区域」に自宅がある被災者らが11日、市の復興計画に住民の意見や要望を反映させることなどを目的にした「警戒区域未来の会」を発足させた。同日、市役所で記者会見を開いた中島秀人代表(53)は「市と対立するのではなく、協力してより良い計画をつくりたい」と語った。

「警戒区域未来の会」の目的などを語る中島秀人代表(左)=11日午後、熱海市役所
「警戒区域未来の会」の目的などを語る中島秀人代表(左)=11日午後、熱海市役所

 同会には警戒区域内の住民23世帯、約50人が参加している。被災の程度はさまざまだが、区域は原則立ち入り禁止のため、自宅が無事でも帰宅することはできない。住民は長期避難世帯に認定され、応急仮設住宅で暮らしている。
 市は復興計画策定に向けて検討委員会を設置した。しかし、10人の委員のうち警戒区域の住民は1人だけ。市は委員以外の人にも意見を聴くとしているが、中島代表は「当事者の声を反映できるように市の組織体制を強化し、検討委員に警戒区域の住民を加えるべきだ」と訴えた。
 斉藤栄市長は8日の市議会本会議で、応急仮設住宅の家賃補助期間の2年以内に被災地のインフラ復旧を終えるのは困難との認識を示した。そのため同会は、帰宅するまでの補償や区域の見直しなども市に要望する方針。
 

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