記者コラム「清流」 音楽機にアフガンを再考

 浜松市楽器博物館で開かれたコンサートで、アフガニスタンの音楽に初めて触れた。伝統弦楽器ラバーブの繊細で深みのある音色と、女性ボーカルの現地公用語ダリー語の独特な響き。郷愁を感じさせる曲調にすっかり引き込まれた。
 シルクロードの交差点と言われ、音楽も多様な民族文化を背景にはぐくまれたという。2019年に現地で凶弾に倒れた中村哲医師をはじめ、紛争で緊迫した地帯との印象が根強い。音楽の面からアフガニスタンを感じることは新鮮だった。
 一方、最近の海外報道はロシアのウクライナ侵攻関連が大半。最近のアフガン情報は得にくいが、タリバンの復権で混乱は続いているようだ。世界各地に深刻な人道危機が存在することを忘れずにいたい。
 

いい茶0
あなたの静岡新聞 アプリ
地域再生大賞