記者コラム「清流」 感謝込めた最後の落書き
小中一貫校への移行で解体を控える富士市の富士川二小の校舎は現在、盛大な落書きで埋め尽くされている。
校舎との別れに、児童が許可を得ていた。壁や床に描いたのは仲間と遊んだ日々の思い出。大人から指示されたわけでもなく、率先して「ありがとう」「学校大好き」と記した。教室いっぱいの絵と言葉が「普通の日々が楽しかった」という子どもたちの充実した学校生活を物語っている。
普段は教員に叱られる落書き。最初で最後のお絵描きを堪能する笑顔は一段と輝いて見えた。
住民との交流を大切にした同校。地元に残る歴代の卒業生の名前が各所に刻まれていた。4月から新校舎に移る。真っさらな教室も、地域と共にたくさんの思い出で彩ってほしい。