記者コラム「清流」 離れても御殿場ファンに

 別れの季節。今年も仕事でお世話になった人や息子の同級生から新天地に移ると報告を聞く。御殿場市によると、近年の転出者数は年間4500~5000人で推移する。自衛隊員や大企業勤務の住民が多く、別れの機会が増えるのは宿命だ。
 わが家の子どもたちは時々、日本地図を見ながら「○○には○○がいる」と離れてしまった友人を思い出す。北海道、宮城、埼玉、福岡、鹿児島…。関わりの少ない土地が身近に感じられる。地図の先ではきっと、御殿場を懐かしんでいる人がいるだろう。
 富士山に抱かれたこの地で共に過ごした時間は共通の財産だ。別れはさみしい。だが、全国各地に元市民である御殿場ファンがいると考えるとうれしく、とても心強い。

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