記者コラム「清流」 ありがとう「グリル」

 書道パフォーマンスで人気を集めた伊豆・三津シーパラダイス(沼津市)のカリフォルニアアシカ「グリル」が天国へ旅立った。記者も取材を通じ、力強く文字を書き上げる姿に魅了された。ファンの一人として、もうショーで会えないことがさみしい。
 書道の大ベテランとして貫禄すら感じたグリルにも、新人の時代があった。同園にやってきたのは1歳だった2000年。土屋考司飼育長は「最初はやんちゃで、筆を投げ出してしまうこともあった」と振り返る。活躍の裏には、地道な訓練の積み重ねと飼育員の苦労があった。
 会社のデスクには、グリルの書のレプリカが置いてある。20年にわたって来園者に楽しい思い出を与え続けたグリルと飼育員の努力に、今も元気づけられている。

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