浜松総局 山本雅子
やまもと・まさこ 静岡市出身。2000年入社。東部総局、本社整理部、島田支局、経済部、磐田支局などを経て、2022年から浜松総局勤務。
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スズキ売上高、初の5兆円突破 24年3月期 円安やインド販売増
スズキが13日発表した2024年3月期連結決算は、円安効果や原材料高の影響緩和、主力インドでの販売増などで売上高が前期比15・8%増の5兆3742億円と初の5兆円台に到達した。各利益面もすべて過去最高を更新し、純利益は21・1%増の2677億円だった。 本業のもうけを示す営業利益は32・8%増の4655億円。円安に伴う為替の増益効果が828億円押し上げたほか、販売台数の増加、機能充実に原材料高を反映した値上げも奏功した。経常利益は27・6%増の4885億円。 事業別売上高は四輪が17・3%増の4兆8838億円。世界生産は326万5千台(1・7%増)と微増の一方、同販売台数は半導体不足の解
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働く人応援浜松の「街食堂」1周年 週替わり地元店 1万人利用 協力企業増
食をキーワードにした交流拠点を目指す浜松市中央区板屋町の「街食堂」が8日、開設1年を迎えた。浜松地域で働く人の応援を掲げ、地元の飲食店が週替わりで平日のランチを提供する。延べ34店が出店し、約1万300人が利用した。運営に協力する会員企業はスタート時の20社から33社に拡大し、毎週水曜夜に開く学びの場「ヨル喫茶」とともに、街中のにぎわい創出に貢献している。 ビル地下1階のコミュニティースペースに開設された食堂では、各店が自慢の店舗料理をアレンジしたランチを税込み千円で提供する。1周年を迎えた6~10日まで5日間の出店者は、市内の創作イタリアン「ビストランテ ウニコ」(田中ルカス秀樹オーナ
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浜松いわた信金 SDGs融資 23年度15億円 PIFは「士業」にも
浜松いわた信用金庫はこのほど、持続可能な開発目標(SDGs)に関連した投融資「サステナブルファイナンス」2商品の2023年度の実績を発表した。融資額は計18件15億円と、目標の10件10億円を上回った。 企業活動による社会影響などを評価して融資する「ポジティブ・インパクト・ファイナンス(PIF)」、目標達成度合いに応じて金利を優遇する「サステナビリティ・リンク・ローン(SLL)」は23年度に取り扱いを開始した。対象先は建設や製造業、廃棄物処理、飲食、美容など対象先は幅広く、人材確保など人的資本強化を主眼にした目標(KPI)設定が目立つという。 このうち、社会保険労務士法人村松事務所(浜松市)
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地域と交流、介護施設に彩り 入居者ら“非日常”満喫 浜松の管理会社がプロジェクト、14者が食や体験で協力
須山建設グループで高齢者施設の管理運営会社「バイ・スティックケアサービス」(浜松市中央区)が、地域企業との交流を通じて多様性ある施設づくりを目指す「未来マチプロジェクト」を展開している。サービス付き高齢者向け住宅「おおるり富塚」(同)で2年前、市内のバーマスターと連携して入居者や家族向けのイベント「BAR OHRURI」を開催したことがきっかけ。協力企業や団体は飲食や織物工房など現在14事業者に広がる。 このほど開かれた催しでは、バーランブリンボーイ(千歳町)、KIZUKIの食堂(尾張町)、高齢者に配慮したケアを行う福祉ネイリストが協力。80~90代の約30人の入居者らが参加し、旬の地元食
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浜松から広がれ!ベトナム産カカオ IT企業代表、窮状知り後押し チョコやワイン、ハンドクリームなど販売
浜松市などに拠点を置き、ベトナムで農薬や化学肥料を使わない有機カカオの生産加工販売を手がける「OCA(オカ)」グループが、ベトナム産カカオの認知度向上や販路開拓を本格化させている。異常気象による不作や離農による生産減が世界的に課題となる中、生産と販売両面で、持続可能性に配慮した現地のカカオ産業育成を後押しする。 オカ社は、IT企業シーポイント(浜松市中央区)の野沢浩樹代表(61)が設立した。進出先のベトナムで、農家が品質の高いカカオを栽培する一方、低価格での取引のため生産者が減るなどし、面積が激減する危機的状況を知った。 同国産地の南部バリアブンタウ省に掛け合い、農地整備や生産、加工品製
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遠州織物でエプロン 園芸、ファッションに 鈴木織商
織物専門商社「鈴木織商」(浜松市中央区)は、遠州織物の生地を活用した「Orisho(オリショー)エプロン」3種類を発売した。個人消費者向け商品。ショート丈のエプロンは開催中の浜名湖花博に合わせてガーデニングでの活用も提案する。 洋服のような着こなしが可能な綿と綿麻製「ドレスエプロン」は、有名服飾ブランドの女性用コートの採用素材などを活用している。「遠州リネンdeエプロン」は豊富なカラーバリエーションを用意。柔らかくて丈夫な仕立ての「綿deエプロン」のうち、チェック柄のショート丈エプロンは、はさみなどを入れられるポケット付きで園芸やキャンプ向けにPRする。 浜松商工会議所が特産を使った製品
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御室氏、全信協会長退任へ 2期4年 経営基盤向上など推進
全国信用金庫協会(全信協)は26日、会長の御室健一郎浜松いわた信用金庫会長(79)が、6月下旬に任期満了で退任すると発表した。御室氏は2020年6月に本県関係者で初めて全信協会長に就いた。 2期4年にわたり、県内9信金を含む254信金が加盟する協会を率いた。新型コロナウイルス禍が続く中、市場縮小や原材料高騰などの課題を抱える全国の信金の経営基盤向上支援、信金の目指すべき姿を示す新3カ年計画策定、デジタル化対応などを推進した。 御室会長は取材に「コロナ禍の困難な事態に対し、信用金庫業界で団結することができた。今後も金融情勢変化への対応や変革期の地域企業の支援に、引き続き信金が役に立てるよう取り
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学生の活動で浜松元気に 中心街で「ごみ拾い」 プロジェクト本格化、企業も支援
「学生のやりたいこと」の実現を通じて浜松地域の活性化を目指す「浜松学生プロジェクト(略称・はまガク)」が活動を本格化させている。20日は「ごみを捨てない文化」の機運醸成を目指し、浜松市の中心街で学生が企画したごみ拾い活動を行った。今後もごみ拾いを含む複数の企画を継続的に開催して参加学生の裾野を広げる。市内企業も後方支援する。 ごみ拾いには静岡文化芸術大と愛知大の4年生と2年生計7人が参加し、JR浜松駅北口から浜松城周辺まで、街路や植え込みに落ちているペットボトルや空き缶、プラスチックごみ、たばこの吸い殻などを集めた。企業関係者や市職員も加わった。愛知大4年の森悠里香さんは「多くの学生に体験に
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スズキの23年度四輪世界生産326万台、1.7%増 半導体不足緩和、インドけん引
スズキが25日発表した2023年度の四輪車実績によると、海外と国内を合わせた世界生産は前年度比1・7%増の326万5203台と3年連続で増加した。半導体不足の緩和を背景に主力インドが3・2%増の198万3851台と2年連続で過去最高となり、国内は5年ぶりに100万台を超えた。世界販売も5・6%増の316万7908台と3年連続で前年度実績を上回った。 海外生産は0・1%減の225万3946台と微減。インドのほかハンガリーが9・8%増の15万6380台と伸びた一方、政府の輸入規制が響くパキスタンが73・9%減、タイが53・7%減と押し下げた。国内生産は部品調達制約が和らぎ6・0%増の101万1
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管理業務支援 プロスポーツでも Wewill(ウィーウィル)(浜松) チーム強化に資源振り向け B1三遠「コラボ」導入
中小企業の管理部門業務を支援するWewill(ウィーウィル、浜松市中央区)はサービスの契約先を、プロスポーツチームに広げている。1年前に運営企業がサービスを本格導入したバスケB1リーグ「三遠ネオフェニックス」は、4月に地区優勝するなど躍進。海外選手の給与支払いなど一般企業にない分野を含む管理業務の効率化を推進する一方、選手層強化やファンサービスなど注力すべき事業に経営資源を振り向けた。 ウィーウィルのサービス「コラボ」は、中小企業の経理、人事、法務などの管理業務を集約・体系化し、デジタル化を図る。各業務に精通した同社の従業員約20人の中から数人でチームを組み、業務を分担。中小に限界があった業
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神野選手とランニング交流会 はままつフルーツパークで20日、先着100人
浜松いわた信用金庫は20日午後1時半~2時半、青学大時代に箱根駅伝で活躍したプロランナー神野大地選手を招いたランニング交流会を浜松市浜名区のはままつフルーツパーク時之栖人工芝サッカー場で開く。定員は100人程度(当日先着順)。 神野選手は質疑に答える形で講演した後、参加者とともにランニングする。スポンサー契約を結ぶ同信金がスポーツを通じた地域貢献活動の一環で企画した。 受け付けは午後1時からで、希望者は運動ができる服装、タオル、飲み物などを持参する。参加費は無料だが、施設入園料が必要。 荒天中止。問い合わせは、はままつフルーツパーク時之栖<電053(428)5211>へ。
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次世代車の最新動向報告 浜松のイノベーションセンターがフォーラム 中小のデジタル対応支援
電気自動車(EV)など次世代自動車に関連した中小企業のビジネス獲得を支援する浜松地域イノベーション推進機構次世代自動車センター浜松(浜松市)は15日、2024年度のフォーラムを同市内で開いた。静岡県内外の会員企業など約220人が参加し、次世代車を取り巻く国内外の最新動向に触れた。本年度もデジタルものづくりや、サプライチェーン(供給網)を担う小規模企業の現場改善に基づく収益力改善支援を強化する。 望月英二センター長は、固有技術探索やカーボンニュートラル対応、中国製EVの車両分解など50回にわたる23年度の事業を報告。本年度のデジタルものづくり支援では、3Dプリンターを使った部品試作製作や完成
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【聞きたい】免許返納後も移動の喜びを 電動アシスト四輪自転車発売 望月誠/セリオ社長
ハンドル形電動カートを製造販売するセリオ(浜松市中央区)は4月、自社開発新商品の電動アシスト付き四輪自転車「遊歩リベルタ」の販売を始めた。高齢化に伴う運転免許返納の動きを受け、新たな移動の選択肢となる電動モビリティの需要獲得戦略を聞いた。 ―新製品の特徴は。 「『安心して移動できる』が原点。低床・低重心かつ後傾姿勢で運転できる構造で、転倒リスクを軽減できる。昨年秋に始めたレンタル、リースの取り扱いが好調だったほか、年1500台の生産態勢も整った。体が動く人は免許返納後すぐに電動カートや車いすを利用するのは抵抗があるようなので、その間を橋渡しする位置づけにしたい」 ―事業の中核と強みは
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スズキ インド・マネサール工場の新生産ライン稼働 年間10万台増産
スズキのインド子会社マルチ・スズキは10日までに、北部ハリヤナ州のマネサール工場に増設した新生産ラインを稼働した。同工場の年間生産能力は以前から10万台増えて90万台となる。インド国内の他の2工場と合わせて、計235万台に拡大した。 マネサール工場は2006年に稼働した。敷地内に段階的に建設した三つの生産施設のうち一つに、組み立て新ラインを設置した。施設では「シアズ」「エルティガ」などの車種を生産している。 マルチ・スズキはインド国内で現在3工場を運営する。マネサール工場のほか、ハリヤナ州グルガオンが70万台、グジャラート州が75万台の各生産能力を備えている。3月末までに3工場の四輪累計
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記者コラム「清流」 県外の軽トラ市を訪問
3月下旬、愛知・新城市の県外の軽トラ市を初めて訪ねた。全国三大軽トラ市の一つで、中心の商店街で毎月開催している。新城は道路中央に軽トラを1列に配置するスタイル。スペースを有効活用でき、両脇の店舗の景観を阻害せず、客を送り合うのが良い。 この商店街に、スズキの販売子会社が営業所を移転新築オープンした。軽トラ市開催時間は敷地を無料開放してまちと“一体化”。会場のほぼ真ん中に位置するため、子ども連れや高齢者が立ち寄ってトイレや授乳など一息付ける。軽トラメーカー自ら地域振興に一役買う象徴的な試みだろう。 月イチ開催は浜松など本県会場と比べ高頻度だと思ったが、無理のない自主
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二輪部品のイハラ製作所 アルミ羽釜、開発 自社技術を結集 初の消費者向け「早炊きだから旨い」
二輪エンジンなど輸送機器部品加工のイハラ製作所(浜松市浜名区)は自社の加工技術を生かし、一般消費者向けの初の製品となるアルミ製羽釜「アラヒ」を開発した。熱伝導率の高さを生かして急速に加熱を促す構造で「早炊きだから旨(うま)い」(同社)という。 羽釜は4合炊きで、幅25センチ、奥行き24センチ、高さ12センチ、重さ2キロ。市内で工業製品のデザインを手がける事務所「UO(ウオ)」と組んだほか、市内の日本料理店「勢麟(せいりん)」に監修を依頼。プロの料理人の米炊きのこだわりを投影し、現代生活に合わせたガスこんろ向け羽釜の完成へ、金型製作から鋳造、切削加工まで自社技術を結集させた。 急速に炊くこ
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浜松いわた信金、新中計発表 「経済波及」を重視、資金供給と提案強化
浜松いわた信用金庫は5日、2024~26年度の新中期経営計画(新中計)を発表した。10年後の地域の未来を見据え、新設のファイナンス支援部を軸に資金供給を強化するコアビジネスと、課題解決提案のソリューションの2戦略を柱に持続的成長を促進する。成果指標に取引先1万7千社の売上高と域内関連産業への波及による売上高を合計した経済波及効果を設け、22年の6兆1256億円から継続的な増加を目指す。 同日、浜松市中央区の本部で会見した高柳裕久理事長は、変革期の地域産業や金融環境変化の中で「覚悟を持って未来に挑戦する」と述べた。新中計は、浜松信金と磐田信金の合併後の19年度から5年間の第1次に次ぐ。設定
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鈴木修スズキ相談役、川勝知事と面会
川勝平太知事の辞職表明に関連し、鈴木修スズキ相談役は4日、3日に浜松市内で川勝知事と面会し報告を受けたと明らかにした。「やむを得ない。長い間ご苦労さまでした」と声をかけたという。 出馬などを支援した鈴木相談役は、川勝知事の15年間の県政運営について「上出来だった」と評価しつつ「ただ、失言は少なくなかった」と振り返った。面会では次の知事候補の話題は上がらなかったが、「県民の声を聞く人(が望ましい)」とした。
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音声案内機能を追加 車のブレーキ、アクセル 踏み間違い抑止装置 浜モトニューロー開発
四輪や二輪の安全支援商品を製造販売する浜モトニューロー(浜松市中央区)が、車用高齢者向け運転支援装置「光と音声でわかるペダル君」を開発した。ペダル上の足やシフトレバーの位置と連動させてLED(発光ダイオード)ランプで表示する2019年開発の装置に、新たに音声案内機能を追加した。運転前や運転時に視覚、聴覚の二つの感覚に訴えてブレーキとアクセル操作の踏み間違いを抑止する。 前回開発した「光でわかるペダル君」は、ブレーキスイッチや車速センサーの電子回路を経由して、ブレーキ操作時は赤色、走行時は青色、シフトレバーをバックに入れると黄色に点灯する。時速8キロ未満の走行は点滅する仕組み。 音声機能を加え
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インド四輪生産 累計3000万台達成 スズキ、40年4カ月
スズキは3日、乗用車シェア40%を超える主力市場インドの累計四輪生産台数が、3月末までに3千万台を超えたと発表した。1983年12月の生産開始以来、40年4カ月での達成。世界トップの14億人の人口を抱え、拡大するインドの需要に対応し、日本国内で記録した55年2カ月を抜いて最速で節目に到達した。2023年度の生産台数は198万台(子会社マルチ・スズキ公表)と過去最高だった。 現在3工場で計16車種を生産している。1983年にマルチ・スズキ社の前身マルチ・ウドヨグ社で、第1号車「マルチ800」の生産をスタート。累計500万台達成は2005年4月、1千万台は11年3月、2千万台は18年6月だった
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新興企業の資金調達支援 静岡県信用保証協と浜松いわた信金
静岡県信用保証協会は浜松いわた信用金庫(浜松市中央区)と組み、スタートアップの円滑な資金調達や成長を促進するための支援体制を構築した。同協会本部に専任担当者を置き、融資保証の申し込み前から審査、その後のフォローアップまで一貫して支援する。1日に運用開始した。 同信金が市内に構える起業家支援拠点「FUSE」の会員や相談に訪れた企業などが対象。企業の保証受付の窓口や審査は、通常同協会の支店が担うが、今回の連携体制では本部職員が直接関与する。 スタートアップ支援のノウハウを持つ浜松いわた信金側と綿密に情報交換し、企業の資金調達の課題などを解決しながら踏み込んだ支援を行う。 方策の一つとして、
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浜松いわた信金入庫式 「地域に寄り添う」新入職員が誓い
浜松いわた信用金庫(浜松市中央区)は1日、同区の同信金本店棟で新入職員の入庫式を開き、大卒48人と高卒10人の計58人が出席した。昨年まで開催した磐田本部(磐田市)の浜松への移転に伴い、本店棟で初めて実施した。 一人一人の名前を呼び上げた後、高柳裕久理事長が新入職員代表の塚本結羽さん=浜松市出身=に採用辞令を交付した。川合真央さん=同=が誓いの言葉として「時代の変化に臨機応変に対応し、地域の方に寄り添う姿勢を忘れず業務に取り組む」と述べた。 高柳理事長は本年度から新中期経営計画がスタートすることを紹介し「新たな価値を生み出して活性化に貢献するため、地域への思いや志、柔軟な発想、行動力を持
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車載半導体研究開発へ スズキ、技術組合参画
スズキは29日、自動運転に使う高性能デジタル半導体(SoC、システムオンチップ)を研究開発する「自動車用先端SoC技術研究組合(ASRA)」に新規参画したと発表した。トヨタなど他の自動車メーカーとともに、種類の異なる半導体を組み合わせる技術を適用した自動車用SoCの技術確立を目指す。スズキは強みである小型車に最適な仕様を追究する。高性能なSoCの開発、生産について、自動車メーカーがタッグを組むほか、電装部品メーカーと半導体関連企業の技術力・経験知を結集することで、最先端技術の実用化を加速させる。2030年以降の量産車への搭載を目指す。プロジェクトは同日、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー
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浜名湖発「生きる喜び」 がん経験の川中さん 悩み吹き飛ぶ感動体験イベント
浜松市中央区のパーソナルトレーナー川中ちひろさん(47)が、SUP(スタンドアップパドルボード)や食など浜名湖の自然を五感で楽しんでもらうイベントを今春スタートした。シングルマザーとしての子育てやがんを経験する中、浜名湖の雄大な自然に魅せられ2019年に静岡市から移住した。「非日常の空間に身をゆだね、生きる喜びを感じてほしい」と語る。 育児中の母親、育児が一段落した40、50代向けに、地元水産物を味わったり、気軽に海遊びを体験したりする場を提供する。3月中旬、浜名湖の眺望を間近に楽しめる湖西市新所で開いた初のイベントには、幼児を含む家族連れなど3組が参加した。川中さんや地元の消防士男性の指
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スズキ生産10.4%増 インドけん引 2月の四輪車実績
スズキが28日発表した2月の四輪車実績は、世界生産が前年同月比10・4%増の28万7450台、世界販売が11・5%増の28万8140台とともに2カ月連続で増加した。半導体不足改善を背景に、主力市場インドが生産、販売ともに2月として過去最高となり全体をけん引した。 海外生産は5・6%増の19万8242台で、このうちインドは11・5%増の17万8193台。半導体不足影響緩和で「フロンクス」「エルティガ」「XL6」といったMUV(多目的車)、SUV(スポーツ用多目的車)モデルの生産が伸びたほか、需要増で中近東やアフリカ、中南米への輸出向けも増えた。 一方、政府の部品輸入制約の影響が続くパキスタ
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MBO目指すローランドDG TOB期間延長
ローランドDGは27日、MBO(経営陣による自社買収)に向け、米国投資会社タイヨウ・パシフィック・パートナーズが設立した企業による株式公開買い付け(TOB)の期間が、期限だった同日から4月12日までに延長されたと発表した。買い付け価格の変更はない。 TOBを巡っては、ブラザー工業が3月13日、「対抗TOB」を予告、タイヨウ側のTOB価格1株5035円を上回る5200円を提示している。 ローランドDGは26日、タイヨウ側からTOB条件変更の意向提示の要請に対する具体的回答がないとして、株主に対する応募推奨を撤回し、株主判断に委ねると決議した。タイヨウ側のTOBの期間延長は、こうした経緯や応
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TOBの応募推奨撤回 MBOへローランドDG 賛同は維持
ローランドDGは26日の取締役会で、MBO(経営陣による自社買収)に向けて、米国投資会社タイヨウ・パシフィック・パートナーズが設立した企業が実施している株式公開買い付け(TOB)について、株主に対して応募の推奨意見を撤回し、株主判断に委ねると決議した。ブラザー工業が13日に「同意のない」TOBを予告し、タイヨウ側の1株5035円を上回る5200円のTOB価格を提示している。 26日のローランドDGの市場株価は終値5350円と双方のTOB価格を上回っている。同社は、タイヨウ側に買い付け条件の変更意向の提示を要請したが、具体的な回答がないことを踏まえ、株主への応募の推奨意見を撤回した。 ブラ
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スズキ、サステナブル二輪で鈴鹿8耐参戦 環境技術開発を加速
スズキは22日、40%バイオ由来の「サステナブル燃料」で走行する二輪で、7月19~21日に三重県で開催される鈴鹿8時間耐久ロードレース(鈴鹿8耐)に参戦すると発表した。カーボンニュートラル(CN)のプロジェクトに賛同する企業8社が、環境負荷低減に配慮したタイヤや部品などを提供する。耐久レースの厳しい環境下の実走で得たデータ検証を通じ、環境性能技術の開発を加速する。 チーム名は「チームスズキCNチャレンジ」。レース仕様の「GSX-R1000R」で、実験的クラスの「エクスペリメンタルクラス」に参戦する。社内で選抜したメンバーを中心につくる。 二輪部品メーカー、ヨシムラジャパン(神奈川県)と組
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東京モーターサイクルショー開幕 市販予定車「XSR900GP」注目集める ヤマハ発など出展
東京ビッグサイトで22日開幕した「東京モーターサイクルショー」は、静岡県内からヤマハ発動機やスズキなどが出展し、新型バイク展示や今後の交流イベントの開催発表などを行った。 ヤマハ発動機のブースでは主力のバイク29台を展示した。「R」「MT」「XSR」の各シリーズの125CCから上位モデルまでを並べて「ステップアップする喜び」を感じてもらう試みや、今夏以降投入予定の「XSR900GP」が注目を集めた。愛好家の交流を深めるイベント拡大や日頃二輪と接点が少ない人に広く訴求する催しの開催方針も発表した。 スズキのブースは1月に国内発売した新型「GSX―S1000GX」など25台が並んだ。人気バイ
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国際ボートショー 横浜で開幕 ヤマハ発やスズキ出展、脱炭素戦略発信/レジャー需要狙う
国内最大のマリンイベント「ジャパンインターナショナルボートショー」(日本マリン事業協会主催)が21日、横浜市のパシフィコ横浜などで開幕した。ヤマハ発動機やスズキなど215社が出展(オンライン会場は230社)。レジャー需要の取り込みを図る最新のボートや船外機に加え、カーボンニュートラル(CN)の達成実現へ電動関連や資源循環などをテーマにした技術を紹介した。24日まで。 ヤマハ発は横浜ベイサイドマリーナ会場の大型輸入ボートを含め17点を展示した。電動推進、水素エンジン、植物由来の素材活用などCNに向けた「全方位」の戦略を発信。ガラス繊維の代替として、植物の亜麻(あま)に由来するFRP(繊維強化
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スズキ 印で鉄道輸送強化 グジャラート工場 引き込み線完成 脱炭素と効率向上
スズキは主力市場のインドで、鉄道を活用した完成車の国内輸送を強化している。西部グジャラート州で進めたインド初の自動車工場敷地内への鉄道引き込み線の設置がこのほど完了し、稼働した。27両編成で一度に約270台運べる。広大な国土を持つインドでトラックによる陸上輸送を状況に応じて鉄道に切り替える「モーダルシフト」を推進し、輸送効率向上とともに、二酸化炭素(CO2)排出量削減や道路渋滞緩和に貢献する。 スズキは2014年から、最寄り駅にトラックで運んだ上で切り替える形で鉄道輸送を利用している。今回はインド政府と連携したインフラプロジェクトの一環で、工場敷地内に直接引き込まれた鉄道線から輸送できる新
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花のリレー 発展へ心一つ 天浜線沿線プロジェクト 64団体交流深める 浜松市
静岡県西部しんきん地域振興財団(浜松市中央区)は14日、天竜浜名湖鉄道の沿線に季節の花を植え、観光資源として地域振興を図る「天浜線 人と時代をつなぐ花のリレー・プロジェクト」の参加団体交流会を同区で開いた。県西部の64団体約110人が出席し、活動紹介を通じて交流を深めた。 プロジェクトは、浜松いわた信用金庫(当時浜松信金)と天竜浜名湖鉄道、市花みどり振興財団の呼びかけで2018年にスタートし、現在135団体が企業や学校などと植栽した花木の維持管理を行っている。取り組みは本年度の全国花のまちづくりコンクール大賞を受賞した。 交流会は2回目。御室健一郎浜松いわた信金会長は「プロジェクト発展へ
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板金溶接の自動化支援 リンクウィズ(浜松市)、パッケージ商品販路拡大 3D解析、熟練の技再現
産業用ロボット向けソフトウエア開発のリンクウィズ(浜松市中央区、吹野豪社長)は、独自の3次元形状処理技術を活用した板金溶接作業の自動化支援パッケージの販路拡大を強化する。「熟練の溶接工の技を再現」を掲げて、初心者でも扱いやすい仕組みとし、人手不足や職人の高齢化の課題を抱える中小製造業などのニーズを掘り起こす。 高い精度が求められ、技術を持つ職人の依存度が高いTIG(ティグ)溶接の自動化に特化した「L―ROBOT板金溶接パッケージ」。箱形など簡易な形状に絞った溶接対象物(ワーク)を3Dスキャナーと解析ソフトで3次元で把握する。作業員は架台に設けられた治具にワークを置くだけでセットが完了。ス
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スズキ、要求上回る10%以上賃上げ、過去最高水準 一時金は満額回答 24年春闘
スズキは8日、2024年春闘で、平均10%以上の賃上げを行うとスズキ労働組合に回答したと発表した。スズキによると、物価上昇を踏まえ、定期昇給分や24年度から導入する人事制度改革に基づく給与引き上げと併せて、組合が要求した賃上げ総額2万1千円を上回って過去最高水準となる。年間一時金の回答も、要求通り前年比で0・4カ月多い6・2カ月と過去最高とした。 3回の交渉を経て同日回答した。労組はベースアップ(ベア)に相当する賃金改善分と定期昇給分を含めた月額平均の賃上げ総額で要求していた。スズキは人事制度改革の内容が含まれるとして、要求に対する具体的な金額の回答は「差し控えた」とした。 スズキは昨年
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スズキ、大卒初任給25万1000円に引き上げ 24年度から人事制度刷新
スズキは8日公表した2024年度に全面刷新する新人事制度で、新入社員の初任給引き上げを盛り込んだ。大卒は22万円から25万1千円に増額(引き上げ率14・1%)し、優秀な人材の確保につなげる。 院卒は現行の24万2千円から27万3千円(同12・8%)、高校卒は17万9500円から20万1千円(同12・0%)となる。子育て支援や通勤など各種手当ても改善する方向で見直す。 新人事制度で取り入れる職能資格制度は、各職種と階層に応じた役割と、求められる社員の能力要件を明確化する。業績と職務能力の評価を切り分け、短期の業績は賞与に、職務能力は昇級、昇格に反映する。 60歳の定年後に再雇用する社員に
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「空飛ぶクルマ」磐田で製造開始 スズキとスカイドライブ 25年万博運航機も
スズキは7日、「空飛ぶクルマ」を開発するスタートアップのスカイドライブ(愛知県豊田市)と連携し、スズキグループの磐田市の工場で機体製造を開始したと発表した。2025年の大阪・関西万博で運航予定の空飛ぶクルマをはじめ、販売用機体を順次製造する。スカイドライブは現在国内外で258機の購入予約を受けている。 機体は3人乗り(操縦士1人、乗客2人)の「スカイドライブ(SDー05型)」。全長約11・5メートル、全幅約11・3メートル、全高約3メートル(ローター含む)で、航続距離は約15キロ。スカイドライブの製造子会社スカイワークス(磐田市)が生産を担う。スカイワークスの社員の半数はスズキからの出向で
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スズキ世界生産2.6%増 1月四輪、販売も増 インドがけん引
スズキが28日発表した1月の四輪車実績は、海外と国内を合わせた世界生産が前年同月比2・6%増の30万3133台、世界販売が10・2%増の28万5922台といずれも3カ月ぶりに前年実績を上回った。主力市場のインドが生産、販売いずれも1月として過去最高を更新し、けん引した。 海外生産の約9割を占めるインドは、10・1%増の20万4819台と単月の台数でも過去最高だった。半導体不足による供給制約解消でMUV(多目的車)の「エルティガ」やSUV(スポーツ用多目的車)「ブレッツァ」などの生産が増加。外貨不足に伴う政府の輸入制限で生産が滞るパキスタン(59・1%減)、紅海の商船攻撃による部品輸送遅れで
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自動車整備の仕事 魅力発信 浜松で体験会
静岡県自動車整備振興会は25日、自動車整備士の仕事の魅力を小中学生ら若年層に伝える催し「エンジョイ・カードクター」を浜松市中央区の市ギャラリーモール・ソラモで初開催した。次世代自動車登場など環境が変化する中、知識と技術を持ち、走行の安全を支える整備士の人材確保が狙い。 自動車整備士を養成する県内の専門学校や高校の4校や自動車販売会社など計12団体が出展し、取り組みを発信した。飛龍高自動車工業科(沼津市)は、ミニカーのタイヤの脱着体験などを行い、生徒が参加した子どもに寄り添いながら、車の構造の特徴や工具の使い方を手ほどきした。専門学校の各ブースでも、車の電子制御点検やネジ取り外し体験、カスタ
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静岡人インタビュー「この人」 浜松市出身のレーシングライダー 渥美心さん(大阪市在住)
4歳からバイクを始めて約25年。耐久レースをメインに国内外で活動する。今季は昨年9月から所属するチーム「ヨシムラSERT[サート] Motul[モチュール]」で参戦する。浜名区出身。28歳。 ―レーサーとしての経緯は。 「バイクの仕事に携わる父親からポケットバイクを贈られたのがきっかけ。15歳で全日本選手権に出場し始め、大人になるにつれプロレーサーの道を決意した。2019年には鈴鹿8時間耐久ロードレース(SSTクラス)で優勝し、海外レースでも結果を残した。22年はフランス拠点のチームに移り、異文化の中でのレース参戦は貴重な経験になった。鈴鹿8耐には22、23年は、エスパルスドリームレーシ
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記者コラム「清流」 故郷の味は働く源
スズキがインド人従業員の働く環境を整えるため、浜松市内の飲食企業と組んで社食で本格的なインドベジタリアン(菜食主義者)メニューの提供を始めた。アッサム州出身の20代の男性社員は、従来はメニューによっては肉を取り除いてもらったといい、故郷に近い味に表情を緩めていた。 外国出身社員にとって、自国に準ずる食の充実は心強いだろう。約40年前にインドに進出した高い経験値を持ち、海外出身の人材活用を進めるスズキならではの気づきが込められている。一連の開発メニューは冷凍パックで全国に発送でき、外国人を採用する全国企業への“横展開”を狙う。 IT分野などインドの高度人材は世界的に
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中小の技術、空へ宇宙へ 浜松商議所が参入支援強化 重工OBが分析、助言役
浜松商工会議所は2024年度、将来の市場拡大が見込まれる航空宇宙産業への参入支援強化に乗り出す。国内重工メーカーOBに「アドバイザー」を委嘱し、自動車産業で培ったものづくり技術の転用と具体的な受注支援につなげる。 国際的な電気自動車(EV)シフトの動きを受け、既存事業の変革に迫られる中小企業に対し、これまでの情報提供主体の支援を拡充する。アドバイザーらが中小企業を訪問し、既存技術の強みを分析。参入可能性や企業の意欲に応じ、事業化戦略をサポートする。 アドバイザーの人脈を生かし、重工、装備品メーカーとの商談機会も計画。既に参入した企業に対しても、高レベルの技術が通用するエネルギーや船舶など
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スズキ労組、2万1千円賃上げ要求 24年春闘方針 年間一時金ともに最高水準
スズキ労働組合(組合員約1万6千人、武藤憲司中央執行委員長)は11日、2024年春闘で、ベースアップに相当する賃金改善と定期昇給を合わせた引き上げ総額として、組合員一人平均で月2万1千円を要求する方針を決めた。前年要求を8800円上回り、21年に導入した現行の要求方式で最高水準。会社が示す成長戦略実現に向けた意識醸成の必要性や物価上昇の影響を踏まえた。 同日、浜松市内で4年ぶりに対面で開いた中央委員会で決めた。引き上げ総額の内訳や賃上げ率は非公表。年間一時金は前年を0・4カ月分上回り、過去最高となる6・2カ月分を要求する。連結営業利益が最高となるなど本業における一人一人の貢献度を反映したと
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インド製SUV 日本発売検討 スズキ「フロンクス」、年内に
スズキはインドで生産、販売しているスポーツ用多目的車(SUV)の新型車「フロンクス」を年内に日本で発売する方向で検討している。日本でのラインアップ拡充の一環。インドで生産するモデルを輸入して販売すれば、2016年のコンパクトカー「バレーノ」以来となる。 フロンクスはスズキの子会社マルチ・スズキが昨年4月に発売し、現地で同社SUV車種の人気をけん引している。インド仕様車は流麗な曲線を意識した外観デザインで、全長3・9メートル、幅1・7メートル、高さ1・5メートル。1・0リットル直噴ターボのマイルド(簡易)ハイブリッド車と1・2リットルのガソリンエンジン車を用意。SUVの人気が高まるインドで競
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スズキ 4~12月期 最高益 半導体不足解消で販売増
スズキが7日発表した2023年4~12月期連結決算は、純利益が半導体不足の影響解消に伴う販売増や円安効果などで前年同期比8・0%増の1981億円となるなど、売上高、各利益のいずれも第3四半期として過去最高を更新した。 売上高は12・7%増の3兆8475億円。本業のもうけを示す営業利益は29・8%増の3466億円。インドや欧州、日本での販売台数増加や価格改定効果、円安による458億円の為替影響などが主な増益要因となった。経常利益は20・8%増の3607億円。長尾正彦専務役員はオンライン会見で、「車両供給面の制約が解消し、販売面では必要な値上げに取り組んだ」と述べた。 事業別実績は、四輪車が14
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ヤマハ新社長に山浦氏 11年ぶり交代 中田氏は会長に
ヤマハは6日の取締役会で中田卓也社長(65)が退任し、山浦敦執行役楽器・音響営業本部副本部長(56)が社長に昇格する4月1日付の人事を内定した。中田氏は代表権のない取締役会長に就き、執行役も退任する。 山浦氏は、新規事業開発部門などを歩み、2023年4月から中国子会社の責任者となり、低迷する中国市場において指揮を執った。「中田社長の後を継ぐ自分に求められるのは、礎の上に新たな成長を見いだすこと。ヤマハ、世界の音楽文化の発展に全力を尽くす」と抱負を述べた。 中田氏は13年6月に社長に就任。金融危機に端を発する世界不況の影響が直撃し、中期経営計画が未達だった同社の立て直しを託された。ブランド
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ネイルチップで闘病中も前向きに 浜松のサロン、展示見本を再利用
ネイルサロン運営のビューティースマイル(浜松市中央区)は9日、通常は廃棄する展示見本用のネイルチップ(付け爪)を再利用し、がん患者ら病気療養中や体が不自由な人に提供するEC(電子商取引)サービスを始める。コロナ禍の2020年に始めたがん患者らへの寄付の試みを発展させて事業化した。 開設するスマートフォン向けサイト「ネイルドネーション」にAR(拡張現実)技術を活用した爪のサイズ計測機能を盛り込んだ。初回は無料(送料別)。高橋繁世代表(45)は「柔軟に取り外しできるネイルチップで、闘病中もおしゃれを楽しみ、前向きに過ごしてほしい」と話す。 プロネイリストが季節や流行に沿って作るチップは、一
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スズキ、世界生産1.7%増 四輪、インドは最高更新
スズキは30日、2023年の四輪車の生産販売実績を発表した。半導体不足の改善で、海外と国内を合わせた世界生産、販売はいずれも3年連続で前年を上回った。世界生産は年間過去最高のインド市場が押し上げて前年比1・7%増の322万4996台。世界販売は国内も堅調に推移して3・5%増の307万2824台とコロナ禍前の19年の水準を上回った。 海外生産は1・0%減の222万9048台。部品輸入規制によるパキスタンや東南アジアの生産減が響いたが、インドは0・9%増の193万4186台と最高を更新した。ハンガリーは24・3%増の16万321台と回復した。 国内生産は輸出向けを含めて伸び、8・3%増の99
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イチゴ栽培に通気、排水に優れた新プランター 浜松のマラナタ、豊橋の企業と共同開発
立体式栽培などの次世代農業システム開発に取り組むマラナタ(浜松市中央区)と、施設園芸の自動化システム専門メーカー「日本オペレーター」(愛知県豊橋市)はこのほど、通気性や排水性に優れ、効率的なイチゴ栽培のための「トンネルプランター」を共同開発した。板状の軽量プラスチックの組み立て式で、持ち運びや苗、土の入れ替えが容易にでき、作業者の負担軽減につながる。 組み立て後のサイズは縦45センチ、横16センチ、高さ13センチ。畝の中央にトンネル状の空間を設けた構造で、側面と底面にメッシュ(網目状)を取り入れて通気、排水性を高めた。夏場の温度上昇を抑制できるなど土中の栽培環境をコントロールしやすく、根が
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ヤナギハラメカックス(吉田) 個体差ある農産物、出荷自動化へ システム構築、生産性向上
産業用ロボットシステムのヤナギハラメカックス(吉田町)は、触覚と視覚を融合させたセンサー技術を持つベンチャー「Finger Vision(フィンガービジョン)」(東京)と組み、形状や重量に個体差がある農産物の出荷作業を自動化するシステム構築を進めている。将来の労働力人口減少が予想される中、手作業が軸で人手が必要な農漁業の加工・出荷現場の課題解決を目指す。 生産工程の自動化や産業用ロボットを組み込んだシステムインテグレーション(SI)事業の一環。農産物のエリンギの出荷作業の一部の自動化ラインを想定し、触覚センサー搭載のハンドを多関節ロボットの先に取り付け、コンベヤーと組み合わせてベースとなる
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全国信用金庫協会会長/御室健一郎氏 中小「伴走」地域活性へ【変革力 新年トップインタビュー⑨】
―景気をどう見通すか。 「新型コロナの感染症法上の5類移行で昨年から、社会経済活動は回復基調で推移している。景気は総じて前向きな状況にあると実感している。一方、円安の長期化や中国経済の先行き懸念など不確実性は残る。日銀の金融政策変更の動向も注視する。『金利のある世界』になることは、金融機関の原点に戻り、正常化に向かっていくということ。上昇局面の影響をシミュレーションするなどして備える」 ―厳しい経営環境にある中小企業の支援をどのように進めるべきか。 「コロナ禍を経験したことで、苦境に立ったお客さまの経営課題解決に向けて、より深く伴走支援をしていく覚悟ができた。信金職員は金融を通じて地
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記者コラム「清流」 中小の機動力を武器に
海外企業と取引がある県内製造業の経営者から、「『日本は、一度投げかけてもなかなか回答が返ってこない』とよく言われる」と聞いた。関門が多い大手ほどその傾向が強いそうだ。経営者は商機を逸することによる日本全体の競争力低下を案じていた。 一方で、自分が接したある浜松市の中小製造業の幹部は、取材の問い合わせの返信が迅速で日頃の経営判断の早さも想起できた。記者の視点でみれば、予定が立てやすく円滑に取材ができて紙面に早期に載りやすいし、その後も候補に挙がる可能性がある。 経済は緩やかに回復基調とされるが、2024年も原材料高や人手不足など中小の経営を取り巻く環境は依然厳しい。機動力と柔軟さを武器にし
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空飛ぶクルマ、インドで社会実装 スカイ社、27年めど 州政府と事業推進
スズキの出資を受けて「空飛ぶクルマ」を開発するスカイドライブ(愛知県豊田市)は11日、インドで2027年をめどに商用運航などの社会実装を目指すと発表した。西部グジャラート州政府と戦略パートナーシップ契約を同日までに締結した。スズキと共に、インドの事業開発を加速させる。 日本で開発を進める3人乗り(操縦士1人、乗客2人)の機体をベースに、インドにおける移動手段としての需要や事業化を調査するほか、開発や製造、運航などを含めたエコシステム構築の環境づくりを進める。同州とのパートナーシップ契約に基づき、グジャラート州科学技術省のバックアップを受ける。 日本で春ごろから、スズキの協力で空飛ぶクルマ
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スズキのインド新工場28年度稼働 6000億円投資 生産強化へ
スズキは10日、主力市場インドの西部グジャラート州に同国5カ所目の四輪工場を新設し、2028年度の稼働を目指すと発表した。24年度から順次投入する電気自動車(EV)の増産を見据え、州内の既存工場内に四つ目の新生産ラインを整備することも公表した。一連の整備に総額約6600億円を投じる。 新工場は、土地取得費を除いて約6100億円を投じて整備し、スズキのインド子会社マルチ・スズキが運営する。将来は年間生産能力を100万台規模にする。建設地や生産車種などは決定次第公表する。 同州の既存工場の新生産ラインは26年度に稼働予定とし、三つの生産ラインの年産計75万台態勢に25万台を追加する。560億
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スズキ商用軽バンEV 発売を24年度以降に延期 ダイハツ認証不正が影響
スズキは9日、本年度中に国内で予定していた軽商用バンEV(電気自動車)の発売について、2024年度以降に延期すると明らかにした。同軽商用EVはトヨタ自動車とダイハツ工業の3社で共同開発し、ダイハツが生産を手がける予定だった。昨年末に公表されたダイハツの認証検査不正問題の影響が波及した格好だ。 スズキ広報部は延期後の発売の見通しについて「詳細が明確になった段階で、お知らせする」としている。軽商用EVは同社が30年度に向けた成長戦略で明示した国内外のEV投入戦略で“先陣”を切る予定だった。一方、ダイハツが問題を受けて、生産と出荷を停止している状況の中、計画通りの発売は困
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一体感高め 着実に進歩/スズキ社長 鈴木俊宏氏【変革力 新年トップインタビュー①】
―2024年3月期の連結業績は最高益を見込む。経営環境をどう見通すか。 「昨年は為替の円安や原材料価格安定による効果が大きく、半導体不足を補う調達態勢も整った。値上げなどの影響を含め予想を上方修正した。ただ、為替で数字が膨らんでいるところもある。実力値をわきまえてやっていく。今年はウクライナ問題や中東情勢、足元の商戦の慎重さを含め、そう簡単に一本調子ではいかない。『歩』の姿勢を意識し、各部門が協調して目標へ着実に歩みを進める。組織に技術、グローバル営業の統括を置いて横串を刺し、一体感を高めていく」 ―今後の電気自動車(EV)投入への対応は。 「確かにEVの流れはあるが、一方でドイツが購
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スズキは3.2%減 世界販売も前年下回る
スズキは27日、11月の四輪車実績を発表した。海外と国内を合わせた世界生産は主力インドの減少などで前年同月比3・2%減の26万2799台で2カ月ぶりに減少した。ヒンズー教の祭事「ディワリ」(11月12日)商戦に伴う生産時期のずれなどが影響した。世界販売も日本国内やパキスタンが前年同月を下回り、4・7%減の25万245台と5カ月ぶりに減少に転じた。 海外生産は6・2%減の17万1903台。ハンガリーは半導体不足の緩和で1万5263台と8・7%伸びた。インドは3・2%減と下げたが、祭事に向けて生産が動いた10月との2カ月の合計は前年比で約1万5千台増加した。 国内生産は2・9%増の9万896台と
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電動四輪自転車 免許返納後の足に 月額で貸し出し 浜松のセリオ開発
ハンドル形電動車いすの製造販売を手がけるセリオ(浜松市北区)は、電動アシスト付き四輪自転車「遊歩リベルタ」を開発し、貸し出しサービスを始めた。県内外の直営店「モビリティショップ」18店や営業所で提供する。2024年4月以降の全国販売を計画中で、自動車免許を返納した高齢者の移動の新たな選択肢としてアピールする。 ペダルとサドルの位置を通常の縦から斜めに見直し、背もたれを設けて後傾姿勢でゆったり運転できる。低重心でまたぎやすく、前方のかごがハンドルと連動しない構造で荷物を多く載せてもふらつかないのが特徴。10月のサービス提供後の契約は70、80代を中心に徐々に増えているという。 自社開発は
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国内景気「良い」 2024年見通し、1.5ポイント改善 静岡県西部中小調査
しんきん経済研究所がこのほど発表した県西部地域の中小企業の景気動向調査によると、2024年の国内景気の見通しを「良い」と答えた企業経営者は10・4%で、前年同期の調査と比べ1・5ポイントの上昇にとどまった。「悪い」は50・7%で16・4ポイント減少し、「普通」が38・8%と14・9ポイント増えた。 同研究所は「コロナ禍の行動制限の緩和といった環境改善はあるが、原材料高や人手不足に加え、ウクライナや中東など国際情勢への懸念が影響を与えている」と分析している。 自社の業況が「良い」と見通す割合は1・5ポイント上昇の14・6%、「悪い」は8・2ポイント減の36・3%、「普通」は6・7ポイント増
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起業家精神トップの県に 静岡イノベーションベース(三島市)/富田直人代表理事【キーパーソン・最前線】
2021年10月に本格始動した起業家や経営者の育成支援のためのプラットフォーム。全国に18あるイノベーションベースの本県組織で、発起人は県内出身の起業家3人。「静岡をベンチャースピリッツ日本一の県に」を掲げ、起業家精神の機運醸成に注力する。 ―法人の事業内容は。 「多様な業種の県内約30人の社長が参加する『フォーラム』と、ゲスト経営者の講演『月例会』が柱。世界の起業家組織『EO』のメソッドを参考にしたフォーラムは、社長が毎月個々の経営や自身の経験を共有し、会社や経営者としての成長に生かしている。23年の月例会はヤマハ発動機、浜松ホトニクスなど有力企業のトップらを迎えた。先輩経営者が育成に
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国産木材で樽の香り、酒熟成キット発売 浜松のベンチャー、ボトル漬け込み再現
浜松市の起業家支援施設「FUSE」を拠点に活動するベンチャー、酒ハックプロジェクト(浜松市中区、種石健一社長)は18日、カットした国産木材をボトルに漬け込み、手軽で早期に樽(たる)で熟成したような味や香りを再現できる製品「酒熟成キット#酒ハック」を発売する。半日から1日程度でまろやかな風味への変化が楽しめるという。 キットは高さ25センチのガラス製ボトルと、地元の天竜スギやヒノキ、北海道産ミズナラ、サクラ、カエデなど7種類の長方形型の木材。木材を選んでセットし、ウイスキーや焼酎、ワイン、日本酒など好みの酒をボトルに注いで浸す。 木材の一部は間伐材や高級家具向け“銘木&rdqu
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記者コラム「清流」 軽トラ市の醍醐味
「全国軽トラ市」が開かれた3日の浜松中心市街地は、出店規模やエリアの拡大が後押しし、約6万人といわれる来場者の回遊が生まれていた。出店者との交流も魅力で、滞在時間も長くなったのではないか。 全国100カ所以上に広がるとされる軽トラ市の中でも、浜松は地元産の豊富な農水産物に加え、軽トラックを製造する車メーカー本社が立地する他にない特徴がある。年1回の開催だが、既に全国軽トラ市を経験し定着する磐田、掛川両市などとの連携で、広域エリアの観光資源として発信や集客に生かせそうだ。 前日のシンポジウムで披露された歴史、スポーツイベントとの融合やデジタル化推進など、地域ごとの資源やニーズに沿った取り組
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企業×地域資源 浜松・可美中生“斬新”新事業 浜名湖浄化/まつり屋台アルミ活用
浜松市南区の可美中はこのほど、地元企業と地域のリソース(資源)を掛け合わせて新たな事業やサービスを提案する取り組みの成果発表会を同校で開いた。県内学校が企業と連携して地方創生や人材育成を目指す「シヅクリプロジェクト」(事務局・一般社団法人シヅクリ)の一環。2年生の約130人が参加した。 四つのクラスごと浜松いわた信用金庫、ヤマハ発動機、エンケイ、中部電力パワーグリッドの4社と組み、7月から少人数グループに分かれて地域の探求活動を始めた。発表会では各社の担当者の前で、協力して練り上げたプランのプレゼンテーションに臨んだ。 ヤマハ発動機と連携したクラスの一部グループは、電動アシスト自転車や
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スズキ「ワゴンR」国内累計500万台 初代発売から30年3カ月
スズキは7日、主力の軽自動車「ワゴンR」シリーズの国内累計販売台数が11月に500万台を達成したと発表した。1993年9月の初代発売から30年3カ月での達成で、同社で国内最速という。 高い天井とスクエア型による広い室内空間、乗降のしやすさなどで「軽ワゴン」と称される新たな市場を開拓した。時代の顧客ニーズ取り込みや安全、環境性能の進化を続けながら発展し、現行モデルは2017年2月発売の6代目。 1999年に100万台、2003年に200万台、08年に300万台、13年に400万台を達成した。革新性などが評価され、初代と4代目(08年発売)はRJC(日本自動車研究者ジャーナリスト会議)のカ
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スズキ「スイフト」7年ぶり全面改良 「日常性、使いやすさ」前面 13日発売
スズキは6日、7年ぶりに全面改良した世界戦略車の「スイフト」を13日に発売すると発表した。2004年の発売から4代目。歴代モデルが培った代名詞の「走り」「デザイン」の進化とともに、主要顧客の若年層の多様な価値観に合わせて日常性や使いやすさも前面に打ち出した。海外市場にも順次投入する。 7年ぶりに全面改良した新型「スイフト」を発表した鈴木俊宏スズキ社長 新開発の1.2リットル高効率3気筒エンジンや変速機を搭載し、燃費はモーターでエンジン走行を補助するマイルドハイブリッド(HV)のモデルで1リットル当たり24.5キロ(WLTCモード)と現行の21キロから向上させた。マイル
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静岡人インタビュー「この人」 「工作ガレージ」でものづくりの楽しさを伝える 松岡和彦さん(浜松市西区)
楽器メーカー「ローランド」を退職後に起業。2月に浜松市中区葵西に工作キット販売と作業スペースレンタルの「STEP たのしい工作ガレージ」をオープンし、子どもたちにものづくりの面白さを伝える。61歳。 ―開設の理由は。 「定年退職を迎え、新商品の企画開発に携わった経験を何か生かせないかと思い立った。幼少期、組み立てたおもちゃが動き出す瞬間に感じた驚きや興奮が自身の原体験。自動車や楽器などものづくりの地を担う子どもたちが創造力を養い、手で形作る楽しさを体感してほしい」 ―運営状況は。 「利用者は小学生とその保護者が多い。店内には太陽電池で走るミニソーラーカーや燃料電池の仕組みがわかるミニ
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浜松いわた信金 新本部棟完成 部門間連携強化 作業効率向上へ
浜松いわた信用金庫(浜松市中区)は5日、同区元城町に完成した新本部棟と、隣接地で昨秋稼働した新本店棟の落成記念式典を現地で行った。経営の根幹に据えるSDGs(持続可能な開発目標)推進に向けて環境などに配慮した設計設備を導入したほか、組織内の融和や作業効率の向上を図るため、部署内で座席を固定しないグループアドレスを採用した。 地上10階建ての新本部棟のうち、業務の中心となる5~8階は壁の仕切りを設けず、役員や部門長が中央部に座るレイアウトを採用して迅速な意思決定や円滑な情報共有を目指す。食堂のある4階から吹き抜けの階段で8階までつながり、上下階のコミュニケーションを促す。 外観デザインは、
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荷台いっぱい 旬の野菜 「全国軽トラ市」浜松初開催 例年の倍 137店に行列
新鮮野菜や特産品を販売する「第8回全国軽トラ市inはままつ」(同実行委主催)が3日、浜松市中区の中心市街地で開かれた。地元軽トラ市の10回目、浜松商工会議所の創立130周年の節目を記念して誘致し、市内で初開催した。軽トラックやキッチンカー、テントブースを含め県内外から例年の倍となる137店が出店し、開催会場も拡大。前年の3倍近い約6万人(主催者調べ)が訪れるなど、大勢の来場者でにぎわった。 鍛冶町通りやモール街は約70店が軒を連ねた。軽トラックの荷台などを活用して白菜や大根、里芋といった野菜や次郎柿などの果物、手作り加工品、銘菓などを特価で販売し、来場者が出店者と交流を深めた。県外からの参加
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スズキ 世界生産11.1%増 10月四輪 半導体不足が緩和
スズキが29日発表した10月の四輪車実績によると、国内と海外を合わせた世界生産は、半導体不足の緩和を背景に主力市場インドと日本が堅調に推移し、前年同月比11・1%増の29万7112台と2カ月ぶりに増加した。世界販売もインドが過去最高を記録し、11・3%増の28万3736台と4カ月連続で前年を上回った。 海外生産は9・6%増の20万1669台と5カ月ぶりに増加に転じた。インドは半導体不足で制約があった車種の生産回復で13・0%増の17万6394台と伸び、輸入規制影響が残るパキスタンを含むその他海外の生産減を補った。国内も14・6%増の9万5443台と増加した。 海外販売は14・2%増の22万9
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AI活用システム構築へ 遠州信用金庫(浜松市)/鈴木靖理事長【キーパーソン・最前線】
システム部門を中心に歩み、6月に理事長に就任した。コロナ禍で停滞した地域経済の回復に取り組むとともに、積極的なデジタル化推進方針を継続し、人工知能(AI)を活用した新たな営業形態も検討する。 ―地域経済の現状は。 「コロナ禍前までの回復には届かず、飲食業界や商店を取り巻く環境は厳しい。放映中の大河ドラマ、2024年の浜名湖花博20周年事業を生かして地域の消費を喚起したい。EV(電気自動車)シフトなどによるビジネスモデル転換が求められる中、県西部の中小製造業がこれをチャンスにできるかが経済発展のポイントの一つ。設備関係や将来を見据えた業種転換への提案にも積極的に取り組む」 ―経営で重視す
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浜松・与進中生が職業体験 各業界の現状学ぶ
浜松市東区の与進中2年生の職業体験学習が21日、同区内で始まった。生徒約220人が、スーパーやクリーニング、介護関係など約60カ所の事業所に少人数で分かれ、体験作業を通じて各業界の現状や仕事内容に理解を深めた。22日まで。 倉庫を主軸とした総合物流業「富士ロジテックホールディングス」(静岡市葵区)浜松事業部が管轄する浜松流通センターには3人が訪れた。同社社員から、入庫から流通加工、保管、出庫まで倉庫業が果たす役割や物流業務に関する説明を受けた後、大手衣料品メーカーの電子商取引(EC)や店舗向け商品のタグの調整、伝票に基づく出荷作業の一部を体験した。 トラック運転手の残業時間規制で輸送能力
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スズキが生成AI本格活用 自社向けアプリ開発 社員の「アシスタント」に
スズキは本年度から、業務の変革や改善を目指し、生成AI(人工知能)を全社で本格活用している。対話型AI「チャットGPT」をベースに開発した自社向けアプリを、本社や工場などの社員約1万5千人を対象に社内業務の「アシスタント(補助)」の役割に位置づけ3月に実装した。現在の利用件数は、パソコンや携帯端末を通じて翻訳や要約、文章作成など1日当たり延べ約5千回。利用アイデアの共有や実践の蓄積を通じて活用策を探り、業務効率化を図る。 スズキ版アプリは、高度なセキュリティー環境が確保された米マイクロソフトが提供するクラウドサービス上のチャットGPTを、自社システムやデータと連携させて使う。開発担当のデ
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浜松いわた信金 事業承継ファンド設立 企業価値高め 橋渡し
浜松いわた信用金庫(浜松市中区)は16日、中小企業の事業承継支援に特化した総額10億円の投資ファンドを設立した。後継者がいないなど事業承継に課題を抱える取引先の株を取得し、経営改善で企業価値を高めた上で、新たな後継者へ橋渡しする。 名称は「浜松いわた事業承継1号ファンド」。事業承継が主目的のファンドは県内信金で初めてという。 1社当たりの投資規模は1億~2億円を想定する。原則全株式取得を目指す。投資業務や関連支援に豊富な実績を持つケップルキャピタル(東京、神先孝裕代表取締役CEO)が運営管理する。 財務改善や営業管理、人材育成といった多角的な支援で経営力を高め、出口としては10年後まで
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記者コラム「清流」 クルマの未来は…
都内で開かれた「ジャパンモビリティショー」は自動車産業が変革期にある中、モビリティという表現で間口を広げて刷新した。完成車や構成部品だけでなく「空飛ぶクルマ」や電動小型モビリティなど、移動のあり方が従来の乗り物に限らない社会の到来を確かに予感させた。 ショーを通じて「誰もが移動を快適に楽しめる」ことに価値を置いた展示が目立った。2035年を想定したコンセプト車は自動運転で走行し、車内ではジェスチャーや言葉による画面操作が行われる。両手を使わずに体の重心で動く次世代モビリティもあった。 過去最大の出展数の中、初参加という企業は構想や投入技術を熱っぽく説明してくれた。近い将来、展示体験した技
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スズキ 電池開発100億円 都内企業に追加出資
スズキは14日、大型リチウムイオン電池開発などを手がけるエリーパワー(東京)に100億円を追加出資し、電動化加速に向けて業務提携契約を締結したと発表した。エリーパワーの株式を21・59%保有する筆頭株主となる。電気自動車(EV)や二輪など多様なモビリティに搭載するリチウムイオン電池の共同開発に取り組む。 エリーパワーが発行する転換社債型新株予約権付社債150億円も引き受ける。出資とともに年内に手続きが完了する見込み。 同社は慶応大発のベンチャーとして2006年に創業した。独自技術で高い安全性と長寿命を兼ね備えた大型リチウムイオン電池開発、製造を進めている。スズキは12年に10億円を出資して以
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天浜線沿線「花のリレー」活用 4団体タッグ 観光商品企画 浜松、研究会が発足
浜松市内の産学官金4団体がタッグを組み、地域が連携した天竜浜名湖鉄道沿線の花の植栽活動「花のリレー・プロジェクト」を誘客に生かす「観光プロジェクト研究会」が10日、発足した。2024年春に開幕する浜名湖花博20周年記念事業に合わせ、沿線を乗り降りして植栽地周辺を散策するなどの観光商品をつくり出す。 メンバーは、天竜浜名湖鉄道、浜松学院大、浜松・浜名湖ツーリズムビューロー、浜松いわた信用金庫。各団体の関係者が知見やノウハウを持ち寄り、地域の見どころを盛り込んだ新たな観光モデル商品を検討する。 浜松市内で行った発足式には、天竜浜名湖鉄道の松井宜正社長、浜松学院大を運営する興誠学園の俵山初雄理事長
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スズキ「スペーシア」6年ぶり全面改良 衝突被害軽減と燃費向上 22日発売
スズキは9日、主力の軽自動車のハイトワゴン「スペーシア」を約6年ぶりに全面改良し、22日に発売すると発表した。衝突被害軽減を図る安全機能や燃費の向上、後席の快適性を高めるなど進化させた。 2013年に初代モデルを発売し、シリーズ国内累計130万台(商用車「スペーシアベース」含む)。3代目の新型は「コンテナ」をモチーフとし、後席格納時の荷室高を広げたほか、後席座面前に足の支えとして位置や角度を調整できる装備を取り入れた。 モーターがエンジン走行を補助するマイルドハイブリッドシステムを全車種搭載。燃費性能(WLTCモード走行)は最新エンジン採用などで1リットル当たり最大25・1キロと、軽ハ
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スズキ 最高益予想 2024年3月期 円安効果や販売増
スズキは7日、為替の円安効果や半導体不足緩和に伴う生産・販売の回復を背景に2024年3月期の連結純利益予想が2400億円と過去最高となる見通しだと発表した。8月の前回予想から300億円上振れる。初の5兆円台を見据える売上高、各利益予想も上方修正し、いずれも最高を更新する。 本業のもうけを示す営業利益は700億円増の4300億円を見込む。米ドル、ユーロ、インド・ルピーの各想定為替レートを円安方向に修正。円安は前回予想比で420億円のプラス要因となるほか、主力市場インドでのSUV(スポーツ用多目的車)販売増などが押し上げる。売上高は前回予想比2千億円増の5兆2千億円、経常利益は800億円増の4
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スズキ3年連続増収増益 9月中間 収益拡大 努力奏功
スズキが7日発表した9月中間連結決算は、8月以降の半導体不足緩和による販売回復や円安の追い風を受け、売上高と営業、経常の各利益が最高となるなど3年連続の増収増益だった。オンライン決算会見で鈴木俊宏社長は部品調達改善や主力市場インドでの新型車投入、適正な販売価格設定といった努力を挙げ、「営業、生産、調達、品質などの取り組みをマネジメントし、成長投資を加速する中で、収益を拡大できた」と強調。2年連続の最高益を見通す通期に向けては、電動化など成長投資の継続に意欲を示す一方、緊迫する国際情勢や景気減速感に懸念も表した。 中間期で過去最高の2294億6100万円を計上した営業利益の増減要因は、為替恩恵
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スズキSUV 印拡販奏功 本年度上期 シェア首位 中間層に照準 相次ぎ新型車
スズキは主力市場のインドで、人気が高まっているSUV(スポーツ用多目的車)の販売で攻勢をかけている。31日までに公表した上半期(4~9月)の販売台数は4モデルで約21.8万台となり、SUV車のシェアは21.7%と他メーカーを抑えて首位を獲得した。小型車を得意とするスズキは当初、遅れが指摘されたが、昨年から立て続けに新型モデルを投入するなど市場での拡販が奏功した。 インドは中間層の拡大に伴い、四輪全体市場に占めるSUV分野の割合が17年度の23・8%から、直近で48%台まで急上昇しているという。生産販売を担う子会社のマルチ・スズキは22年に「ブレッツァ」、「グランドビターラ」、23年に「フ
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スズキ世界生産0.1%減 インドは過去最高
スズキは30日、2023年度上半期(4~9月)の四輪車実績を発表した。海外と国内を合わせた世界生産は、前年同期比0・1%減の160万3275台と3年ぶりに減少した。上半期として主力のインドが過去最高を記録した一方、パキスタンなど一部の海外市場の停滞が響いた。世界販売は4・9%増の153万5057台で3年連続の増加となった。 海外生産は2・1%減の113万1120台。インドは半導体不足で制約を受けていた車種の生産が可能になり、0・1%増の98万9271台と高い水準を維持した。ハンガリーも20・8%増の7万7487台と回復した。一方、政府の輸入規制で部品調達が滞ったパキスタンは75・8%減、イ
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個人移動後押し「特定原付」 モビリティショーに出展 スズキ安定の四輪、デイトナは電動二輪
東京ビッグサイト(東京都)で開催中の「ジャパンモビリティショー」(26~11月5日)は、スズキや二輪アフターパーツメーカーのデイトナ(森町)が、今年7月の改正道交法施行で誕生した新しい車両区分に対応した、個人の移動を後押しする小型電動モビリティの試作モデルを出展している。 新車両区分「特定小型原動機付自転車」は、16歳以上は免許なしで乗車でき、最高速度は車道が時速20キロ以下、歩道が6キロ以下と設定されている。スズキは、四輪の安定感と手軽さが特徴という「SUZU―RIDE(スズライド)」と、大きな荷台を備えた「SUZU―CARGO(スズカーゴ)」を出展した。 スズライドは日常生活や通勤通
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スズキの4脚モビリティ「モクバ」 段差も狭い路地も モビリティショーで注目
「ジャパンモビリティショー2023」(日本自動車工業会主催、26日~11月5日)は開幕を前にした25日、会場の東京ビッグサイト(都内)で各社の展示を報道公開した。 「近未来的」な姿が注目を集めているのがスズキの4脚4輪の次世代モビリティの試作機「MOQBA(モクバ)」。平地はタイヤで円滑に走り、段差は4脚が独立した動きで伸縮し乗り越える。高齢化が進む中で階段の段差や細い路地など、人やモノの「移動の自由」の支障になるシーンの解決を目指して開発した。 全長131センチ、全幅91センチ、全高154センチ。「への字」型の二つのフレームと人がまたがる〝サドル〟部分をメインシャフトでつないだ構造。1
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ジャパンモビリティショー開幕 スズキ、ヤマハ発動機など静岡県内企業も参加 一般公開は28日
国内外の四輪・二輪、関連メーカーなどが出展する「ジャパンモビリティショー2023」(26日~11月5日)の開幕を前に25日、会場の東京ビッグサイト(都内)で各社の展示が報道公開された。「東京モーターショー」から名称を変えて刷新し、市販を目指す電気自動車(EV)の試作車や未来のモビリティを意識したモデルなどを多彩に披露した。静岡県内からもスズキやヤマハ発動機、部品メーカーなどが参加している。 コロナ禍を挟み4年ぶりの開催で、出展はスタートアップ(新興企業)を含め業界の枠を超えた過去最多の約475社。主催の日本自動車工業会(自工会)は「日本発の未来を世界に発信する場」としている。 スズキは
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モビリティショー スズキ、電動SUV日本投入 25年度、内装初公開
スズキは25日、電気自動車(EV)世界戦略車第1弾のSUV(スポーツ用多目的車)「eVX」を2025年度中に日本で市販化する方針を明らかにした。都内の東京ビッグサイトで行われた「ジャパンモビリティショー」の報道公開で試作モデルの内装を披露した。同社は30年度に向けた成長戦略で示した国内外のEV投入計画に沿い、開発を加速している。ブースには世界初公開のワゴン型軽乗用車、軽商用車の計3タイプのEVの参考出品モデルがそろった。 本格的な走行性能の実現を掲げるeVXは、インドと欧州での市販化を公表している。初公開の内装は、「ハイテック」「アドベンチャー」を軸に、大型ディスプレーやシフト周辺などに先進
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スズキのモビリティ集結 本社で4年ぶり秋祭り
浜松市南区のスズキ本社で21日、「スズキ秋祭りin高塚」がコロナ禍を経て4年ぶりに開かれた。実証実験中の次世代モビリティの展示をはじめ、模擬店出店や多彩なステージイベントを繰り広げ、地域住民や従業員の家族ら約5300人が訪れた。 次世代モビリティコーナーでは、地域住民の移動の利便性向上を図るため、市や遠州鉄道などと進める自動運転の実証実験車、湖西工場で稼働中の水素燃料電池を活用した荷役運搬車などを展示した。担当者が事業の狙いや実験内容について説明した。同社やキリンホールディングスが展開する日常生活から脳の健康を考える取り組みも紹介された。 会場にはスズキの四輪車やバイクの展示コーナー、ミ
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浜松「空の移動」に熱視線 スズキ/空飛ぶクルマ製造協力 ハマキョウ/ドローン配送視野
ドローンなどの無人航空機や「空飛ぶクルマ」の開発や実装に向けた動きが進む中、輸送機器産業に携わる企業が多い浜松地域で、次世代エア(空)モビリティに関連したビジネス参入の機運が高まっている。官民連携組織「市モビリティサービス推進コンソーシアム」にも、空関連の企業の加入が増加中。世界に誇るものづくり技術や人材などの基盤を軸に、将来のエアモビリティ産業発展の可能性に期待が集まっている。 新事業創出へ期待感 小型車の量産技術を持つスズキ(浜松市南区)は、空飛ぶクルマを開発するスカイドライブ(愛知県)と協業し、2024年春にも磐田市内のスズキグループ工場で3人乗り機体の製造開始を目指している。「四
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オイルシール異物除去 トリンクが機器発売
静電気除去装置開発のトリンク(浜松市西区)は輸送機器部品などに使われ、潤滑油の漏れを防ぐリング状部品「オイルシール」に付着した異物を自動除去できる機器を開発した。2日に発売した。 発売する機器「オイルシールクリーナ」は卓上に設置できる。横軸に複数のオイルシールを通し、ロボットが直線上に往復して濃密なイオンを含むエアを十数秒、二つの方向から強烈に吹きかける。 シールが一つずつ高速に回転することで、くぼみに付着した異物も均一に取り除ける。20~60ミリのオイルシールを20個程度一度に処理することが可能。空間ごと除電された扇形の環境浄化ユニット(縦横約80センチ)と併せて使い、異物を浮遊させず
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EV 印から日欧輸出へ スズキ 投入予定のSUV
スズキは、主力市場インドで生産するSUV(多目的スポーツ車)型の電気自動車(EV)を、日本や欧州などに輸出する方向で調整している。世界戦略車第1弾のEVとして各市場で2025年から順次市販することを掲げている。脱炭素の流れに呼応して世界で各メーカーがしのぎを削る“EV競争”に対応し、開発や市場投入準備を急ぐ。 同EVは、インド西部のグジャラート州の工場の設備の一部で24年後半ごろから生産を開始する見通し。現地ではEV用の車載電池を生産する工場の整備も進めている。自社で生産するEVとして、まずは通常より小規模の台数から始める考えだ。 日本では輸出後、インフラ環境の整備などEV購入機運の高まりを
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静岡県西部の「医業承継」一貫支援 税理士が医師結ぶサイト開設
税理士事務所かとう会計を中心としたALL FOR ONE(オールフォーワン)グループ(浜松市中区)は、静岡県西部の医療機関の事業承継(第三者承継)支援を強化している。クリニックの後継者を探す医師と、開業を目指す医師を地域内でマッチングするウェブサイト「医業承継サポート」を9月末に開設した。 コスト、リスクを抑えた開業、経営を支援し、少子高齢化や人口減少が進む社会の中で地域医療の維持充実につなげる。独立、開業意向のある30~50代の医師や、勤務先病院を退職後に独立開業を目指す60代の医師らの相談が増える中、譲渡側の潜在ニーズの発掘と橋渡しを通じ、円滑な承継を促進する。サイトを入り口に希望者
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農業ウィーク開幕 スズキ、農家の困り事解決へ提案 静岡県内企業ら出展
スズキ、エフ・シー・シーなど静岡県内の輸送機器関連や農業ベンチャーなど国内外850社が出展した農業・畜産展示会「第13回農業WEEK(ウイーク)」が11日、千葉県の幕張メッセで開幕した。人工知能(AI)などの先端技術を応用したスマート農業や6次産業化などのエリアに企業がブースを設け、作業効率化や品質向上につながる新規のサービスや試作製品を提案した。13日まで。 スマート農業をテーマにしたエリアで、スズキは農業分野の課題解決に共同で取り組むダイハツ工業と合同出展した。農作業を通じて聞き取りした兵庫県の農家の困りごとから、スズキが着想した「ラダー(はしご)格納パレット」は、農機具を乗せた軽トラ
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磐田で「空飛ぶクルマ」製造 スズキとスカイ社 年間100機体制目指す
スズキと「空飛ぶクルマ」を開発するスカイドライブ(愛知県豊田市)は10日、機体の製造協力契約を結んだと発表した。2024年春ごろ、スズキ子会社の磐田市沿岸部の工場で製造を開始し、年間最大100機の製造体制構築を目指す。 スカイドライブは機体製造を担う完全子会社「スカイワークス」を9月1日付で設立した。磐田市内のスズキ子会社工場に3人乗り(乗客2人)の機体「SD―05型」の製造ラインを新設し、製造を開始する。スズキ、スカイドライブの両社社員が出向する。 スカイドライブによると、25年大阪・関西万博での運航開始を目指して設計開発を進め、現在までに国内外から累計257機の予約を受注した。
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スズキ、軽EVや新技術 モビリティショー、参考車など展示 26日から都内
スズキは3日、東京ビッグサイト(都内)で26日~11月5日に開かれる「ジャパンモビリティショー」(日本自動車工業会主催)の出展概要を発表した。テーマは「世界中に、ワクワクの、アンサーを」。軽乗用EV(電気自動車)のコンセプト車など世界初公開の13点を含め、四輪、二輪、船外機、電動小型の乗り物など計25点を展示する。カーボンニュートラル社会を見据えた次世代の電動モビリティや新技術などを提案する。 四輪は市販車を含め11点で、EV関連は軽乗用車、SUV(スポーツ用多目的車)、軽商用車の各コンセプトモデルが出そろう。ワゴン型の軽乗用EV「eWX」は、航続距離(参考値)230キロを想定し、シンプ
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子どもが主役の「ミニはままつ」 市長に劉さん当選 来年3月、架空のまちで職業体験
子どもたちが主役の架空のまち「ミニはままつ」を舞台にした来年3月の職業体験プログラムの開催に向け、主催する未来学校(浜松市中区)は1日、まちのリーダー役を選ぶ“市長選”を同区で開いた。運営スタッフとなる市内の4~6年生の中から立候補した18人が、実現したいまちの姿や意欲を“演説”し、参加した児童約70人が1票ずつ投票した。ミニはままつ市長に劉亦澄[いずみ]さん(上島小6年)、同副市長に3人が選ばれた。 コロナ禍を経て開催は4年ぶりで、来年3月2、3日に鴨江アートセンターで開く。レストランやカフェやハローワーク、銀行、市役所などを模したブース
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スズキ、世界販売8000万台 四輪累計、最多は「アルト」
スズキは29日、四輪車の世界累計販売台数が8月末までに8千万台(OEM車除く)を達成したと発表した。1955年10月に日本初の量産軽四輪車「スズライト」を発売して以来、67年11カ月で節目に到達した。軽自動車の代表モデルとして世界で人気の「アルト」系は1601万台と最多の2割を占め、「スズキの歴史や軽四輪の中で極めて重要な役割を果たしてきた」(鈴木俊宏社長)。近年は主力市場インドでの販売を着実に積み上げている。 四輪は、国内外10カ国15カ所で生産し、世界184の国・地域で使われている。内訳は日本国内が36%の2890万台、海外は64%の5127万台。地域別の割合はインドが32・6%、欧
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スズキ、世界生産2カ月連続増 8月四輪、インド国内下支え
スズキが28日発表した8月の四輪車実績によると、海外と国内を合わせた世界生産は前年同月比1・7%増の26万353台、世界販売は12・2%増の26万2037台といずれも2カ月連続で増加した。半導体不足の緩和傾向が続き、主力市場のインドや日本国内向けが前年実績を上回り、全体を下支えした。 海外生産はインドが3・5%増の16万5343台、ハンガリーが11・1%増の8754台と増加したが、その他の海外が減り、18万4583台とほぼ前年並みで着地した。パキスタンは政府の輸入規制が解除されたものの部品調達が追いつかず7割減、東南アジアも減少が続いた。 国内は6・1%増の7万5770台と6カ月連続の増
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住み継ぐ家 独自7基準 県西部中心の工務店、設計事務所12社 団体設立 消費者に情報、理解促す
静岡県西部を中心とした工務店10社と設計事務所2社がタッグを組み、世代を超えて資産価値を維持できる家づくりを目指す「一般社団法人未来へつなぐ工務店の会(みらつぐの会)」(大木剛代表理事)を設立した。耐震や省エネ、維持管理など「家づくりの七つの最低基準」を独自に策定。対面やオンラインで対応する相談会と併せ、家づくりに向けて、消費者の正しい理解や判断を促す。 「七つの最低基準」は新築向けで、会員で協議して定め、家を建てる前に知っておくべき項目として啓発パンフレットを作成した。長期に安全・快適に居住でき環境にも配慮した「認定長期優良住宅」や「住宅性能評価」といった公的制度の存在、地震への強さや断熱
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シリコンバレーで事業計画プレゼン 浜松の中小・新興が報告会
浜松いわた信用金庫(浜松市中区)はこのほど、米国シリコンバレー(SV)に今夏派遣した中小・スタートアップ企業の成果報告会を起業家支援拠点「FUSE」(同区)で行った。新事業展開を構想するITや製造業など8社の経営者や幹部が参加し、SVに根付くイノベーション精神に触れた学びや今後のビジネス展開への抱負を語った。 訪問期間は8月13日から同19日まで。参加者はスタンフォード大教授や投資家、ベンチャーキャピタル(VC)関係者を前に事業案のプレゼンテーションを複数回行い、フィードバックを受けて内容を磨いた。 展示用ネイルチップを再利用したドネーション事業を計画するビューティースマイル(南区)の高
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ジェット船外機艇 販促を強化 水難事故、迅速救助へ 浜松市・OJJ協同組合
浜松市内の小型船舶の企画製造会社などでつくる「アウトボードジェットジャパン(OJJ)協同組合」(同市)が、水難事故発生時の迅速で安全な救助を目指して開発したジェット船外機式レスキュー用ボートの本格販売に乗り出している。豪雨災害や河川などの水難事故が相次ぐ中、まずは全国自治体の消防関係者に提案する。 プロペラ式ではないため、浅瀬航行や浮遊物の巻き込み防止など機動力を発揮できるのが特徴。4人乗り、全長3・8メートル、幅1・75メートル、重量(本体のみ)は50キロで、空気注入式で折りたためる。ポリ塩化ビニール(PVC)製で船底は擦れに強い特殊皮膜付きで耐久性を高めた。 がれきのある水面の航行
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スズキ、二輪部品供給契約 24年前半から マレーシア・KMSB社と
スズキは18日、マレーシアの二輪メーカーKMSBモーターズ社と二輪部品の供給契約を結んだと発表した。KMSB社が今後立ち上げる二輪の新ブランド「AFAZ」向けに、2024年前半からエンジンや車体関連部品を供給する。 現地ではスズキマレーシア社がスズキブランドの二輪製品のライセンス生産と販売を手がける。KMSB社は、スズキマレーシアの親会社AFYモビリティのグループ企業。 スズキはAFAZブランドとして展開する二輪の110ccから150cc機種向けに、タイ、フィリピン、インドネシア工場で生産したエンジンや車体の樹脂部品や灯火器類を供給する。 15日にマレーシアの首相官邸で、アンワル首相同
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ナブテスコ 浜松工場第1期、完工 稼働は2024年
精密減速機の世界的メーカー、ナブテスコ(本社・東京)は18日、国内外3カ所目の生産拠点となる浜松工場(浜松市北区都田町)の第1期工事の竣工(しゅんこう)式を現地で開いた。海外の景気後退の影響などで稼働開始は当初の10月から2024年になる見通し。木村和正社長は「EVシフト関連や人手不足に伴う自動化ニーズを背景に、継続的な市場成長が見込まれている。浜松工場稼働により安定供給を目指す」と意欲を示した。 約18万平方メートルの敷地内に、第1期として3階建て事務棟と2階建て生産棟(延べ床面積計約5万平方メートル)が完成した。24年度末の定時生産能力は年産40万台を予定。25年ごろから第2期工事に着
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記者コラム「清流」 障害者雇用 定着が重要
障害のある子の保護者と特例子会社など雇用に積極的な企業の「語る会」が8月、浜松市で開かれた。保護者の不安や悩みの相談や質問は途切れることがなく、企業側も求める人物像を丁寧に答えた。就職期にはまだ遠い小学校低学年の母親もいて、将来への不安の大きさが伝わってきた。 民間企業の障害者の法定雇用率は現行の2.3%から2026年7月の2.7%まで段階的に引き上げられ、就労の機会が広がる。「障害があってもやりがいがある仕事に就いてほしい」とイベントに参加した父親は子が働く姿に期待を込めた。 ただ、重要なのは定着だ。まずは働く本人の意志や特性が土台にある。今回のように企業や保護者、生徒が過ごした特別支
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マイクロプラ判別へ共同研究 スズキと静岡大 タンパク質特性生かす
スズキは11日、静岡大とマイクロプラスチックの有無や種類などの判別技術に関する共同研究を開始すると発表した。同社は海洋環境保護の一環で海洋マイクロプラスチック回収装置(MPC)付き船外機を販売している。研究を通じてプラスチック片が短時間で簡便に検出できる試薬を開発し、国内外の海域から集めた回収物の効率的な分析や、顧客の海洋プラごみ削減の意識向上に貢献する。 タンパク質のプラスチックへの吸着特性を生かし、静岡大農学部の中村彰彦准教授と連携する。色のついた蛍光タンパク質などを活用し、プラスチックと混ぜ合わせ、正確かつ短時間にプラスチックの特定や種類別の色分けができるよう目指す。 スズキは昨年
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スズキ大型バイク「KATANA」愛好家 全国から浜松に大集結
スズキは10日、同社の大型バイク「KATANA(カタナ)」のユーザーやファンが集う「カタナミーティング」を浜松市北区のはままつフルーツパーク時之栖で開いた。カタナなどバイク約1100台が全国から集結した。 カタナに乗って会場入りした鈴木俊宏社長は「カタナファンの皆さんと話せる機会。短い時間だが楽しんでほしい」と開会宣言し、バイクで埋め尽くされた駐車スペースを巡って直接ユーザーの声に耳を傾けた。会場にはウエアやカスタムパーツなどのブース、記念撮影向けのモニュメントが設けられた。 トークショーは、小型軽量、長寿命の二輪車始動用リチウムイオン電池を開発するエリーパワー(東京)、麻の繊維を活用し
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トラック「中継輸送」静岡県内加速 日帰り勤務可能、運転者の負担減【迫る24年問題】
トラック運転手の働く環境改善へ時間外労働の上限規制が設けられる「2024年問題」。県内外の運輸・物流企業が対策として、国内物流の大動脈の関東-関西間の中間に位置する静岡県に拠点を置いた「中継輸送」に取り組んでいる。従来、1人のドライバーが泊まりがけで運ぶ長距離輸送の行程を、仲間で分担することで日帰り可能な勤務にして負荷を低減させる狙いだ。 8月中旬の深夜、浜松市北区の新東名浜松SA(サービスエリア)下り線の隣接地。中日本高速道路と遠州トラック(袋井市)が共同運営する中継輸送拠点「コネクトエリア浜松」に、上下線のスマートICを降りた大型トラックやトレーラーが続々と乗り入れた。 事業開始から
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スズキ、CO2フリー電気導入 脱炭素推進、本社など静岡県内全拠点
スズキは2050年のカーボンニュートラル(CN)達成に向け、同社の本社や工場など県内全拠点で、水力発電による再生可能エネルギー由来の「CO2(二酸化炭素)フリー電気」を導入したと発表した。電力使用で県内拠点から排出されるCO2はゼロとなった。 導入したのは中部電力ミライズ(名古屋市)が展開する「静岡Green(グリーン)でんき」。県内の天竜川や大井川など各水系にある水力発電所で発電した電気を供給している。スズキは7月から順次、本社、湖西や磐田など5工場、金型、部品工場、マリン技術センター、竜洋、相良の両テストコースなどの関連施設で切り替えを進めた。 このほか、スズキ部品製造(浜松市北区)
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スズキ インドにバイオガス工場 牛ふん活用、25年稼働
スズキは6日、主力市場インドのカーボンニュートラル(CN)実現に向けて、牛ふんを活用して自動車燃料向けのバイオガスを製造する四つの生産工場をインド西部グジャラート州に設置すると発表した。投資額は計約40億円(23億ルピー)。2025年から順次稼働し、荷室にタンクを積む構造がそのまま生かせるCNG(圧縮天然ガス)仕様車向けに供給販売を始める。 同州バナスカンタ地域に設ける工場には、それぞれガス充塡(じゅうてん)スタンドを併設。ガス生産量は1日1工場当たり1・2トンで、CNG車(1キログラム当たり34キロ走るワゴンRタイプ)を約680台を走らせる燃料に相当するという。 現地で乗用車トップシ
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「稼げる農家」へ経営モデル拡販 浜松のベンチャー、ハッピークオリティー
農業ベンチャーの「Happy Quality(ハッピークオリティー)」(浜松市)は、人工知能(AI)などの最新テクノロジーを活用し、独自に構築したトマトの農業経営モデル事業の拡販を進めている。高品質、高単価のトマトの安定生産と、全量買い取りによる収益基盤の確立を可能にする。新規就農者らに対して「稼げる農家」の育成を掲げ、パートナー契約を結んで流通まで一貫支援する。不安定な所得や後継者不足が課題の農業の振興を目指す。 マーケットインの考えに基づく経営モデルにより、現在9件の契約農家・法人を2026年までに30件まで広げ、出荷量も約6倍の2千トンへ拡大する。 自社ブランド「ハピトマ」は、中
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後継者不足の水産業、AI活用で後押し エフ・シー・シー(浜松)「ドウマン」養殖参入へ
四輪、二輪用クラッチのトップメーカー、エフ・シー・シー(浜松市北区)は、「ドウマン」の名で知られる浜松地域特産ノコギリガザミの養殖に乗り出す。自社工場で製造する部品の点検や異常検出で導入するAI技術を応用する。水槽内の観察カメラと自動給餌機を組み合わせたシステムを開発し、効率的な成育を促す。将来は種苗生産や稚ガニの海洋放流による天然資源回復も目指す。 自動車の変革期に対応した新規事業創出の一環で、高齢化や担い手不足が課題の地元水産業を、製造業が日頃取り組む省力化や生産性向上の観点から後押しする。出荷や販売を含め約5年以内の事業化を見据える。国内の産業ベースでのノコギリガザミ養殖の成功事例は
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“EV時代”中小企業の開発後押し 静岡県が浜松にものづくり支援新拠点
電気自動車(EV)シフトに伴う中小企業の次世代自動車部品開発を支援しようと、県は1日、「デジタルものづくりセンター」を浜松市北区の浜松工業技術支援センターに開所した。コンピューターを活用して企画・設計から加工、評価計測まで生産工程のデジタル化を進め、納期短縮や低コスト化による競争力強化を後押しし、中小の開発を促進する。 設計段階では熱や構造、形状最適化をシミュレーションでき試作回数減に寄与する、新規導入の解析支援ソフト(CAE)、成形加工は複雑形状が造形可能な金属3Dプリンター、計測評価プロセスでは内部の不良を確認できるエックス線CT、3Dスキャナーなどを配置し、一貫支援態勢を整えた。ソフ
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「伴走型支援」の経済波及 前年度比4割増 浜松いわた信金が分析
浜松いわた信用金庫(浜松市中区)は28日、2022年度の取引先中小企業への伴走型支援活動に伴う経済波及効果は前年度比4割増の328億2300万円だったとする分析結果を発表した。売上高増の直接効果と関連産業への影響といった間接効果などの合計。コロナ禍からの経済活動回復も相まって、輸送機器部品など製造業を中心に売上高が増加するケースが目立った、としている。 新型コロナに関連した融資取引先(6542社)を対象にアンケートを実施し、このうち同信金の専任担当者「ビジネスパートナー」が支援した1596社の傾向などをしんきん経済研究所(同市中区)が分析した。伴走以外を含めた全体の波及効果は744億920
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世界生産2カ月ぶり増 スズキ、半導体影響緩和 7月四輪
スズキが30日発表した7月の四輪車実績によると、半導体不足の影響の緩和に伴い、国内と海外を合わせた世界生産、同販売は2カ月ぶりに増加に転じた。主力市場のインドが生産、販売がともに7月単月で過去最高だったほか、日本国内向けも回復が進んだ。 世界生産は前年同月比0・8%増の29万4504台。このうちインドは半導体の供給制約が和らぎ、1・0%増の18万6625台と最高を更新した。ただ、海外全体は政府の輸入規制で部品調達が滞るパキスタン(前年同月比約9割減)やインドネシア(同18・3%減)などの減少が響き、0・3%減の21万2264台とほぼ横ばいだった。 国内生産は3・9%増の8万2240台と5カ月
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浜松いわた信金 静岡県内3社にSLL融資 持続可能社会を支援
浜松いわた信用金庫(浜松市中区)は29日、SDGs(持続可能な開発目標)やESG(環境、社会、企業統治)に関連して設定した目標の達成状況で金利を引き下げる「サステナビリティ・リンク・ローン(SLL)」の融資を28日に静岡県内3社に実行したと発表した。単独で策定したスキームによる融資は県内信金で初めてという。 融資は、不動産取引業のホームポジション(静岡市清水区)に1億円、中央不動産(浜松市浜北区)に5千万円、電子部品製造業ワールド電子(同市西区)に5千万円。それぞれの企業は従業員のモチベーション向上や女性活躍などのキャリアアップ、不動産の買い取り再販件数の増加、温室効果ガスの削減などのSD
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フィジー舞台の学生対象ビジネスコンテスト 松坂さん(浜松出身)ら最優秀賞 社会課題解決へアイデア
南太平洋のフィジーを舞台に初開催された学生対象のソーシャルビジネスコンテストで、浜松市北区出身の早稲田大3年松坂琴音さん(21)の所属するチームが、ごみや雇用に関する課題に着目した循環型社会の実現につながるアイデアで最優秀を受賞した。国内の事前研修を経て8月にフィジーを訪問し、現地の学生と議論した。松坂さんは「日本とは異なる価値観に触れ、視野を広げられた」と振り返った。 コンテストは国際社会の課題解決や若者のつながり構築を目指す「学生団体SoSiDo(ソシド)」(東京、平松倫太郎代表)が主催し「フィジーが100年後も幸福度が高い国であるために」をテーマに行った。日本人学生13人と現地学生1
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医療現場の写真整理システム ロジック(浜松市中区)管理効率化、迅速に照会【ものづくり最前線】
医療現場で撮影する膨大な臨床写真の整理を効率化する。浜松医科大皮膚科学講座の本田哲也教授と共同開発し、「M.M.M(エム・エム・エム)」の製品名で販売を始めた。従来の手動作業を自動化し、時間短縮や労務負担軽減につなげる。 同医大皮膚科では、日々の診療で1台や複数の機種で撮りためた患部写真のデータに関し、パソコンへの取り込みや整理が負担となっていた。はままつ医工連携拠点と浜松商工会議所の支援で、ロジックの技術とのマッチングが実現した。 患者ごとに病名や症状、診察医師名、検索ワードなどの情報を記した「撮影コード(ID)」を発行し、患部を撮影。専用のアプリで取り込んだ画像はデータベースに格納さ
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障害ある子の進路、雇用… 浜松で保護者と企業が意見交換
障害者の就労促進を図る県特例子会社連絡会は23日、障害のある子どもの保護者に向けて、子どもの進路や雇用の悩みの解消を目指した「企業と語ろう」を浜松市中区で開いた。大手製造業の特例子会社や雇用に積極的な県内外18社の担当者が参加し、特別支援学校や福祉関係者を交えながら保護者約80人と小グループで意見を交わした。 NPO法人くらしえん・しごとえん(同市中区)の鈴木修代表理事が「子どもの成長と未来に向けて」と題して講演した。民間企業の障害者の法定雇用率(現行2・3%)が今後段階的に引き上げられることに伴い、就労の場が広がる現状を説明。「職場での適応をいかに支え、自立につなげるかが重要」と強調した
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8月11日は山の日 「富士山」染色、自宅で手軽に 体験キット発売 浜松・武藤染工
浜松伝統の注染(ちゅうせん)そめや服地の染色加工を手がける武藤染工(浜松市中区)は、自宅で手軽に楽しめる子供向け染色体験キット「はさんで染める△(さんかく)ふじさん」を開発した。手ぬぐいとハンカチ版の2種類を用意し、11日の「山の日」に発売する。遠州織物の工程の一つ、染色業界から地場産業を発信する。 キットは白布や染料とソーダ灰、透明アクリル板、ビニール手袋、入れ物と作業を兼ねるプラスチック容器など8点。「赤富士」「青富士」をイメージし、手ぬぐいをピンク色に、ハンカチを青色に絞り染めする。 特徴は、三角に折った白布を挟んだアクリル板を介し、染め上がる過程を楽しめる点だ。上部を残して布地が
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ブイストローム 250SX国内販売 スズキ、24日から
スズキは8日、昨年5月にインドで発売した新型バイク「V-STROM(ブイストローム)250SX」を24日から日本国内で販売すると発表した。インドで製造し、輸入する。 未舗装路の走行やツーリング、街乗りまで幅広く対応している。軽量な249ccエンジンを搭載。コンパクトな車体レイアウトが特徴で、未舗装路での走破性を高めた19インチフロントホイールと専用タイヤを取り入れた。 外観はブイストロームシリーズに共通した「クチバシ」のデザインを継承し、八角形のヘッドランプは頑丈なイメージを創出した。 黄、オレンジ、黒の3色展開。日本国内年間目標販売台数は1300台。メーカー希望小売価格は税込み56万
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マルチ社発行株 スズキ引き受け インド四輪生産再編
スズキは8日、インド子会社のマルチ・スズキが、スズキ完全子会社のスズキ・モーター・グジャラート社(SMG)の全株式を取得する対価として、第三者割当でマルチ社の株式を引き受けると発表した。 拡大するインド市場におけるスズキの四輪生産再編の一環で、同日のスズキとマルチ社の取締役会で決議した。スズキなどは7月末、西部グジャラート州の工場で四輪生産するSMGをマルチ社の傘下にして集約することで、インドでの生産効率を高める方針を発表していた。マルチ社によるSMGの株式取得は2023年度内の完了を見込む。 今回の再編などインドの戦略を巡っては、マルチ社が今後投入予定の電気自動車(EV)を含めた生産と
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保護者も就活に理解を 26日に浜松商議所セミナー サポートのこつ助言
浜松商工会議所(浜松市中区)は26日午後2時から、就職活動期の学生を持つ保護者向けセミナーを同商議所で初開催する。近年の就活事情を解説し、サポートのこつを助言する。市内企業への就職を支援する窓口「はままつUIJターン就職寄り添い相談事業」の一環。 学生向け就職情報サイト運営企業の静岡エリア担当者やキャリアコンサルタント、同商議所人材支援チームが講師を務める。学生の就活の傾向や、就活中の子どもに対する保護者の関わり方、商議所が展開する支援策について講話し、先着12組に個別相談も行う。 同商議所の窓口に寄せられる保護者の就職関連の相談増加を受けて企画した。「内定がもらえるか」「子どもにどのよ
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静岡人インタビュー「この人」 精神疾患の親を持つ子供や若者を支援する「CoCoTELI(ココテリ)」理事長 平井登威さん (浜松市中区)
精神疾患の親を持つ25歳以下を対象に、自らの当事者体験を生かしてオンラインの居場所づくりなどの支援に携わる。8月末まで2カ月間、支援の拡充を目指したクラウドファンディング(CF)に取り組んでいる。関西大4年。4月から休学し、出身地の浜松市に滞在。21歳。 -活動の経緯は。 「自分が幼稚園の時に父親がうつ病になり、誰にも悩みを相談できず苦しい日々を過ごした。転機は大学進学後。偶然にも同じ環境の友達に出会い、一人ではないと気づけた。社会の理解や支援が不足している現状を何とかしたいと問題意識を持ち、学生団体を立ち上げて2021年9月から、チャット形式のオンラインツール『スラック』を活用した悩み
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脱炭素重視し工業炉設計 エコム(浜松市浜北区)/高梨智志社長【キーパーソン・最前線】
産業用工業炉の設計、開発、製造の産業システム事業と祖業の保守サービス事業を手がけ、3月に名古屋証券取引所メイン市場に上場した。脱炭素社会の実現へ最先端の熱技術を駆使し、工業炉からの二酸化炭素(CO2)排出削減ニーズに対応する。 -事業の内容と強みは。 「全体売上高の7割が四輪、二輪など輸送機器向け。工業炉の産業システムの特徴は、受注の前段で行う『ヒートトライアル』と呼ぶ加熱実証テスト。業界トレンドの省エネ、省時間、省スペースを踏まえた上で、熱源や温度、加熱方向、スピードなど最適な熱処理の条件を導き出し、オーダーメードの設備を提案する。綿密な実証に基づく独自の受注体制は顧客との信頼構築につ
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スズキ 半導体対応力成果 売上高通期、初の5兆円へ 4~6月期伸長
2024年3月期連結業績予想で4日、売上高を過去最高となる初の5兆円に上方修正したスズキ。同日発表の4~6月期連結決算は売上高が前年同期比13・7%増の1兆2088億円と第1四半期として過去最高となり、各利益も大幅に伸びた。海外の値上げ、利幅が大きいインドの新型SUV(スポーツ多目的車)の投入効果、減産影響緩和に伴う販売台数増などが押し上げた。欧米の景気減速への懸念といったリスクは依然残るが、長尾正彦専務役員は同日の電話記者会見で、半導体不足の影響に対する調達力や対応力の一層の推進と投資強化による競争力向上の姿勢を強調した。 4~6月期の営業利益は33・9%増の998億200万円と過去2番
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スズキ売上高 初の5兆円 24年3月期通期予想 円安、印販売堅調
スズキは4日、為替の円安傾向を踏まえて2024年3月期の通期連結業績予想を上方修正した。売上高は、主力インド市場の堅調な販売などを下支えに、5月の期初予想を1千億円上回り、過去最高となる初の5兆円を見込んだ。本業のもうけを示す営業利益は減益予想から一転、2年連続の増益を見込んだ。 営業利益は期初予想比300億円増の3600億円。四輪販売台数を下方修正したが、円安進行を踏まえたユーロなど想定為替レートの見直しで為替効果が上振れる。経常利益は300億円増の3700億円、純利益は200億円増の2100億円を見込む。期初時に将来投資として増強方針を示した設備投資費や研究開発費に変更はない。 通期
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「家族婚」特化の式場開設 浜松の写真スタジオ運営会社 小規模、低価格の選択肢を
写真スタジオ運営のルナ・ソーレ(浜松市中区)は「家族婚」に特化したウエディング事業を新たに始め、このほど東区小池町に式場を新設した。2004年の創業時から手がけるブライダル出張撮影で培った実績や人脈を生かし、10人程度の小規模ならではのシンプルで低価格な挙式を提供する。コロナ禍や価値観多様化を背景に、式や披露宴を行わない「ナシ婚」を選択したり、タイミングを逃したりした、カップル層にPRする。 式場名は「Letter(レター)チャペル」。同社写真スタジオ「シアスタイル浜松市野店」の隣接地に2階建て施設(延べ床面積約200平方メートル)を建設した。1階は欧州の中庭をイメージした全天候対応のチャ
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「家康ゆかりの地」発信へ交流 静岡、浜松と愛知・岡崎 3市商議所が連携強化
徳川家康公ゆかりの地の発信を掲げる「全国家康公ネットワーク」は2日、浜松市内で視察交流会を開き、会員の静岡、浜松、愛知県岡崎市の各商工会議所の正副会頭や市関係者ら約40人が参加した。放映中の大河ドラマ「どうする家康」を契機にした観光振興や地域活性化に関する活動について情報共有し、“アフター大河”を含めた3市の連携の重要性を再確認した。 視察交流会は2月の岡崎市、4月の静岡市に続いて開いた。浜松市の中野祐介市長が「ゆかりの地が手を携え、地域を盛り上げていきたい」とあいさつし、市担当者が家康公に関連した行事や発信の取り組みの実績などを報告した。 参加者は大河ドラマ館(
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釣り楽しむ自社製品拡充 イシグロのブランド「Tsulino」3周年 小売店でニーズ取り込み
釣り具販売のイシグロ(浜松市中区)は3周年を迎えた自社ブランド「Tsulino(ツリノ)」の商品ラインアップを拡充している。釣り竿(ざお)やルアー、仕掛け、アパレルなど7ジャンル540種類の商品群に、7月上旬にサビキ釣り用のエサの新商品「国産素材の生アミエビ」が加わった。若年層や初心者のニーズに訴求するデザインや機能、価格を抑えた商品をトータルで提案し、コロナ禍で広がった新規顧客のさらなる開拓や長期で釣りを楽しむ環境整備につなげる。 オリジナル製品の開発販売は、約50年前の釣り竿からスタートし、2019年までに八つのブランドを創設した。22年の創業70周年に向けてブランド再構築に着手し、「
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スズキ、インド四輪生産再編 マルチ社 SMG子会社化へ
スズキは31日、主力市場インドの四輪生産体制を再編すると発表した。現地子会社マルチ・スズキが2023年度内をめどに、西部グジャラート州に置くスズキ100%出資の四輪生産子会社「スズキ・モーター・グジャラート(SMG)」の全株式を取得し、完全子会社とする。世界生産をけん引するインド市場の拡大へ、マルチ社が四輪生産を統括し、現地の生産力の発展強化と関連する業務効率化を推し進める。 スズキ、マルチ社、SMGの31日の取締役会で、スズキが株式の56・48%を持つマルチ社がSMGを子会社化する方針を承認した。SMGはスズキの孫会社となる。マルチ社の株主承認などを得た上で子会社化を完了する。スズキによ
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スズキ世界生産2・0%増 1~6月四輪 国内反動増で改善
スズキが28日に発表した2023年上半期(1~6月)の四輪車実績によると、国内と海外を合わせた世界生産は前年同期比2・0%増の158万6771台だった。海外生産が3年ぶりに前年を下回った一方、前年に比べ工場停止の影響が少なかった国内の生産は10・4%伸び、全体の増加に寄与した。世界販売は3・7%増の152万2159台。世界生産、販売ともに3年連続で増加したが、ともにコロナ禍前の水準には届かなかった。 国内生産は46万7907台。半導体を含む部品供給不足は継続したが、工場稼働停止が多かった前年の反動で増加した。海外生産は1・1%減の111万8864台。主力市場インドは0・2%増の96万220
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浜松の自動車部品製造ソミック石川、太陽光発電を増設 中電ミライズと連携
浜松市を拠点に自動車用部品を製造するソミック石川は25日、カーボンニュートラル(CN)実現に向け、中部電力ミライズと連携し、「オンサイト・オフサイト複合型PPA(電力購入契約)サービス」を導入したと発表した。豊岡工場(磐田市)の屋根に設置した太陽光発電設備を増設し、余剰電力を遠隔地の鶴見工場(浜松市南区)で活用する。両社によると、自社敷地内に発電設備を置くオンサイトと、敷地外から電力供給を受けるオフサイトを組み合わせた複合型PPAサービス導入は県内初という。 ソミック石川は2021年8月から、主力製品ボールジョイント(軸受)を製造する豊岡工場の屋上に太陽光発電パネルを設置し、電気を自家消費
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繊維産業の伝統 高校生に発信 着付け、浜松注染そめ教室 浜松
静岡県繊維協会は21日、高校生に地元繊維産業の織りや染めの伝統技術を発信するため、浴衣の着付けと浜松注染そめの体験教室を浜松市南区の浜松南高で開いた。同校家庭部の1~2年生19人が参加し、2班に分かれて地場産業の魅力を体感した。 着付けは浜松市内の桐華流日本きもの指導者協会会員3人が講師を務めた。生徒は県繊維協会から一人一人に贈られた色鮮やかな浴衣を羽織って、講師の手ほどきを受けながら襟を整えたり、帯の文庫結びなどに挑戦したりした。 注染そめは二橋染工場(中区)の二橋教正社長が、歴史や技術の特徴を実演を交えて紹介した。生徒は協力して花柄の模様に染料を注ぐ作業を体験し、完成した手ぬぐいを持
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スズキ、クロフネと協業 外国人材のニーズ把握 生活支援アプリ活用
スズキは19日、外国人従業員の働きやすい環境整備に向け、外国人材の就労や生活支援を展開する「KUROFUNE(クロフネ)」(名古屋市、倉片稜社長)と協業を始めたと発表した。スズキの主力市場で、人材活用の拡大を予定するインド出身者を主な調査対象とし、クロフネが運営する支援アプリを活用して生活の不安や悩みなどを把握する。12月をめどに解決策につながる新規サービス開発を目指す。 クロフネのアプリは、自動会話プログラム「チャットボット」の24時間生活相談、医薬品購入、日本語教育、外国人従業員が困り事を雇用企業に匿名で伝えるリポートなど八つのサービスを、7カ国語で対応している。まずは9月まで、このア
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静岡県西部の中小企業技術PR 浜松でフェア 195社・団体が出展
静岡県西部の中小企業などが自社技術や製品をアピールする浜松いわた信用金庫主催の企業展示会「第16回ビジネスマッチングフェアin浜松」(静岡新聞社・静岡放送後援)が19日、浜松市中区のアクトシティ浜松で開幕した。コロナ禍で数を抑えた前年の1・5倍となる195社・団体が出展し、市場や販路の開拓へ商機を探った。20日まで。 スタートアップのエリアは、同区の起業家支援拠点「FUSE」会員など県内外26社・団体がブースを構えた。ロボットバンク(東京都)は最大200キロまで運べる工場向け搬送機器や配膳、清掃など多様な用途向けのロボットを並べた。AIや障害物検知システムなど最新技術を搭載しながら価格を抑
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精神疾患の親持つ若者支援 浜松出身の平井さん居場所づくりへCF
精神疾患の親を持つ子供や若者を支援するNPO法人「CoCoTELI(ココテリ)」(大阪市)が、オンラインで全国どこからでも参加できる居場所づくりと専門家による支援態勢の構築を目指し、クラウドファンディング(CF)を展開している。同法人の理事長は、浜松市出身で当事者でもある平井登威[とおい]さん(21)=関西大4年=。「社会の理解や支援は不足している。悩みを抱え、孤独になりやすい当事者や家族が生きやすい社会を実現したい」と協力を呼びかける。 ココテリは、学生団体として2021年9月に本格的に始動した。代表の平井さんは、自身が幼稚園の時に父親がうつ病を発症。心身両面で苦しい思春期を過ごした。実
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3Dプリンター活用 金属積層造形事業を強化 東金属産業(沼津)
金属加工業の東金属産業(沼津市大岡、田中健太郎社長)は、「金属3Dプリンター」を活用して、切削や溶接なしで複雑な形状の金属部品を形作る「積層造形事業」を強化している。高機能化や軽量化を実現できるのが特徴。次世代自動車や航空宇宙など多様な業界で金属3Dプリンター活用への注目が集まる中、現在は全体の1割程度にとどまる関連事業の売上高を、5年後までに4倍以上に増やす。 試作品や最終製品向けの受託加工から、設計や生産工程見直しといったものづくりの付加価値を高める提案まで、事業の幅を広げている。航空や宇宙業界、レース用二輪、企業や大学との研究案件などを通じて経験を蓄積し、現在は金属3Dプリンター5台
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保険証廃止延期し議論が必要と訴え 立民・岡田氏 浜松で演説
立憲民主党の岡田克也幹事長が17日、浜松市中区で街頭演説し、現在の健康保険証を来年秋に廃止しマイナンバーカードに一体化する政府方針に対し、「一体化で持たざるを得ないとの発想で、具体的な議論が無いまま決めてしまった。いわば暴走したのだと思う」と指摘し、廃止時期を先に延ばして議論する必要性を訴えた。 岡田幹事長は「防衛、子ども、高齢者の対策と予算を必要とするのは大きく三つ。優先順位をどう付けるか、国民の前でしっかり議論し納得して進めるのが政治だ」と強調した。年末までにまとめる少子化対策の財源確保のあり方にも疑問を呈した。 次期衆院選の時期は「早ければ9月末に解散の可能性がある。近い将来、政権を本
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ワゴンRスマイル 5万~6万円台の値上げ スズキ
スズキは13日までに、28日に一部仕様変更して発売する軽乗用車「ワゴンRスマイル」について、価格を5万5千円~6万2700円値上げすると公表した。装備充実に加え、原材料価格高騰分を反映させた。同社は「今後も機種により適切な価格設定を行う」としている。 ワゴンRスマイルはスライドドアの軽ワゴン。28日から一部グレードの外観変更や装備充実を図り、価格は従来より引き上げて135万1900円~177万1千円(税込み)とした。 新たに設定した特別仕様車「ハイブリッドSリミテッド」も発売する(158万6200円から)。 スズキの鈴木俊宏社長は5月の2023年3月期決算記者会見で、原材料高の中で利益
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トラック中継輸送 浜松を拠点に実験 荷台載せ替え活用
デンソーなどは10日、荷台(コンテナ)部分を着脱して載せ替えられる車両を活用した「幹線中継輸送サービス」の実証実験を始めた。浜松市を中継地点の一つに設定し、関東と関西間で実施する。14日まで1日6便を運行し、計画通りの進行などを検証する。遠州トラックが運送で協力する。 トラック運転手の負荷軽減など「2024年問題」の対応策を探るのが狙い。実験はほかに、アスクルやタカラスタンダード、エレコムといった荷主らが参加する。 中継拠点は浜松市と埼玉・坂戸市の二つ。中日本高速道路と遠州トラックが共同で新東名高速道浜松サービスエリア下り線隣接地(浜松市北区)に整備した中継物流拠点「コネクトエリア浜松」
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スズキがインドで新型車 ハイブリッド搭載のMPV
スズキのインド子会社マルチ・スズキは6日までに、新型MPV(多目的車)ハイブリッド車「INVICTO(インビクト)」の販売を開始した。同社主力のインド市場でニーズが高まるSUV(スポーツ用多目的車)やMPVのラインアップを広げ、乗用車シェア拡大へ拡販する。 インビクトは3列シート7~8人乗りで、全長約4・75メートル、幅約1・85メートル、高さ約1・79メートル。資本提携を結ぶトヨタ自動車からのOEM(相手先ブランドによる供給)を受ける。2000ccエンジンに本格ハイブリッドシステムを搭載する。価格は約247万ルピー(約430万円)からの設定と高価格帯で、マルチ・スズキの上級車販売店「ネク
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瓦 カフェから魅力発信 浜松・柳本産業がオープン 家業、業界発展へ交流
屋根工事業の柳本産業(浜松市中区)が、祖業の瓦の魅力発信拠点としてこのほど、カフェ「gramme(グラム)」を同区北田町にオープンした。瓦を想起させる店づくりや飲食メニューが注目を集めるほか、建築やライフスタイルに関するイベント、瓦職人が講師を務めるワークショップの場としても利用されている。運営者の柳本茉希さん(40)は「暮らしに息づいてきた瓦の価値を身近に伝えたい」と語る。 1890(明治23)年創業の柳本産業は、遠州の土を使った瓦製造を担い、現在は瓦を含む屋根工事や修理を主体に手がける。浜松いわた信用金庫職員だった柳本さんは2019年、3児を育てる中で働き方など環境を見直し、退職して
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スズキ、世界生産4カ月ぶり増 5月四輪、インド増が寄与
スズキが29日発表した5月の四輪車実績は、国内と海外を合わせた世界生産が前年同月比8・3%増の27万2032台と4カ月ぶりに前年実績を上回った。主力のインド市場の生産が増加に転じ、全体をけん引した。世界販売も7・0%増の24万9311台と2カ月連続で増加した。 海外生産は7・8%増の20万6700台で、このうちインドは9・4%増の18万211台。半導体の供給不足の影響が続くものの、調達可能な国内向け車種を中心に生産台数を伸ばした。ハンガリーやインドネシアも前年に比べ増加した。国内生産は、前年に磐田工場が3日間操業停止した反動増で6万5332台と10・1%増えた。 海外販売は6・3%増の2
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浜松いわた信金 浜松西高 生徒海外研修支援へ協定 24年度100周年記念事業
浜松市中区の浜松いわた信用金庫と浜松西高は29日、2024年度の同校創立100周年記念で計画する生徒の海外研修事業の協力協定を締結した。期間は10年間。海外フィールドスタディー事業と称して、東南アジア諸国連合(ASEAN)などに県西部から進出する企業への訪問を同信金がサポートする。 初回は24年7月にタイを訪問国に実施する予定。希望する高校2年生15~20人を募り、現地法人の訪問や同世代との交流を通じて、現地の熱気や文化を体感してもらう。タイ・バンコクに駐在員事務所を置く同信金が日頃の取引先ネットワークを生かし、訪問する生徒や保護者への情報提供、受け入れ先企業の募集、現地コーディネートなどを
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AI活用“かむ年齢”測定 高齢者トレーニング支援 浜松の企業がアプリ開発
ソフトウエア開発のモアソンジャパン(浜松市中区)は大学病院との共同研究で、高齢者の咀嚼(そしゃく)のトレーニングと機能を支援するスマートフォン向けアプリを開発した。動画解析の人工知能(AI)を活用し、かむ能力を評価する独自の指標〝かむ年齢〟として表す。社会の高齢化が進む中、かむ力が弱くなるオーラルフレイルの予防や機能改善を側面支援する。 サービス提供を始めたアプリ名は「おくちトレーナー」。食事の時の顔をアプリで動画撮影し、約千点の3次元点群で捉えた口角や唇の上下、頬の動きからかむ動作を推測する。かんだ回数、速度、時間、口に入れる物の大きさ、咀嚼率の5項目でスコア化し、各年代のデータの蓄積か
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小型EV向けに汎用フレーム ユタカ技研開発 形状やサイズ自由に
ユタカ技研はEV(電気自動車)など小型モビリティ向けの車体に使う汎用(はんよう)フレームを開発した。溶接をせずに鉄製の標準部品を連結するシンプルな構造。設計や組み立てに関わる時間やコストの大幅な削減につながる。第1弾として都内のスタートアップがEV充電設備を載せる台車部分への採用を決めた。ユタカ技研は「小型モビリティ用フレームのスタンダード」を見据え、2025年の本格的な市場投入を目指す。 EV化の加速で基幹の排気系部品製造の将来的な縮小が予想される中、「新価値商品」の位置づけで進める開発事業の一環。1~2人乗りを主軸に、カートのような4人乗りも含めた近距離で低速走行の小型モビリティ向け
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スズキ、インド年産能力400万台超へ 30年度目標、シェア50%意欲 株主総会
スズキは23日、浜松市中区のホテルで開いた定時株主総会で、急成長する主力インド市場に合わせて、2030年度に向け年間生産能力を5カ所目の新工場建設を含めて400万台を超える態勢へ増強し、乗用車シェア50%台の回復を目指す方針を明示した。鈴木俊宏社長は「市場開拓の余地はまだある。シェア50%は挑戦的な目標だが、インドに根を張り、市場の伸びに対応するよう努力する」と強調した。 インド国内に加え、輸出やOEMの伸びにも対応する400万台以上の生産能力態勢は、22年度の倍増の規模。30年度に向けては、既存のマネサール、グルガオン(以上ハリヤナ州)、グジャラート(グジャラート州)の3工場(現在計22
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スズキ株主総会 高橋尚子さんを社外取締役に選任
スズキは23日、浜松市中区のホテルで定時株主総会を開き、取締役8人の選任を含む3議案を可決、承認した。新任取締役はトヨタ自動車出身で副社長の石井直己氏、マラソン五輪金メダリストの高橋尚子さん(社外)の2人。 鈴木俊宏社長は、2030年度に向けた成長戦略で掲げる国内外の電気自動車(EV)の市場投入方針などを改めて明示した上で、「顧客の立場に立った価値ある製品づくりに向け、スズキらしい成長戦略を進める」と述べた。EVと併せてハイブリッドやバイオガス活用など市場に合わせて多様な選択肢を提供する。 主力のインド市場については、30年度の生産能力を22年度の倍増となる約400万台体制に拡充する計画
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立体外視鏡の販促強化 浜松医大発ベンチャー 奥行き把握し手術
浜松医科大発ベンチャーの「はままつメディカルソリューションズ」(HaMS、浜松市東区)は、自社で開発した手術顕微鏡(立体外視鏡)の販路開拓を強化する。コロナ禍で部品調達が遅れたり、学会などで機器を紹介する機会が限られたりするなどの影響を受けたが、国内の病院への本格的な売り込みに入る。 開発した立体外視鏡は手術部位をとらえるカメラを内蔵した鏡筒と、拡大した映像を映し出すビューワーを分離し独立性を高めた。医師はビューワーを両目でのぞいて立体視し、奥行きや距離を感じ取りながら手術を進める。医師が無理な姿勢をせずに済むなど円滑な手術にも寄与する。昨年10月に受注を開始した。 同社によると、現在は
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スズキ、空の事業領域強化 スカイ社の「空飛ぶクルマ」に協力
スカイドライブ(愛知県豊田市)が手がける「空飛ぶクルマ」の製造協力に基本合意したスズキ。静岡県内のグループ工場で2024年春ごろ、スカイドライブが設計開発中の3人乗りの機体製造が始まる見込みだ。公表を受けて鈴木俊宏社長は20日、「二輪、四輪、マリン以外の事業領域に向かう中で協業はメリットがある」と強調。「空」に関連する新モビリティの社会実装を目指し、取り組みを加速する。 スカイドライブは25年の大阪・関西万博で空飛ぶクルマの運航を目指している。同社が機体の製造を目的にした完全子会社を今後設立し、スズキは同子会社の人材確保などに協力する。スズキは機体を製造する工場について、現時点で非公表とし
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加速するCASE対応 供給網中小 変革支援を【西部記者コラム 風紋】
電気自動車(EV)化や自動運転などの次世代自動車に関連する技術「CASE」対応の動きが世界で急加速している。技術開発の競争力向上へ、メーカー間の連携も活発だ。一方、サプライチェーン(供給網)を根底で支える中小の部品製造企業は、潮流変化への対応や行動力の差が広がりつつある。本県基幹の製造業の持続的発展には、一層企業の判断材料になる情報提供と寄り添う支援が必要だ。 「自分の代は逃げ切れると構えていた。想定より進行が早く、向き合わざるを得ない」。浜松市で輸送機器部品加工に関わる中小企業の60代経営者は、国内外自動車メーカーが具体的なEVなどの市場投入戦略を打ち出す中で、焦りを隠さない。ただ、得ら
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EV従量課金型の充電器 アツミテック子会社、一般利用へ実証実験 浜松市がスタンド設置支援
浜松市西区のスタートアップ企業「GREEN CHARGE(グリーンチャージ)」は、電気自動車(EV)に充電した電力量に応じて料金を支払う従量課金型の急速充電器サービスを開発し、本格的に販促を開始した。19日には、市のサポートを受けて同市中区の花川運動公園駐車場に固定の充電スタンドを設置し、一般利用を促す実証実験を始めた。サービス検証と並行して売り込みを進め、年度内に全国で100カ所の設置を目指す。 同社は自動車部品メーカーのアツミテック(同市中区、鈴木秀幸社長)子会社で、昨年4月に設立した。電動化進行で主力のトランスミッション部品製造の減少が見込まれる中、新事業の一環で社員が発案した。
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「空飛ぶクルマ」静岡県内製造へ スズキ、スカイドライブと合意
「空飛ぶクルマ」の開発を手がけるスカイドライブ(愛知県豊田市)とスズキは19日、機体の製造に向けた協力態勢について基本合意書を締結したと公表した。スズキグループの静岡県内の工場を活用し、来春の機体製造開始を目指す。 スカイドライブによると、空飛ぶクルマの製造を目的とした同社100%出資の子会社を設立し、本県内で機体の製造に着手する。スズキは製造子会社の人材確保などにも協力する。条件などは今後協議する。同日、操縦士を含めて2人乗りとしてきた機体に関し、3人乗りに設計を変更。2025年の大阪・関西万博での運航開始を目指す。 スズキは22年3月、スカイドライブと空飛ぶクルマの開発に向けて事業・
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花火の夏 浴衣のまち沸く コロナ3年耐え需要回復 浜松の注染業者や呉服店「萎縮一転、熱気に」
隅田川花火(東京)、ふくろい遠州の花火(袋井市)などの4年ぶりの開催が決まり、夏の風物詩の花火大会や祭りが新型コロナウイルス禍からの本格的な復活に向かっている。伝統染め技法「注染そめ」で知られる浴衣の産地、浜松市にも活気が戻りつつある。感染状況が沈静化しない様子見の状況でスタートした今季は、見本の製作や商談、発注などのスケジュールが例年よりやや遅くなったが、染め物業者は急ぎ受注に対応し、呉服店では浴衣の仕立てを希望する消費者が増加した。 「新型コロナの感染症法上の5類移行や花火の開催決定で浴衣が動き出し、安心した」。注染そめなどの浴衣の企画や卸販売を手がける「白井商事」(同市南区)の白井
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MaaSデータ 業種超え利活用 浜松の官民組織会合
モビリティに関する官民連携を促進し、地域活性化を図る「浜松市モビリティサービス推進コンソーシアム」は1日、本年度の初会合を中区の地域情報センターで開いた。オンラインと併用し、遠州鉄道やスズキ、市の共同幹事3者や新規会員らが出席した。次世代移動サービス(MaaS)に関するデータ利活用をテーマにした勉強会開催など本年度の活動内容を確認した。 会合で市の水谷供子デジタル・スマートシティ推進部長は一般会員が102団体と大台を超えたことを挙げ、「業種、分野を超えて連携を深めていきたい」とあいさつした。本年度はバスや車などを介した移動状況に関するMaaSデータの利活用法を探るため、ワークショップ形式の勉
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脱炭素、2024年問題対応 物流需要の開拓強化 JR貨物、西浜松駅など
静岡県などを管轄するJR貨物東海支社は、加速する脱炭素推進の動きや「2024年問題」に伴うトラックのドライバー不足に対応した貨物鉄道輸送ニーズの取り込みを強化している。自動車部品関連の取り扱いが多い西浜松駅(浜松市中区)で今春、スズキが補修部品を運ぶ鉄道専用大型コンテナを導入して輸送の一部をトラックから置き換えた。同駅構内でトラックから鉄道コンテナへの荷を積み替える「上屋」施設のリニューアルも検討中で、物流結節点の機能を充実させる。 JR浜松駅から南西へ約2・8キロ。貨物専用の西浜松駅の2022年度年間発送量は約15万6100トン。近年の物流量は減少傾向だが、コロナ禍からの製造業の回復が早
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スズキ 世界生産6.4%減 4月四輪車実績
スズキは30日、4月の四輪車実績を発表した。海外と国内を合わせた世界生産は前年同月比6・4%減の23万7541台で、3カ月連続で減少した。主力市場インドの半導体を含む部品供給不足が響き、全体を押し下げた。一方、世界販売は2・3%増の23万5707台。車両供給不足だった前年の反動増などで国内販売が伸び、2カ月ぶりに増加に転じた。 海外生産は10・5%減の16万4226台と3カ月連続で減少した。インドは7・8%減の14万5079台だった。外貨不足に伴う輸入規制の影響が長引くパキスタンも、部品調達が滞って7割減った。ハンガリーは部品供給不足が緩和したため、17・1%増の1万813台と改善した。国
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街の課題解決へ連携 地域法人jimoto設立 静岡県西部
静岡県西部の経営者や企業の社員が中心となり、地域の課題解決を通じた活性化を目指す団体「地域法人jimoto」を設立した。街の魅力向上と発展に向けた提案や課題を集約し、会員や賛同者の人的・経営資源を生かして事業創出やマッチングを促進する仕組みを構築。持続的な活動へ年内の法人化を見据える。会員を意味する「jimoto民」となる団体・個人を募る。 ホームページ上で課題や提案を募る“投書”システムを設置し、公開する。共感する項目を起点に、行動する参加者、資金応援、活動サポートなど各役割に分かれて、経過や達成の過程を共有する。定期的な事業発表会の開催や企業間マッチングの支援、
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次世代車、独自技術PR 静岡県内企業が活用法提案 自動車技術展 26日まで
国内最大規模の自動車技術展「人とくるまのテクノロジー展2023」(自動車技術会主催)が24日、横浜市のパシフィコ横浜で始まった。県内に本社や拠点を置く企業など国内外の499社・団体が出展。電気自動車(EV)をはじめ、次世代自動車や変革期の社会に対応する独自技術を発信している。26日まで。 自動車用変速機メーカーのジヤトコは開発中のEV向け駆動ユニット「eアクスル」2種類を初公開した。佐藤朋由社長は「電動化の加速で小型から大型までラインアップが広がる。培った技術を生かし、多様な社会ニーズに応えていく」と強調。軽自動車や小型車を想定したeアクスルはノートパソコンと同等の超小型サイズ(最大出力
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スズキ、セニアカー通信で見守り 走行位置や転倒検知 都内企業と6月実験
スズキは23日、業務用ドライブレコーダーの開発販売などを手がけるデータ・テック(東京都)と連携し、スズキのハンドル形電動車いす「セニアカー」の見守り通信システムに関する実証実験を6月から開始すると発表した。IoT車載器や専用アプリを通じて、走行位置などの状況をリアルタイムで把握できる。10月までの実験を通じ、利用者や家族がより安全に使える製品開発やサービス提供に生かす。 データ・テックが開発したIoT車載器「SR-LPWA」をセニアカーの椅子の下部に装着し、位置情報の取得や転倒を検知する。セニアカーの位置や走行ルートは、専用のスマートフォンアプリを通じて家族が閲覧できる。設定エリアから外れ
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浜松に人つなぐ「街食堂」 異業種交流へ平日オープン 地元店、毎週交代でランチ提供
浜松で働く人の応援を掲げ、地元で“話題”の飲食店が週替わりで平日にランチを提供する「街食堂」が浜松市中区板屋町にオープンした。県西部の製造業、金融、建設、小売りなど上場企業から中小まで多彩な業種の20社が賛同し、会員企業に加わった。「食」を通じて人が集い、連携やアイデア創出が自然に生まれる環境づくりを目指す。 開設地は同町のビル地下1階のコミュニティースペース「SOU(ソウ)」。ランチを税込み千円で提供する。会員企業の会費を運営費に充て、各企業社員が来店した場合は割引になる。出店した飲食店は店舗の発信につなげられる。「面白法人カヤック」(鎌倉市)が同市内で展開する
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軽商用EV200万円未満で スズキ社長、3社協調の意義示す G7で自工会
スズキの鈴木俊宏社長は19日、広島市のひろしまゲートパークプラザで取材に応じ、トヨタ自動車とダイハツ工業との3社で共同開発したEV(電気自動車)システムを搭載し、本年度中に市場投入する軽商用バンEVについて「(補助金含め)200万円を切る価格にもっていくのが重要」との考えを示した。スズキはガソリン商用車と同じブランド名「エブリイ」で売り出す。 日本自動車工業会(自工会)が先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)に合わせて開催している加盟各社の脱炭素の取り組み展示(18~21日)会場で試作車を公開した。鈴木社長は「3社の知恵を出し合った」と協調の意義を語り、自社の電動化戦略については「まず軽商
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スクーター領域、電動化を強化 ヤマハ発社長
ヤマハ発動機の日高祥博社長は19日、2035年に計画する同社製品の電動化比率2割の実現に向けて、スクーター領域のEV(電気自動車)化を国内外で強化する方針を示した。カーボンニュートラル(CN)達成の一手段となるEVは、通勤通学など近距離移動に活用するスクーター領域では趣味で使う大型バイクに比べて優位性があるとして、戦略的に市場投入する。 広島市内で取材に答えた。日高社長は「まずは商品を出し、使用したフィードバックを受けて製品に反映させていく。ガソリン車に負けぬよう、コストと電池性能をいかに作り込むかが求められる」と述べた。電動二輪向け着脱式バッテリーの規格標準化、内燃機関を生かす水素エンジ
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脱炭素技術、世界にPR スズキ、ヤマハ発ら自動車工業会 G7広島サミットに合わせ
日本自動車工業会(自工会)は18日、先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)に合わせ、カーボンニュートラル(CN)実現に向けた日本の自動車業界の取り組みを世界に発信する展示を、広島市のひろしまゲートパークプラザで始めた。「カーボンニュートラルにも、多様性を」をテーマに、本県のスズキやヤマハ発動機をはじめメーカー12社などが乗用車やトラック、二輪など35台を出展。電気自動車(EV)や水素、バイオ燃料活用といった脱炭素関連の技術をPRした。 自工会のオンライン会見で、豊田章男会長(トヨタ自動車会長)は「技術の多様性こそが日本の自動車産業の強み」と強調。各社トップも意義を語った。 スズキは日本発
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スズキ、軽商用EV発表 3社共同開発 航続200キロ見込む
スズキは17日、資本提携を結ぶトヨタ自動車、ダイハツ工業と共同開発したEV(電気自動車)システム搭載の軽商用バンEVの試作車を発表した。広島市で開催される先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)に合わせて18~21日、日本自動車工業会(自工会)が同市内で開く脱炭素関連の展示会で公開(ダイハツ仕様車)する。3社は引き続き開発を進め、それぞれのブランドで年度内の市販車発売を目指す。 小型車製造に強みを持つ軽自動車メーカー2社と、トヨタの電動化技術を融合させて開発している。1充電当たりの航続距離は200キロ程度を見込み、軽商用車ならではの機動力を生かして配送業など近距離の物流ニーズに対応する。2社
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スズキ 成長へ投資拡大 2024年3月期は増収減益
スズキの鈴木俊宏社長は15日、オンラインで行った2023年3月期決算の発表記者会見で、24年3月期は世界で急進するカーボンニュートラル(CN)や電気自動車(EV)へのシフトに対応するため、将来への成長投資を拡大する方針を示した。売上高はインドなどの販売増を織り込み、5兆円に迫る4兆9千億円と見込む一方、利益面は減益を予想。原材料高や半導体の供給不足が引き続き経営リスクになると指摘した上で、「リスクをしっかりと管理し、10年、20年先の長期的な成長に向けて投資を進める」と強調した。 スズキの24年3月期の研究開発費は、電動化推進など次世代自動車対応に充てるために2300億円と過去最高額だった
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スズキ、3月期最高益 売上高、初の4兆円超 円安やインド販売増が要因
スズキが15日発表した2023年3月期連結決算は、為替の円安効果や主力のインド市場の販売伸長で、売上高、経常利益、純利益がそれぞれ過去最高を更新した。売上高は前期比30・1%増の4兆6416億円と初めて4兆円を超えた。経常利益は45・6%増の3828億円、純利益は37・9%増の2211億円。 本業のもうけを示す営業利益は83・1%増の3506億円と過去2番目に高い水準だった。原材料高の影響は939億円の減益要因となったが、対米ドル、対インド・ルピーなどの円安による増益効果が1006億円と追い風になった。成長するインドの生産拡大に向けた新工場の土地取得費をはじめ設備投資を拡大したほか、電動化
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ドローン屋内飛行場を新設 浜松・綜合自動車学校 22日から講習本格スタート
綜合自動車学校(浜松市東区和田町)は、運営するドローン(無人航空機)教習所「浜松ドローンスクール」に、操縦者の技能を証明する国家資格に対応した屋内専用飛行場を新設した。22日から講習を本格スタートする。国家資格の講習、修了審査専用の屋内飛行場は県内初という。 自動車学校隣接地に完成した平屋建て飛行場「DRONE CUBE」(ドローンキューブ)は幅24・5メートル、奥行き18・2メートル、高さ7・0メートル。国家資格(1等、2等の2区分)のうち、2等向けから始め、従来の民間資格講習を含めた豊富なコースを設ける。講師陣は自動車教習所の指導員・検定員を含む6人。上部に配置したカメラ映像で飛行状況
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働き方、自ら切り開く 英企業へ浜松からテレワーク 飯田さん 経験を発信
英国の教育コンサルタント企業に浜松市中区からテレワークで勤務する飯田恵梨さんが、自身が追求する働き方の実現やキャリア構築の経験を講演やSNSで発信している。浜松、東京、海外で働き、培った視点を生かし、人材育成面で故郷・浜松に貢献したいと一昨年末、約12年ぶりに浜松に戻った。目指すのは「地方在住の身近なロールモデル」としての存在だ。 飯田さんは1984年生まれ。都内大学を卒業後、浜松でUターン就職した。留学の夢を追って渡英し、27歳で現地で就職。2014年に帰国後、楽天を経て、現在は約5万2千人が働く「Hult EF(ハルト・イーエフ)」の本社(ロンドン)に所属し、52カ国を対象に企業の組織
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県内の起業家育成組織 「静岡イノベーションベース」活動2年 経験共有、経営の学びに 参加募る
静岡県内の若手起業家や経営者の育成支援組織「一般社団法人静岡イノベーションベース(SIB)」が始動から2年を迎え、活動を本格化させている。会員の少人数グループで経験をシェアし、成長に生かす「フォーラム」活動は26人で進行中。「ベンチャースピリッツ日本一の県」を目指し、育成機運を高めようと意欲のある起業家らの参加を呼びかける。 SIBは上場企業を含む経営者3人を中心に設立した。活動の柱は、県内に本社を置く原則8人のメンバーでグループコーチングを行うフォーラムと、毎月多様な県内外の経営者を迎え、講演を聞く月例会だ。 フォーラムは現在、ITとサービス、住宅、運輸など幅広い業種出身の経営者らで4
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静岡人インタビュー「この人」 遠州織物のベビー用品「はままつBABYBOX」を企画した 桂川美帆さん(浜松市中区)
育児支援や産地振興を目的にした遠州織物のベビー用品パッケージを企画・運営する「BABYBOX(ベビーボックス) Supporters(サポーターズ)」代表。東京芸大大学院で博士号(美術)取得。染色作家として活動する。2019年4月、大学教員の夫の転勤を機に浜松に移住した。4歳と2歳の2児の母。東京都出身。36歳。 ―活動の経緯は。 「子供が誕生したばかりで、育児の情報が得られず不安ばかりの新生活だった。そんな時に出会ったのが、遠州織物のからみ織りの生地。独特の風合いに目を奪われ、伝統の技術に魅力を感じた。一方で、後継者不足などの産地の課題も知った。育児支援と産地活性化に何かできないかと、
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次世代自動車フォーラム 「変革期勝ち抜く戦略を」 CASE動向解説 浜松
浜松地域イノベーション推進機構次世代自動車センター浜松(浜松市)は27日、国内外の自動車産業の最新動向や支援策について情報提供する本年度のフォーラムを同市中区で開いた。電気自動車(EV)をはじめ、次世代自動車部品の開発を目指す中小企業など118社の関係者が出席。同センターの活動実績報告とともに、一大変革期の中での技術向上やビジネス獲得に向けた対応策を探った。 経済産業省の清水淳太郎自動車課長は国内外のCASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)の最新動向について解説。2030年までに世界の新車販売台数は1億台を超えるとの予想の中、「新たに生まれる数千万台のEVのマーケットをどう
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文化芸術活動促進へ5団体に助成通知書 サーラグループが授与式 浜松
サーラコーポレーション(豊橋市)など45社でつくるサーラグループは26日、「サーラ音楽ホール」(同市北区新都田)で開く文化芸術活動への本年度の助成対象5団体に決定通知書を授与した。昨年の助成制度創設から2回目で、20万円ずつ計100万円を助成する。 対象団体は「都田の文化力向上事業」実行委員会、浜松湖東中、浜松都田中、浜松交響吹奏楽団、楽友会オーケストラ浜松。来年3月までに、オーケストラを鑑賞する教室やイベント、校内合唱コンクール、文化発表会、創立記念コンサートなどを展開する。応募があった8件から新規性や継続性などをポイントに選考した。 同市東区のサーラプラザ浜松で開いた授与式で、サーラ
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次世代自動車センター浜松、始動5年 EV部品開発、支援を拡充
輸送機器に関わる地域企業のEV(電気自動車)シフト対応などの取り組みを支援する浜松地域イノベーション推進機構の次世代自動車センター浜松(浜松市中区)は、始動から丸5年が経過した。会員数は発足時の約5倍となる県内外の498社(3月末)に増加。入会後、次世代自動車部品の開発に携わった企業は徐々に拡大した。2023年度は既存の支援メニューの継続強化に加え、新たにサプライチェーン(供給網)を構成する小規模企業の支援に注力する。支援機関として、一大変革期に挑む県内自動車産業の持続的成長を支える。 3月下旬、浜松市中区で開かれた欧州メーカーの最新EVの分解活動報告会。市内外の102社から技術担当者ら1
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年金制度の仕組み解説 浜松で静岡県内巡回セミナー開講
静岡県年金福祉協会(大須賀紳晃理事長)は23日、公的年金制度の理解促進を目的に、本年度の年金セミナー(浜松市勤労福祉協会共催、静岡新聞社・静岡放送後援)を同市中区の市勤労会館Uホールで開いた。50、60代を中心に約50人が聴講した。 社会保険労務士の斉藤光一郎さん(焼津市)が講師を務め、年金の仕組みや受給開始年齢、繰り上げ、繰り下げ受給双方の留意点などを説明した。60歳以降に厚生年金に加入しながら働く場合、一定額を超えると支給額が減る在職老齢年金については、基準額の変更や計算方法を解説した。 公的年金の支給額は4月以降引き上げられるが、物価上昇には追いつかない状況。斉藤さんは「自身の加入
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記者コラム「清流」 子育て施策、地道に
浜松に赴任して、就職や転勤を機に移住した静岡県外出身者に話を聞く機会が増えた。土地勘がなく、地域情報をゼロから収集し、人間関係を一から築く彼らの言葉は新鮮だ。 人口流出が続く本県。取材で知り合った首都圏から移住した母親に「ずっと住めそうか」と問うと、「本当にここで安心して子育てしたいと思える環境かが大事」と返ってきた。金銭的な負担軽減の施策以外にも、相談場所や親同士のつながり構築など精神的な充足感が得られる環境の必要性を示唆していると感じる。 少子化の進行が加速する中、全国の自治体が子育て施策の充実を“競う”。確かに給付的な事業はわかりやすいが一過性にも見える。一
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静岡銀行 社員食堂に湖西の食材 自治体連携
静岡銀行は20日、行員に県内自治体の特色ある農水産物を使った特別メニューを紹介する「フードサポートデー」を浜松営業部(浜松市中区)と本部(静岡市清水区)の2カ所の社員食堂で行った。5回目の今回は湖西市がテーマ。養豚業が盛んな同市の市制施行50周年を機にブランド化を進める「湖西ポーク」などをランチメニューで提供した。 同営業部では、湖西ポークのしょうが焼き、糖度が高く全国シェア約5割を誇る砂糖エンドウのボイル、栄養豊富なウズラ卵の燻製(くんせい)の3品を定食として約150食を用意し、行員らが料理に親しんだ。影山剛士湖西市長ら関係者も訪れ、メニューを味わいながらPRした。 影山市長は「地域の
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ものづくりの楽しさ伝える 元楽器メーカー社員松岡さん 浜松市中区に工作ガレージ
元楽器メーカー社員で浜松市西区在住の松岡和彦さん(60)がこのほど、工作キット販売と作業のスペースを備えた店舗「STEP たのしい工作ガレージ」を中区葵西にオープンした。現役時の製品開発の知識や技術を生かしながら工作を支援する。松岡さんは「未就学児から親子、シニアまで、幅広い世代がものづくりを楽しみ、交流する場にしたい」と意気込む。 松岡さんはローランド(同市北区)に約36年間勤務し、電子ピアノやドラムマシンなど新製品の企画開発に携わった。昨年の定年退職に当たり、「何か経験を生かせないか」と模索。アイデアを創出し、手を動かし、モノを形にしていく面白さの原点に立ち返った。新しい挑戦への意欲も
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多様な用途 軽自動車に注目 アウトドア、リモートワークに スズキの新型軽商用好調
コロナ禍を背景に機運が高まったアウトドアやリモートワーク向けに、少人数で使え、コンパクトで燃費効率が高い軽自動車が注目されている。スズキが昨年8月下旬に発売した軽商用バン「スペーシア ベース」は、約7カ月で年間目標台数を上回る販売ペース。車中泊専用マットなど軽向けの関連商品開発の動きも進む。 スペーシアベースは、積載性の高さや広い荷室といった商用車の強みと、乗用車の乗り心地の良さを兼ね備えた車両。スズキによると、販売台数は年間目標の1万台に対して、3月末までの約7カ月で1万545台と好調を維持する。 目玉は高さを3段階に切り替えられる「マルチボード」(縦68センチ、横113センチ)。デス
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「そよら浜松西伊場」今秋出店を正式発表 イオンリテールSC JT工場跡地
イオングループのイオンリテール(千葉市)は7日、浜松市中区西伊場町の日本たばこ産業(JT)浜松工場跡地に今秋、ショッピングセンター(SC)「そよら浜松西伊場」を出店すると正式発表した。再生エネルギー重視の「エコ&サステナブル」がコンセプト。食品や日用品を扱う「イオンスタイル浜松西伊場」が核店舗となる。 同SCは2万9700平方メートルの敷地に複数の建物が立つ「オープンモール型」で、延べ床面積は計1万9100平方メートル。核店舗のイオンスタイルは県内では富士宮市に続く出店となる。ほかに、カフェや衣料品、クリニックなど1~2階建ての建物を整備する。 施設の屋上には太陽光パネルを設置し、将来的
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浜松商議所130周年祝う 変革期に挑戦、決意新た
浜松商工会議所は7日、創立130周年の記念式典を浜松市中区で開いた。斉藤薫会頭は、脱炭素やものづくり環境の変化など社会情勢に直面する中小企業の支援や、新産業創出に積極的に取り組む考えを示し、「次の10年、さらに創立200年に向けて着実に歩みを進めたい」と強調した。 斉藤会頭は「経営力強化と変革への挑戦」をテーマに掲げた2023年度の重点方針として、脱炭素やDXなど中小企業の経営支援、中心市街地活性化、大河ドラマ放送などを生かした観光振興を挙げた。 式では前年度に創業100年を迎えた会員企業6社(海老仙、加藤塗装、木下商店、コクブンリミテッド、本田木工所、ムラックス)の特別表彰を行った。も
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スズキ 部品輸送でモーダルシフト 鉄道用大型コンテナ導入
スズキはカーボンニュートラル実現に向けた二酸化炭素(CO2)排出削減を目的に、四輪の補修部品やアクセサリー用品の輸送を大型トラックから環境負荷が低い鉄道などに切り替える「モーダルシフト」を進めている。6日には新たに導入する鉄道用大型コンテナをJR貨物西浜松駅(浜松市中区)で公開した。部品工場(湖西市)から片道約950キロ離れた福岡地区への輸送で活用し、鉄道の比率を現行の約2割から将来的には3~4割に高める。 新コンテナは長さ約9・4メートル、幅約2・2メートルで10日から稼働する。コンテナを積んだトラックが部品工場から西浜松駅に到着後、大型フォークリフトで積み替える。福岡貨物ターミナル駅(
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記者コラム「清流」 織物産地の活性化期待
昨年から今年にかけて、遠州織物をはじめ、浜松市内外の繊維工場を見学する機会があった。織機が「ガシャ、ガシャ」と縦糸、横糸を取り込みせわしなく稼働する様は、現代ながらアナログ的に感じ、見入ってしまった。 糸から生地に織り上がる過程を間近で見れば、服を大切に着たいと思うはずだ。ただ、環境変化や高齢化で事業者や担い手は減少。織物工程の分業制が特徴の遠州の産地も、工程によって職人不足が深刻という。 注目したい動きもある。若手担い手が産地振興のヒントを得ようと他県産地を訪問したり、繊維関係者が連携して遠州織物のベビー用品を開発したりと新風を吹き込んでいる。変化をつぶさに伝え、産地維持や活性化を後押
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脱炭素や電動化 中小製造業直撃 ものづくり革新、支援は【伝えたい 政令市の現場から③浜松市㊤】
「日本に影響はないのか」。米シリコンバレー銀行の経営破綻のニュースが駆け巡った今月中旬、浜松市東区の金属加工業「ライト」の宇井健一社長(59)は身構えた。頭をよぎったのは、世界の景気悪化の端緒になった15年前のリーマン・ショックの記憶。ただ、当時と異なる状況に、少し冷静さを取り戻した。 リーマン・ショック後、売上高は半減し、会社は人員削減も断行した。「苦しく、悔しい思いは、もうしたくない」。創業60年、従業員47人のライトは主力の二輪、船外機など輸送機器のエンジン周辺部品の加工に加え、10年ほど前からロボット関連や一般産業機器部品など柱となる複数の事業の芽を育ててきた。コロナ禍では取り組み
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浜松工科自動車大学校 4月開校 1級整備士養成へ 実習場など充実の設備
静岡自動車学園(静岡市葵区)は29日、浜松市中区寺島町に4月開校する自動車整備士の養成専門学校「浜松工科自動車大学校」の内覧会を同校で開いた。次世代自動車導入の動きが加速する中、高度な整備知識や技術に精通した1級整備士の養成課程は静岡に続き同校2カ所目で、県西部は初めて。 1級課程の自動車システム工学科(4年制)、2級課程の自動車整備科(2年制)、留学生対象の国際オートメカニック科(3年制)の3科を開設する。定員は1学年各科25人。 施設は鉄骨2階建て、延べ床面積約2400平方メートル。車の構造や整備方法を学ぶ1階の実習場は、車を持ち上げるリフトを12基配置し、検査場も備える。2階は学科
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鳥居食品ソース 米国輸出向け拡大へ 充填機配備、英国も視野
鳥居食品(浜松市中区、鳥居大資社長)は、ソースの米国輸出向け生産を拡大する。工場に最新のソース充塡(じゅうてん)機を配備した。新たに英国での展開も目指す。 「トリイソース」などを手がける同社は、2013年から米国輸出を始め、日本国内向け商品を日系の食品スーパーなどで販売している。現地での日本食需要の高まりや価格競争力などを背景に生産増強を決め、省力化や高度な衛生管理に対応できるソース充塡機を整備した。生産能力を1・5倍に引き上げ、一部を輸出に回す。 ウスターソース発祥地の英国への輸出も視野に、5年後の2027年度には輸出額500万円を目指す。 原料に地元のトマトやタマネギを活用するなど
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長寿にあやかれる!? 家康の「忍冬酒」大河機に再注目 カクテル、ケーキにも
徳川家康が愛用したとされる薬味酒「忍冬(にんどう)酒」が、大河ドラマを背景にした“家康ブーム”で再注目されている。浜松市の取扱店では販売が好調で、独自のカクテルやケーキを販売する施設も登場した。ドラマの舞台が浜松に移り、関係者は「家康公の健康長寿を想起する忍冬酒は時代のニーズと合う。地元食文化の魅力を全国発信し、活性化につなげたい」と期待を寄せる。 「コンスタントに人気があったが、年明け前から徐々に伸び、2月の販売は前年同月比で3倍近い」。浜松市西区で酒販店を営む加藤国昭さん(70)は予想以上の反響を喜ぶ。 忍冬酒は、薬草のスイカズラ(忍冬)を本格みりんに漬け込ん
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欧州EV 分解部品を展示 次世代自動車センター浜松 調査活動の報告会
浜松地域イノベーション推進機構の次世代自動車センター浜松は22日、欧州製の最新EV(電気自動車)を活用した車両分解調査の活動報告会を浜松市中区のアクトシティ浜松で開いた。次世代自動車に搭載する部品試作や工法開発に役立ててもらうのが狙い。県内外の100社から技術担当者ら約170人が参加した。 車両はフォルクスワーゲン(VW)の「ID.3」。望月英二センター長が講師を務め、2021年度から進めてきた分解調査のうち、22年度重点的に実施した熱マネジメントシステムと車体を中心に、構成部品や構造の特徴を説明した。 エンジンの排熱が使えないEVでは、航続距離を伸ばすため、空調などの効率の良い熱管理が
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定時制高生マッチング拡大 浜松商議所、企業の人材確保サポート
浜松商工会議所が地元企業の人材確保策の一環で本年度から始めた「市内定時制高校生との就労マッチング事業」への賛同が広がりを見せている。工業系の定時制生徒と中小製造業の引き合わせから始まり、採用に苦慮する企業側のニーズを受け、普通科の定時制でも福祉など非製造業を含む幅広い企業の紹介につなげた。通学前の時間を利用し、パート・アルバイトで就労した事例も出ている。 事業は浜松工高定時制(同市北区)と連携して昨年6月に始動した。中小製造業で日頃の工業教育の学びを在学中から生かしてもらうのが狙い。同校で2回に分けて開かれた説明会では計12社が企業概要や働き方を説明し、1~3年生35人がインターンシップ
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23年度に実証実験 静岡県エアモビリティWG報告
浜松商工会議所の宇宙航空技術利活用研究会はこのほど、浜松市内で会合を開き、産学官連携による県次世代エアモビリティワーキンググループ(WG)の活動報告を聴いた。県新産業集積課の担当者は、地形など静岡県に根ざした無人航空機の活用事例を探るために2023年度、公募の実証実験を展開することなどを説明した。 県次世代エアモビリティWGは22年2月、全国での無人航空機や「空飛ぶクルマ」の開発加速化などを背景に設立し、計5回の意見交換会を通して報告書をまとめた。23年度以降も無人航空機などの機体開発や社会実装に向けた取り組みを進める。 公募による実証実験は、本県が有する長い海岸線や標高差などを生かし、
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女性議員増、地方議会から ジャーナリスト長野さん講演 浜松市中区
浜松市はこのほど、男女共同参画推進事業の一環で、政治とジェンダーをテーマにした講演会を中区のあいホールで開いた。女性議員の割合が一定になるにようにする「クオータ制」実現に向けて活動するキャスターでジャーナリストの長野智子さんが講師を務め、女性議員が増える意義や社会全体の意識改革の必要性を語った。 長野さんは、女性議員比率など日本の政治分野のジェンダーギャップが、146カ国中139位と遅れている現状を説明。「変化する時代の社会課題に対応し、目配りが利いた政策に生かすため、女性をはじめ幅広い人材と能力を活用するべき」と強調した。 クオータ制導入に向け、2021年から始めた超党派議員による勉強
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着物販売店、常葉大生が催し 甲冑や陣羽織で戦国体験 浜松城公園で20日、レンタルも
浜松市の常葉大浜松キャンパス経営学部の学生とリサイクル着物販売店「かねた忠右衛門」(中区)が連携して20日、甲冑(かっちゅう)や陣羽織など、地元ゆかりの徳川家康が生きた戦国時代をテーマにした衣装体験会を同区の浜松城公園中央芝生広場で開く。家康が主人公の大河ドラマ放送を踏まえ、家族連れや観光客に地元の歴史や伝統衣装などの文化を発信する。 催しは「戦国時代の服体験と浜松城を着物で歩こう」と銘打った。同学部の村瀬慶紀准教授のゼミで観光経営分野を学ぶ3年生8人と、着物文化浸透に力を入れるかねた忠右衛門が運営する。甲冑(子ども向け)、打ち掛け、陣羽織を用意して写真撮影の場を提供するほか、散策用の着物
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記者コラム「清流」 「家康」観光振興生かして
徳川家康にちなんだ浜松大河ドラマ館のプレオープンの日、愛知県岡崎市から訪れた親子連れと出会った。岡崎では前日にドラマ館が開館したばかりだったが、「地元は盛り上がっている。浜松の施設も見てみたくて」と興奮気味に話した。 浜松、静岡、岡崎を中心とした家康ゆかりの都市は没後400年の2015年、「家康公400年祭」を展開し、1年をかけて各種の催しを繰り広げた。思い起こすと、コロナ禍と無縁だった当時は公の顕彰と同時に、観光振興も前面に押し出していた感覚がある。 ドラマの放送がまだ前半戦とはいえ、誘客の動きは緩やかだ。1年は、あっという間。コロナが「5類」に移行する5月以降を好機と捉え、3市連携に
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探究創造科新設へ 浜松学芸高 24年度、普通科改革で「文理協働」
浜松学芸高(浜松市中区)は2024年度、「探究創造科」を新設する。23年度に県の認可を予定し、生徒募集に入る。文部科学省が進める高校普通科改革の一環。地域で実践する「文理協働」の学びを通じて多様な観点から課題解決の発想を養い、変化の激しい時代を生き抜く力の育成を目指す。 高校設置基準・学習指導要領一部改正で22年度から、普通科の枠内に独自の特色を出した学科を新設できるようになった。文部科学省の改革推進事業の指定を県内で唯一受け、新学科創設の動きを具体化した。全国の約7割の生徒が通う普通科を特色や魅力を引き出したカリキュラム開発で進化させ、生徒の学習意欲を高める。 現在の同校の普通科は、既
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遠州織物の未来 若手が守る 生産者とメーカーがタッグ 尾州産地に学び、逆風に活路
静岡県西部の繊維産業の20~30代の担い手でつくる「ひよこのかい」と遠州織物のアパレルメーカー「HUIS(ハウス)」(浜松市西区)が、他産地との交流や上質な遠州織物の県外での魅力発信など産地振興活動を活発化させている。2月中旬には日本一の毛織物産地を掲げる尾州の一宮市(愛知県)を訪問し、若手による産地活性化の取り組みを視察した。後継者不在や廃業増加、コロナ禍と逆風の中、生産者とメーカーがタッグを組み、活路を切り開こうと挑戦を続ける。 一宮の訪問先は、繊維企業で働く若手が立ち上げた自主サークル「尾州のカレント」。産地に新風を吹き込み、尾州の認知度向上に寄与したとして業界で注目される。活動拠
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試作の生地で女性シャツ 廃棄やロス減 浜松のブティック開発
服飾販売のブティック・ビギ(浜松市中区)は製品企画段階の試作などの生地を活用した女性用オリジナルシャツを開発し、販売を始めた。市内の生地メーカーや縫製工場と連携してSDGs(持続可能な開発目標)に配慮した新しいファッション作りに取り組むことで、製造にかかるエネルギー使用の低減や、着用期間の短さなどによる環境負荷課題の解決、地域産業の活性化につなげる。 生地メーカーの企画段階の試作やテストなど、通常は使われずに廃棄される「試験反」と呼ばれる生地に着目した。 製品時と同様の品質ながら、一部企業では年間5万メートル、ジャケットに換算すると約1万着分に相当する処分量が生じているという。色や素材、
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一般向けマグロ小売り開始 浜松の仲卸 流通自由化に対応
浜松市南区の水産物仲卸「SANKO海商」は販路開拓の一環で、一般消費者向け小売業の取り組みを開始した。マグロを専門とする市中央卸売市場の仲卸業者の目利き力や加工技術を生かし、マグロ即売会と称して厳選商品を月1回の予定で販売する。 市場外の取引拡大や卸売市場法改正2020年などで流通の自由化が加速する中、企業変革の試みとして即売会の開催を決めた。 同社加工場で2月下旬に開いた2回目の即売会は、メバチマグロの赤身や天然マグロ3種類セット、カシラやホホ、アゴなどの希少部位を含め約50種類を特価で並べた。1月の初開催時の経験を踏まえ、家庭向けに少量化したり、にぎりずしを加えたりするなど求めやすい
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FCV向け金属セパレーター 磐田に共同で実証生産設備 北欧メーカーとエフ・シー・シー
燃料電池車(FCV)などに使われる金属セパレーター製造の「セルインパクト」(スウェーデン)とクラッチ製造の「エフ・シー・シー」(浜松市北区)は共同で、磐田市駒場のエフ・シー・シー工場内にセパレーターの実証生産ラインを設けた。セルインパクトは独自の高速プレス成形技術を関連企業に公開して日本市場開拓の足がかりにする。新領域の事業構築に注力するエフ・シー・シーは自社技術活用や事業展開の方向性を探る。 セパレーターはFCVに搭載する燃料電池スタックの基幹部品。薄い板状で、発電に必要な水素や酸素を供給する溝状の流路が施されている。乗用のFCV1台には数百枚が使われているとされる。 セルインパクト
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遠州織物 赤ちゃん用品に 浜松の母親ら開発
浜松市内の子育て中の母親や移住者らが中心となって企画・開発を進めた遠州織物のベビー用品の詰め合わせ「はままつ BABYBOX(ベビーボックス)」が完成し、市役所で28日、披露された。織り、染め、縫製など各工程で遠州地域の企業が携わった。プロジェクトの桂川美帆代表(35)は「未来を担う子供に誕生時から遠州織物に触れてほしい。安心で高品質な生地を生かしたものづくりを通じ、地場の繊維産業と育児の双方を支援したい」と話す。 ベビーボックスは、フィンランドの育児支援のギフトボックスに由来する。メンバーは「浜松版」の開発を構想し、2021年12月に着手した。仲間づくりを進めながら、域内の企業や繊維関連
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サイバー防御、車産業一丸 体験や勉強会で対策推進 メーカーと部品供給網
トヨタ系の主要部品メーカーがサイバー攻撃を受け、トヨタ自動車の国内全工場が一時停止した事態から約1年。スズキ、ヤマハ発動機の四輪、二輪完成車メーカーと関連産業が集積する静岡県の製造業界でも、サプライチェーン(供給網)全体の対策強化が加速している。支援機関が中心となり、対策が遅れがちな中小企業向けの情報提供や、攻撃の未然防止、影響の最小化に向けた現実的な対策を伝える試みが進む。 2月中旬、浜松地域イノベーション推進機構の次世代自動車センター浜松が主催したサイバーセキュリティー対策ワークショップ。部品製造業4社から経営者とIT担当の計8人が参加。架空のサイバー攻撃事案が発生したとの想定で、被害
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海外の二輪生産現場 浜松城北工高生体験 ヤマハ発工場社員とオンライン
浜松市中区の浜松城北工高は16日、同校生徒とヤマハ発動機のフィリピン工場社員が交流する海外インターンシップ(就業体験)をオンラインで開いた。希望した1、2年生23人が参加し、二輪の需要が高まる同国で日本式ものづくりを取り入れた生産の現状に理解を深めた。 ヤマハ発や市などとの産官学連携でロボティクス人材の輩出を目指す文部科学省「マイスター・ハイスクール」の一環。教室と現地をオンラインでつなぎ、ヤマハ発社員でマイスター・ハイスクールCEOを務める都築明宏さんが進行役を務めた。生徒は工場内の製造ラインなどの映像を視聴した上で、運搬における人とロボットの作業比較、近年稼働した新工場と既存工場のロボ
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静岡人インタビュー「この人」 日本貿易振興機構(ジェトロ)・ミュンヘン事務所長 高塚一さん(ドイツ在住)
南ドイツのミュンヘン事務所(2020年開設)初代所長。バイエルン、バーデン・ビュルテンベルクの2州を管轄する。赴任は西部デュッセルドルフ以来2回目。1月下旬には浜松市で現地概況を情報提供するセミナーを行った。牧之原市出身。 -管内の経済・産業状況は。 「BMWやメルセデス・ベンツ、ボッシュ、シェフラーなどの本社があり、主要自動車・部品メーカー、機械など製造業が集積する。国の名目GDP(21年)の3割以上を創出し、高い経済力を有する。日系企業進出はこの10年で200社増の約740社と加速している」 -事務所の役割は。 「日本と海外の貿易と投資の促進がジェトロの使命。日本、南ドイツ双方の
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うなぎ料理、弁当 高校生考案、商品化 遠鉄ストアや飲食店で販売へ
浜名湖養魚漁協(浜松市西区)など産学で活動する「うなぎの街」プロジェクト実行委員会は18日から3月5日までの土日の計6日間、「第3回うな重高校創作料理フェア」を県西部の料理店10店と遠鉄ストア32店(愛知含む)で展開する。高校生が考案した特産ウナギの料理アイデアをコンテストで選考し、商品化した。フェアを前にこのほど、一部商品の試食会を中区の浜松調理菓子専門学校で開いた。 「頑張れ青春うなぎのぼり!大切な人に届けたい応援メッセージ料理」がテーマ。従来の「鰻創作料理」と新設した「応援うなぎ弁当」の2部門に、県西部の10校からメニュー56点が集まった。組合や小売業、経済団体、スポーツ選手など幅広
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ロボット分野 現場から学び 浜松城北工高「先生」にヤマハ発社員 地域産業の担い手育成
ものづくり産業が集積する浜松地域で、今後の製造現場で導入が進むロボットの作り手、使い手となる人材を継続的に輩出し、産業力強化を目指す取り組みが始動した。浜松城北工高(浜松市中区)を拠点に、県教委、浜松市、世界的なバイクや産業用ロボットメーカーのヤマハ発動機(磐田市)の産学官が連携。ヤマハ発の社員を招き、実務に裏付けられた最先端の学びを得るのが特徴だ。 1月、同校電子機械科の1年生40人のクラスで開かれた「ロボティクス序論」の授業。ヤマハ発ロボティクス事業部出身の南部秀樹さん(58)が、さっそうと教壇に立った。昨年7月から常勤の特別教諭「産業実務家教員」として勤務。世界の産業用ロボット販売台
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記者コラム「清流」 手話は言語
「ろう者は手話が第1言語」。生まれつき耳が聞こえないろう者と聞こえる聴者の理解促進を目的に活動する浜松市の女性から、この言葉を聞いてハッとした。「目で見る言語」なのだ。県の手話言語条例にも「手話が独自の体系を持つ言語との認識に基づき、共生社会実現を図る」とある。 一方で、言語と捉える感覚が聴者の間で浸透しているとは言えない。ろう者や中途失聴者に直接会う機会は限られ、手話を使う場面を見るのも断片的だからではないか。 冒頭の女性が「聞こえない人の世界を知る」交流サロンを浜松市内で始めた。「英語のように一つの言語、文化だと思って」。それを聞いて、心のハードルが低くなった。共生にはまず接点を持つ
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浜松市中区の丸源竹内組 環境省の特別賞受賞 窓遮熱塗料事業 カーボンニュートラル推進評価
総合建設業の丸源竹内組(浜松市中区)が展開する工場や倉庫などの窓ガラス向け遮熱塗料と、導入先へのカーボンオフセット証明書発行を組み合わせた事業が、環境省主催の本年度「グッドライフアワード」で実行委特別賞「SDGsビジネス賞」を受賞した。 天窓や高窓に塗布する遮熱塗料は2015年、工場や倉庫で働く従業者の熱中症対策向けに独自開発した。同社によると、塗料は照度を保ちながら、紫外線や赤外線を大幅にカットし、可視光線をコントロールして室内に入る熱量を抑える。未塗布の窓ガラス下に比べて温度を約8度下げる効果があり、作業効率向上や燃料高騰下での節電などにつながるという。製品は地元自動車メーカーや部品関
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金属3Dプリンター 静岡県技術の未来造形 県協議会設立 活用促進に力
静岡県は、次世代自動車の部品試作などに利用できる「金属3Dプリンター」について、地域産業界での活用促進や技術の普及に力を入れる。県浜松工業技術支援センター(浜松市北区)に1月下旬に配置した金属3Dプリンターの供用開始とともに、利活用策の協議や情報交換を目的にした産学官の積層造形技術協議会を設立した。電気自動車(EV)シフト対応に動く県内企業の技術開発に役立てる。 金属3Dプリンターは、3Dデータを基に金属粉末にレーザーを照射し、積層化して造形する。切削加工では難しい複雑な形状や、溶接工程がない一体形などの造形が可能になり、製品の高機能化を図れるのが特徴。欧州や中国など海外の航空宇宙分野や医
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スズキ世界生産317万台 22年 四輪、インド市場けん引
スズキは30日、2022年の四輪車生産販売実績を発表した。海外と国内を合わせた世界生産は、コロナ禍や半導体不足の影響緩和で、前年比10・7%増の317万2192台と2年連続で増加し、3年ぶりに300万台を回復した。年間で過去最高となったインド市場がけん引した。世界販売は7・4%増の296万8494台。海外販売は2年連続の増加だが、国内は半導体など部品不足に伴う生産減が響き、4年連続で減少した。 世界生産はコロナ禍前の19年の水準を超えた一方、世界販売は同年に届かなかった。 22年の海外生産は13・1%増の225万2301台。主力のインドは半導体使用が少ない輸出向け車種で上積みし、15・0
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浜松国際ピアノアカデミー開講 若手16人 飛躍目指す
世界的なプロピアニスト育成を目指す「浜松国際ピアノアカデミー2023」(浜松市、市文化振興財団など主催、静岡新聞社・静岡放送後援)が29日、同市中区のアクトシティ浜松で開講した。ピアニストとして飛躍を志す若手らが国際的に活躍する講師陣からレッスンを受ける。2月5日まで。 初日のオープニングコンサートは、アカデミー音楽監督で浜松国際ピアノコンクール審査委員長の小川典子さん、東京音大教授の石井克典さん、ピアニスト中野翔太さんが出演。ドビュッシーやシューマンなどの楽曲を豊かな表現力で奏で、約160人の聴衆を引き込んだ。 3人が講師を務めるアカデミーは2クラス。世界で通用するピアニスト育成へ実践
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静岡人インタビュー「この人」 ろう者と聴者の理解促進を目指す「KIZUNA Deaf&Hearing」代表 和田典子さん
耳が聞こえず手話を第1言語にする「ろう者」と聴者(健常者)をつなぐ「キズナ デフアンドヒアリング」を昨年9月に浜松市に設立した。2019年から市内在住。東京都出身。57歳。 -手話との出会いは。 「都内在住時に友人が手話を学び始めたのを機に、自分も講習会に通い始めた。手話は一つの言語という印象を持ち、率直に『面白い』と感じた。2003年に手話通訳士の資格を取得。その後、全国のろう者と金融機関や店舗などをテレビ電話の画面越しに結んで遠隔で手話通訳する企業に勤め、コミュニケーションをサポートした」 -団体立ち上げの経緯は。 「かつてろう者だけのキャンプの予約をした時に、相手先から大丈夫か
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付加価値力「向上を」 日銀静岡支店長の小泉氏講演 21世紀倶楽部
静岡新聞社・静岡放送21世紀倶楽部の1月例会セミナーが23日、浜松市中区のプレスタワーで開かれ、日銀静岡支店の小泉達哉支店長が国内や県内経済の現状と展望をテーマに講演した。経済成長の実現に向けて「生産性や付加価値力をいかに向上させるかが課題だ」との認識を示した。 小泉支店長は本県の足元の景気動向について、半導体不足など供給制約の緩和や堅調な設備投資、「ウィズ・コロナ」のサービス業改善などで持ち直し基調にあると説明した。今後の経済循環に向けては、物価上昇に対する賃上げと、原資となる企業の収益力強化の必要性を強調した。 東、中、西部で均衡した人口や総生産、1人当たり市町民所得、全国3位(20
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「浜松の家康」世界に発信 「井伊直政」板垣さんが意気込み 大河ドラマ館プレオープン
大河ドラマ「どうする家康」の放送に合わせて22日、浜松市中区の元城小跡地にプレオープンした大河ドラマ館は、歴代大河で描かれた徳川家康を紹介する展示や記念撮影を楽しむ来場者でにぎわった。徳川四天王の一人、井伊直政を演じる板垣李光人[りひと]さんも記念セレモニーに参加し、出演者として意気込みを語った。 板垣さんは館内に設置された「どうする家康」人物相関図のパネルにサイン。撮影に際し、「彼が持つ井伊家のプライドを大切に、浜松の方々の期待に応えられるような直政像を演じたい」と述べた。ドラマはアジア各地で放送されるといい、徳川家広名誉館長は「苦難の連続だが、実り多かった浜松時代。世界に向けた発信の拠
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全国信用金庫協会長/御室健一郎氏 地域の発展見据え伴走【難局に挑む 新年トップインタビュー⑩完】
-2023年の景況をどう見通すか。 「新型コロナウイルス禍の悪影響がようやく減衰しつつあり、地域経済はやや持ち直しの傾向がみられる。ただ、原材料高や欧米の景気後退の局面と併せて不確実性は増している。22年末には日本銀行の実質利上げ発表のサプライズがあった。国内外の金融政策や市場動向が企業業績に与える影響を注視する」 -中小企業の経営課題と支援の方向性は。 「原材料高、部品調達難、人材不足などの荒波の中、経営環境は依然厳しい。カーボンニュートラル(CN)や電気自動車(EV)シフトの動きが世界的に加速し、本県などの自動車産業も引き続き転換期にある。足元の資金繰りを支えながら、人材育成や販
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浜松発のエンジンドローン 元スズキエンジニアが開発 二輪技術、空へ応用
自動車メーカー、スズキの元二輪エンジン開発者が共同代表を務める「アラセ・アイザワ・アエロスパシアル合同会社」(浜松市南区)が、排気量1000ccの産業用エンジンドローン(無人航空機)を開発した。市場では電動が主流だが、積載量や航続時間から用途が限られるのが現状。二輪エンジン技術を応用した「超無人機AZ-1000」は重量積載と長時間飛行を武器に、建設や防災など幅広い分野で“即戦力”をアピールしていく。 エンジンと機体開発を手がけたのは、荒瀬国男さん(61)。スズキ時代に、人気バイク「ハヤブサ」など高性能二輪エンジンの開発に長年携わった。二輪レースの最高峰MotoGP(
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航空宇宙参入へ 技術者育成講座 浜松で最終実習
静岡県は17日、航空宇宙産業への参入を目指す企業を対象にした中核人材育成講座の最終実習を浜松市南区の浜松職業能力開発短期大学校(ポリテクカレッジ浜松)で開いた。県内の輸送機器製造業に従事する6人が参加し、航空機部材に使用されるチタン、インコネルといった「難削材」の加工技術を学んだ。 硬度や耐熱性を備えた航空機の素材加工は難度が高く、品質管理の徹底も求められる。同日はポリテクカレッジ浜松の工作機械を活用し、適した刃物や加工技術に関する講義を受けた後、実際の切削過程を見学。仕上がりなどを確認した。 育成講座は2011年から、県の委託で浜松商工会議所が実施している。本年度は10月に開講し、座学
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子育てと両立、就労継続支援 キャリアセミナー拡充 マザーズハローワーク浜松
育児や介護など家庭と仕事の両立を目指す女性らの就職を支援する浜松市中区のマザーズハローワーク(HW)浜松は、中長期のキャリア形成を重視したセミナーを拡充している。早期就職希望のニーズに応える一方、志向や能力に合った仕事とのマッチングにつなげ、継続就労に生かしてもらう。 昨年末に同区で開いたセミナーのテーマは「就活前に作成しよう。あなたのキャリアデザイン」。満席の約20人がグループワークを通じ、自身の性格や得意分野を見つめ直したり、10年後の姿を想像したりしながら、今後の行動計画を紙にまとめた。講師を務めた社会保険労務士でキャリアコンサルタントの小田切克子さんは「仕事も私生活も全てキャリア。
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高校生、起業家精神学ぶ ロボット開発企業社長招く 浜松城北工高
文部科学省の「マイスター・ハイスクール事業」指定校で、ロボット・デジタル人材の育成を目指す浜松城北工高は13日、浜松市中区に支店を置く「ロボ・スタディ」(東京)の福地三則社長(70)を招いた講演会を同区の同校で開いた。起業家精神を学ぶ市の「浜松みらい塾」との連携事業。 1995年に教育ソフト会社を立ち上げた福地社長は、大手企業の教育教材の人気コンテンツ制作などを数多く手がけた実績を披露し、「技術力や能力があれば、浜松でこうした仕事ができる」と強調した。人工知能(AI)など急速な技術進化に伴う社会の変革を見据え、「世界を変えるIT技術を本気で勉強し、ITを作り出す側になってほしい」と呼びかけ
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記者コラム「清流」 新領域挑戦 土台は熱意
昨年末、ホンダの航空宇宙や次世代モビリティなど新領域分野の研究開発に携わる技術者の講演を聴いた。印象に残った言葉がある。「心の中から湧くモチベーションが大切。手法やルール、形は後からついてくる」 若手技術者の活躍を後押ししながら、経験豊富なベテランのノウハウも生かす。20年、30年先を見据えた事業創出には、世代は違えども、熱意を同じくする両者の融合が欠かせないと感じた。 電動化の波が押し寄せる中、浜松地域でも輸送機器関連企業などが新領域参入へプロジェクトを立ち上げる動きがある。厳しい経営環境下でも「やらねばならない」強い意欲を感じる。各社の歴史や既存事業、人的資源を踏まえ、それぞれの向き
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「どうする家康」 太鼓演奏で後押し 浜松の出陣式会場
8日の大河ドラマ「どうする家康」放送開始に合わせて浜松市中区で行われた出陣式会場では、主演の松本潤さんら登壇前のステージで、太鼓演奏や演武、ゆかりの自治体のPRイベントなどが行われた。 地元を拠点に活動する「浜松徳川武将隊」は、家康公や徳川四天王にふんしたメンバーが勇壮な太鼓演奏などを披露。本県西部の市町をはじめ、栃木・日光や三重・桑名などゆかりの17自治体の担当者が登壇、観光や特産をアピールした。 “最前列争奪”と銘打ったクイズ大会では、浜松の特産や家康公に関連する計16問を出題。全問正解した来場者の中から、20組がステージに近い特別席で出陣式本番の鑑賞を楽しん
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西部中小DI8・7ポイント改善 10~12月期 自動車など回復傾向
しんきん経済研究所(浜松市中区)が6日発表した県西部中小企業の2022年10~12月期の全産業の業況判断指数(DI)はマイナス10・7で、前回調査(同7~9月)と比べ8・7ポイント改善した。原材料価格が高騰する一方、自動車など一部製造業の持ち直しや「全国旅行支援」で飲食・レジャーなどの客足が回復し、全産業DIは3四半期連続で改善した。 22年12月1~8日に調査し、627社が回答した(回答率95・2%)。 製造業の業況DIはマイナス6・0で、8・5ポイントの改善。大手取引先からの受注増や新規受注が寄与し、自動車、機械、楽器はそれぞれ2桁の大幅な改善となった。楽器は2017年12月以来、5
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軽EV 最適な移動追求 スズキ社長/鈴木俊宏氏【難局に挑む 新年トップインタビュー①】
-2023年の経営環境をどう見通すか。 「22年は新型コロナウイルス禍や半導体不足にプラスして急激な円安、原材料高が加わった。半導体に限らず、部品は2年程度先を見据えた取引先への発注など安定調達の体制を強化した。23年も依然先行き不透明な状況が続く。予期せぬ問題への対応力、行動力が問われる。『動』の姿勢を貫き、全社一丸で品質の良い車を1台でも多く市場に供給する」 -軽EV(電気自動車)開発の方向性は。 「(23年度販売予定の)軽商用EVは、トヨタ自動車やダイハツ工業も参画するCJPTなどと取り組み、スペックに関する協議や分析を続けている。見えてきたのは、まずは大都市で1日50キロ程度
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IT企業が浜松の魅力ガイド制作 就職や移住促進へ 常葉大・夏目さん、掲載内容担当
浜松市に拠点を置くIT企業「FromTo(フロムトゥ)」(本社・東京)はこのほど、市内へのUIJターン就職や移住促進に向けて「市魅力ガイドブック」を制作し、同社ホームページで公開した。インターン(就業体験)生で、地元出身の常葉大経営学部3年夏目紗海さん(21)が掲載内容の作成を担当した。 フロムトゥは地方自治体の実証実験などの施策情報を、スタートアップなど中小企業に提供する「47pass(よんななパス)」を2022年6月から展開している(現在全国の約300社が登録)。本年度の市ファンドサポート事業に採択された。地方での企業の事業展開や進出支援の一環で、地域の特徴や魅力がイメージできる資料提
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「チャック付き袋」の生産日本社、環境配慮型製品を拡充 バイオマス原料や紙素材 浜松市に製造拠点
チャック付きプラスチック袋のパイオニアで、浜松市に製造拠点を置く生産日本社(東京都)が、植物由来の原料などを活用した環境配慮型製品のラインアップを拡充している。SDGs推進の社会的機運を背景に引き合いが強まっている。幅広い企業に販促するほか、官公庁への提案にも注力する。 チャック付きプラスチック袋「ユニパック」シリーズではサトウキビ由来のバイオマス原料を30%配合した「ユニパックバイオ」のほか、成形済みプラスチックのリサイクル原料を付加して計7割を環境配慮型原料にした「ユニパックエコバイオ」を開発した。いずれも二酸化炭素(CO2)排出量を従来品より約3割削減。土中の微生物の働きで水とCO2
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親子連れら演劇堪能 劇団たんぽぽがクリスマス公演 浜松
全国で演劇上演を行う「劇団たんぽぽ」(浜松市東区)は24日、第30回クリスマス公演(静岡新聞社・静岡放送後援)を中区の市福祉交流センターで開いた。無料招待した特別支援学校の児童生徒を含め、親子連れなど約300人が鑑賞した。 演目は「100万回生きたねこ」。幅広い世代に親しまれる人気絵本を原作にした劇を披露した。命の大切さを伝えるストーリーを劇団員5人が豊かな表現力で軽快かつ重厚に演じ、来場者を引き込んだ。過去30回の演目を振り返る展示コーナーも設置された。 同劇団が創設した市内小中学生によるはままつ演劇クラブの15人が会場で案内役を務めた。
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アルミ製横笛 山田金属(磐田)が学生デザイン募集 静岡文化芸術大・山本さん金賞 鳥のさえずり表現
アルミ製横笛「洒楽斎(しゃらくさい)」を製造販売する山田金属(磐田市池田)は21日、静岡文化芸術大の学生を対象に募集した笛の絵柄デザインの発表会を浜松市中区の同大で開いた。デザイン学部2年の山本佳奈さんの作品を金賞に選び、絵柄を表面にあしらった笛を贈った。デザインを採用し、2月ごろからオプションとしてラインアップに追加するという。 アルミ製横笛は2021年、二輪や船外機、福祉機器などの部品加工技術を生かして開発した。軽量で分解して丸洗い可能な構造で、8色15パターンとカラフルな色使いも特徴だ。コロナ禍の祭りで衛生的に活用できると注目され、本年度の浜松地域ブランド「やらまいか」に認定された。
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おひめさまごっこ「ドレス体験」 独自商品やレンタル 浜松の「はなか」新たな一歩
商業観光施設などで子どもがドレスを着用して回遊する体験型イベントを手がける「はなか」(浜松市東区)が新型コロナウイルス禍の苦い経験をばねに、事業を成長させている。会社設立直後の2020年度はイベントを開催できず、存続が危ぶまれた。マスクなどオリジナル商品販売やレンタルドレスといった新事業の発案で危機を脱した宮武弓佳社長(47)は「新しい施設や人のつながりができたことが財産。全国でイベントを展開したい」と意気込む。 「おひめさまごっこプロジェクト」と題した体験型イベントは、商業施設などを対象にしたBtoB(企業間取引)のビジネスモデル。2~13歳の子どもが色柄豊富な100~200着から好みの
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発達支援学級生の体験学習受け入れ 浜松技術専門校が試験的実施 「職業選択の一助に」
職業訓練施設の静岡県立浜松技術専門校(浜松テクノカレッジ、浜松市東区)はこのほど、市内の中学校発達支援学級(特別支援学級)がキャリア教育の一環で行う職場体験学習を試験的に受け入れた。同専門校の設備や人的資源を生かし、生徒の状況に配慮した上で、工業系の職業訓練体験プログラムを提供。進路選びの情報収集や気づきにつなげてもらう。 北浜中(浜北区)教諭の相談を契機に11月下旬、1~3年生ら計16人(知的障害、自閉症・情緒障害)を受け入れた。専門校の指導員が講師を務め、安全講話を行った後、専用の機械や工具を使い、ステンレス製の名刺入れ製作に臨んだ。生徒たちは一人ずつ、プレス機械での曲げ加工や溶接、接
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ロスパン 冷凍自販機でおいしく販売 SDGs推進掲げ、浜松市東区「月のパン屋さん」が設置
浜松市東区原島町のパン店「月のパン屋さん」が、食べられるが、残って廃棄処分せざるを得ない「ロスパン」を販売する冷凍自動販売機を設置した。「おいしく食べてSDGs(持続可能な開発目標)」を掲げ、フードロス削減への理解を呼びかける。 同店によると、パン販売店では綿密な計算に基づき生産量を決めるが、天候に来店客数が左右されることも多く、完全なロス削減は難しい。 店外に設置したのは冷凍自販機「ど冷(ひ)えもん」。普段店頭に並ぶ30~40種類のうち、ロスとなったパン3個入りで、400円、500円、600円の価格を設定した。種類は選べないが、店頭購入に比べて2割ほど安価になる。設置後、毎日10件以上
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エンシュウ社員 森林公園で植樹 浜松市浜北区
工作機械製造や自動車部品加工のエンシュウ(浜松市南区)はこのほど、浜北区の県立森林公園で植樹活動を行った。社員と家族計27人が参加し、ヤマザクラとイロハカエデの苗木計55本を植えた。 昨年10月に県などと締結した「しずおか未来の森サポーター協定」の一環。「エンシュウ百年の森」と名付けた公園内の一角で活動した。参加者は公園関係者の助言を受けた後、斜面で土を掘り、丁寧に苗木を植えた。竹の支柱を添え、順調な生育を願った。
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伸びやかな歌声♪観客魅了 浜松ライオネット児童合唱団が定演
浜松市の浜松ライオネット児童合唱団の第31回定期演奏会(静岡新聞社・静岡放送後援)がこのほど、同市中区のアクトシティ浜松で開かれた。小学校2年から大学1年まで25人が出演し、ピアノ演奏などに合わせた多彩な20曲で美しいハーモニーを響かせた。 昨年の創立40周年を記念して制作された合唱曲集「うたう どうぶつえん」からは、初演の「サイ」など2曲を伸びやかな歌声で披露した。「もみの木」「聖夜」など6曲を歌った幻想的なクリスマスステージ、ゲストの作曲家大熊崇子さんの曲目で構成するプログラムなども繰り広げ、観客を魅了した。
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農機部品の生産強化 小楠金属工業所(浜松市)、タイ子会社が新工場
輸送用機器部品製造の小楠金属工業所(浜松市西区)は現地法人を置くタイで、農業用機械部品の生産態勢を拡充する。このほど、敷地内に3棟目の工場を新設した。周辺新興国の機械化需要を受けて、成長が見込まれる農機市場で新規受注獲得につなげる。 新工場は一部2階建て施設(延べ床面積約5500平方メートル)で、トラクター、コンバインなど農機のギア付きシャフトをはじめ、動力伝導用部品を中心に製造する。総工費は約7億円を想定。取引先メーカーの増産要請に即応できる態勢を整えるほか、新規受注の取り込みも目指す。 小楠金属工業所は2010年、タイ東部のチョンブリー県に、農機と自動車向け部品を生産する100%子会
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医工連携、嚥下チェア開発 ソフトプレン工業(浜松)発売 最適な姿勢リハビリにつなぐ
発泡プラスチック加工のソフトプレン工業(前嶋宏明社長、浜松市西区)は、嚥下(えんげ)障害がある患者の最適な食事姿勢を見つける造影検査から移動、リハビリまで一貫対応できる「嚥下チェア」の発売を本格的に始めた。市リハビリテーション病院(同市中区)などとの医工連携で開発した。診断時のチェアの高さを調節する昇降機と専用車いすの合体と分離が可能な構造で、リハビリ時の姿勢の再現性を高め、患者と医療従事者の負担軽減を図る。 名称は「FISLAND FJ―1」。一人一人異なる飲み込みやすい角度などの姿勢を造影診断で確認した後、車いすをそのまま使うことでリハビリ移行を円滑にし、時間短縮や誤嚥リスク軽減につ
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外壁材 加工製造、施工から廃材リサイクルまで一貫 浜松「R-one」新体制来春稼働へ 日本公庫と静岡銀行が協調融資
建設業「R-one(アールワン)」(浜松市西区)は来春をめどに、サイディングと呼ばれる外壁材の加工製造から施工(取り付け)、廃材のリサイクルまでに対応する一貫体制を整備し、本格稼働する。従来は施工主体だった事業を拡大する。建築現場での効率化や環境改善を図り、一貫体制を生かした新規受注を目指す。 新体制では自社工場内であらかじめ部材を加工(プレカット)して建設現場に持ち込むため、現地で粉じんや騒音の防止、省スペースでの工事が可能になる。正確な寸法把握に向けて3D計測器を活用する。同市中区高丘西の工場に既にプレカットラインを新設し、工場内で出る廃材の新たな外壁部材へのリサイクルも計画する。
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高度外国人の採用 経営者ら意見交換 浜松でセミナー
浜松経済同友会とジェトロ浜松は1日、高度外国人材採用・定着啓発セミナー「新グローバル時代の人材獲得戦略」を浜松市中区で開いた。留学生をはじめ、高度外国人材採用に取り組む地域企業の経営者やジェトロ関係者が効果や課題について意見交換した。 先進技術分野などで高度外国人材を雇用するソミックマネージメントホールディングス(同市南区)の石川雅洋社長は「市場が海外にあると、外国人材の活躍が大事な時代になる。活用推進の宣言をして、最初は受け入れをどんどん進めるべき」と強調した。高度外国人材の採用、就労、定着を支援する団体「eコモンズ」の取り組みも紹介した。 三恵(磐田市)の片岡和佳管理部経理・総務グル
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スズキ 苫小牧に部品センター 海上輸送を活用、二酸化炭素削減
スズキは1日、四輪車の純正部品や用品供給拠点の「部品センター」を北海道苫小牧市に新設し、稼働を開始したと発表した。道内の効率的な部品輸送と代理店や販売店への供給迅速化につなげる。納車前の整備を一括して実施する「納整センター」も市内の別の場所から同じ施設内に移転する。 新設したスズキ部品センター苫小牧は、国内6カ所目の拠点。部品約1万8千点を備える。フェリー港が近い優位性を生かし、湖西市の部品工場から福井・敦賀港を経て海上輸送する。従来はトラックなど陸上輸送で、最も近い東北の仙台部品センターなどを経由して届けていた。輸送距離の約8割を海上輸送にシフトするほか、大型トレーラー活用で陸上の輸送効
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「軽トラ市」中心街に活気 浜松市中区 旬の農海産物人気
浜松・浜名湖地域の生産者らが農海産物や特産品などを販売し、食の魅力を伝える「第9回軽トラはままつ出世市」(同実行委主催)が27日、浜松市中区の中心街で開かれた。歩行者天国となった鍛冶町通りのほか、モール街北側に軽トラック約40台が集まり、市内外から訪れた多くの来場者でにぎわった。 大根や白菜、サツマイモなどの採れたて野菜、舞阪のシラスや干物、彩り豊かなミカンや柿などの果実が軽トラック荷台の周辺に並んだほか、手作りジャムなどの加工品も人気を集めた。生産者や出店者からは「昨年より来場者が多い」「品ぞろえを増やして好評だった」などの声が上がり、活気があふれた。松菱跡地に出店したキッチンカー11台
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再生プラ素材でサッカーボール、児童ら組み立て 浜松・中部日本プラスチック
子どもの教育充実や廃棄物削減を掲げるSDGs(持続可能な開発目標)に呼応し、再生プラスチックを使い開発された組み立て式のサッカーボールがある。素材の一部を提供する中部日本プラスチック(浜松市東区)が寄贈活動と同時に、自社のエコ教育教室でこのボールを使った体験ワークショップを始めた。雪下真希子社長は「楽しみながらリサイクルやエコを学ぶきっかけになれば」と期待する。 名称は「マイフットボールキット」。3種類約50個のパーツを組み立てることで、直径約20センチの球体を完成させる。スポーツメーカーの「モルテン」(広島市)などが開発し、蹴り心地にもこだわったという。 一般発売はなく、取り組みに賛同
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出世升で至福の地酒を 家康と徳川四天王の家紋、レーザー彫刻 ハマヨシ産業、「大河」に合わせ発売
浜松市中区のハマヨシ産業は18日、アクリル製の升に、徳川家康と徳川四天王の家紋をレーザー加工機で彫刻した商品「家紋入り出世升」を発売した。来年の大河ドラマ放映に合わせて企画した。 1合用で5色(紫、緑、黄、青、赤)を用意した。家康の葵の家紋を升の底にほどこし、側面に酒井忠次、本多忠勝、榊原康政、井伊直政の四天王の各家紋を「葵の家紋を守るように配置した」(篠崎靖之社長)。 同社は、自動車関連工場向けの切削工具や、コンベヤーなど自動化用機器を扱う卸売業。新たな事業の柱として3年ほど前にレーザー加工機を導入し、現在はグッズの委託製造などを担う。 篠崎社長は「出世升に地元の酒蔵の日本酒を注いで
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ロボットやドローン研究 浜松城北工高生が成果発表
産官学で次世代地域産業の人材育成を目指す、文部科学省の「マイスター・ハイスクール」事業に本年度指定された浜松城北工高(浜松市中区)はこのほど、事業の一環で3年生の課題研究発表会を同校で開いた。機械、電子機械、電気、電子の各科から8チームが登壇し、ロボット技術など学習の成果を報告した。 地元のヤマハ発動機ロボティクス事業部、市、県教委が連携し、地元産業界のニーズが高まるロボット・デジタル人材を養成するのが狙い。7月からヤマハ発社員を「産業実務家教員」として迎え、生徒は助言を受けながら研究を進めた。発表会では、右腕の動きをトレースしたアームロボットや掃除ロボット、ドローンの研究など、各テーマを
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製造業の情報収集 就活準備セミナー ポリテク浜松の学生対象
静岡新聞社は16日、浜松職業能力開発短期大学校(ポリテクカレッジ浜松)の学生を対象にした「静岡新聞就活準備セミナー」(同校共催)を浜松市南区の同校で開いた。1年生を中心に約80人が県内外24社のブースを巡って情報収集し、就職活動に向けて意識を高めた。 企業から活発な求人が寄せられる中、幅広い情報を得た上で就職先を選択してもらうのが狙い。自動車や楽器メーカー、輸送機器部品、半導体製造関連企業などが出展し、採用担当者が事業概要や製品、働き方などについて説明した。学生はメモを取りながら熱心に耳を傾けた。 電気エネルギー制御科の女子学生(19)は「将来は電気自動車(EV)に関わる仕事がしたい。社
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スズキ、Vストローム3機種初披露 国内でも順次投入へ
スズキは13日、二輪「V―STROM(ブイストローム)」の愛好家ミーティングを浜松市南区の本社で開き、日本国内未発売の3機種を初めて披露した。鈴木俊宏社長は、いずれも順次国内で発売する考えを示した。 Vストロームはオンロード、未舗装路を含む幅広い走行シーンに対応したアドベンチャーバイクで、“クチバシ”状のフロントフェンダーなどが特徴。2002年に海外で発売し、シリーズ累計で約44万台を販売した。 この日は、23年から欧米を中心に発売予定の1000cc級「V―STROM 1050DE」、800cc級「同800DE」に加え、インドで発売済みの250cc級「同SX」を展
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サイバー攻撃対策学ぶ 浜松商議所、中小企業向けに研修会
浜松商工会議所はこのほど、巧妙、悪質化するサイバー攻撃に備えるため、中小企業向けの情報セキュリティー基礎研修を浜松市中区の同商議所で開いた。専門家が講師を務め、製造や福祉、サービス業など幅広い業種から約50人が受講した。 参加者は、深刻化するサイバー攻撃の現状、被害影響が自社だけでなく取引先まで波及する可能性などを学び、セキュリティーレベル強化の必要性に意識を高めた。ウイルス対策やデータのバックアップ体制など25のチェック項目を通じて対応力を“見える化”する診断も行い、自社の現状を確認した。 研修は浜松地域イノベーション推進機構次世代自動車センター浜松と共催した。
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着物文化を発信 民族衣裳普及協会、浜松・中区でショー
全国で伝統の着物文化の普及に取り組む民族衣裳文化普及協会はこのほど、公開講座「女性文化大学」の一環で、きものショーを浜松市中区のあいホールで開いた。同市では初開催。三河静岡支部の教室生や講師らが華やかな着物の装いを披露したり、着付けを実演したりして魅力を発信した。 音楽の街にちなみ、ショーのテーマは「世界に誇るきものの詩(うた)」。ピアノやしの笛の生演奏をバックに、七五三や十三参り、留め袖、はかまなど多様なシーンに合わせた装いや、創作帯をほどこした振り袖姿などをステージで披露。花嫁衣装の着付けの実演も行った。 同支部の中川岳子講師は「日本伝統の着物を後世に伝えたい。大いに着物を着てほしい
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スズキ リンス選手Ⅴで有終 二輪レース「MotoGP」撤退
スズキはスペイン・バレンシアで6日開かれた二輪車のロードレース世界選手権「Moto(モト)GP」今季最終戦を終え、ワークス(メーカー)チームとしての参戦から撤退した。1974年の初参戦以降、名選手を擁して世界中のファンを沸かせてきた。今後は脱炭素やEV(電気自動車)シフトなど自動車業界の大変革期に対応し、各社がしのぎを削る次世代技術開発に経営資源を振り向ける。 最終戦はアレックス・リンス選手(26)がマシン「GSX―RR」を駆って終始トップで走行。今季2回目の優勝を果たし、有終の美を飾った。ワークスの「チームスズキエクスター」の全20戦終了時の総合成績は6位。モトGPとともに終止符を打った
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電動小型モビリティの開発強化 デイトナ 2024年の新商品販売目指す
デイトナ(森町)は二輪アフターパーツ用品以外の収益の柱となる新規事業の一環で、電動小型モビリティの開発を強化している。参入済みの電動アシスト自転車に加え、新たに時速20キロ未満の電動キックボードタイプの製品開発に着手した。法改正により、免許なし(16歳以上)の公道走行が可能になる2024年ごろをめどに、製品販売を目指す。 試作段階中だが、23年の半ばにテスト販売を始める方針。同社は12年から電動アシスト自転車を展開し、現在は折り畳み機能とスタイリッシュなデザインが特徴の4種類を販売している。ただ、体力がなくバランスが取りにくい高齢者には手が出しにくい面がある。このため、開発中のモビリティ
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軽EVの開発技術解説 浜松で日産技術者が講演
浜松地域イノベーション推進機構次世代自動車センター浜松(浜松市中区)はこのほど、次世代自動車の技術動向講演会を同区で開いた。脱炭素化が加速する中、日産自動車の技術者で、環境負荷低減や経済性で注目される軽EV(電気自動車)「サクラ」のパワートレイン開発を担う辻俊孝氏が基調講演し、コンセプトや技術開発の特徴を解説した。 辻氏は、サクラを同社EVのエントリー普及モデルと紹介。「リーフ」の開発技術を活用し、滑らかで力強い加速と高い静粛性を実現したほか、20キロワット時のリチウムイオン電池を床下に搭載して広い室内空間を確保した試みなども説明した。 地元に拠点を置くスズキも軽EV開発を加速している。
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農業経営向上へ意見交換 静岡県西部で担い手サミット初開催
静岡県認定農業者協会はこのほど、「第1回ふじのくに農業担い手サミットin西部」(県農業振興公社共催)を浜松市内などで開き、先進的経営を行う農業生産法人などの視察や情報交換を行った。2019年12月に静岡県で開かれた「第22回全国農業担い手サミットinしずおか」の成果継承に向けて初開催した。 「他者の経営を学ぶ」をテーマにした現場視察は約90人が参加し、御前崎市から湖西市まで計6コースに分かれて計18経営体を視察した。荒廃農地の再生を図りながらブロッコリーやトウモロコシを生産するグリーンフィールド浜松(浜松市浜北区)では、鈴木雅清代表が実績や作業計画などを数値、表で「見える化」する取り組みを
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津川さん(磐田東高)最優秀賞 ロボットアイデア甲子園 西部大会
FA・ロボットシステムインテグレータ協会は29日、高校生を対象にした「ロボットアイデア甲子園静岡西部大会」(日本設計工業共催、静岡新聞社・静岡放送後援)を浜松市中区のアクトシティ浜松で開いた。最優秀賞に選ばれた磐田東高2年津川慶慈朗さんと優秀賞の浜松未来総合専門学校1年小久保駿さんの2人が、来年1月に大阪市内で開かれる全国大会に出場する。 8月のロボット見学会に併せて実施した事前審査を通過した10人が、農作物管理、ごみ回収、横断歩道の旗振りなどをテーマに産業用ロボット活用策を発表した。 最優秀の津川さんの企画は「救助者補助ロボット~サガスネーク」。災害現場で働く救助者のリスク軽減を目的に
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スズキ相良工場拡張 静岡県、牧之原市と3者協定締結 次世代技術開発を加速
スズキは28日、次世代モビリティの研究開発機能強化を目指す相良工場(牧之原市)の拡張計画に関連し、西側隣接地の用地造成に関する基本協定を静岡県、同市の3者で結んだ。スズキは約140億円を投じて県が造成する工業用地約47ヘクタールを取得し、電気自動車(EV)や自動運転など次世代技術開発を加速する。鈴木俊宏社長は「大変革期の中、CASEや脱炭素対応など、全方位で将来に向けた開発を進める」と強調した。 相良工場はスイフトなど小型四輪車の生産だけでなく、四輪テストコースが配置され、本社とともに研究開発機能を担う。スズキによると、新たな取得予定地では、走行性能評価など次世代モビリティの試験設備などを
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千博産業 制振事業を分社化「エヴォルツ」 住宅用装置を拡販
アルミ建材販売の千博産業(浜松市中区)は26日までに、販売が伸長している制振事業部門を分社化した新会社「evoltz(エヴォルツ)」(同)を設立した。営業拠点を拡充し、主力の木造住宅向け油圧式制振装置を全国の中小住宅会社に拡販する。 新会社設立は4日。千博産業は地震の際に建物の揺れを抑える制振分野に着目し、2008年から独自商品の開発販売をスタートした。15年から扱っている制振装置は、鉄製の長さ2・2メートル、直径約5センチで、柱と柱の間に斜めに設置するタイプ。サスペンションメーカー「ビルシュタイン社」(ドイツ)に製造委託し、小さい揺れの段階から効果を発揮するのが特徴だ。来年5月には、エネ
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スズキ相良工場拡張 静岡県、47ヘクタール用地造成へ
静岡県は24日、スズキがEV(電気自動車)や次世代モビリティの研究開発強化のために計画を公表している相良工場(牧之原市)の拡張予定について、工場西側の隣接地約47ヘクタールで用地を造成すると発表した。28日にスズキ、牧之原市の3者で基本協定を締結する。 県企業局によると、同市萩間地区で、企業と地元自治体の要請を受けて手がけるオーダーメード方式で造成する。県の工業用地開発では最大規模。事業期間は10年程度で、概算事業費は民有地を主体とした土地取得や造成工事の費用など約140億円を予定する。市は用地に関連する事務を担う。造成完了後にスズキに引き渡す。 スズキの国内工場で最大規模の相良工場は、
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ロック・フィールド 冷凍食品に本格参入へ 磐田拠点の総菜大手
磐田市に生産拠点を置く総菜大手ロック・フィールド(本社・神戸市)は11月1日から、新たに立ち上げた冷凍食品ブランド「RFFF(ルフフフ)」の商品販売をオンラインショップで始める。生活スタイルの変化やコロナ禍の巣ごもり需要で伸長する冷凍食品市場に本格参入し、ニーズを捉える。 ロック・フィールド・フローズン・フーズの頭文字を取った新ブランドのラインアップは魚介、肉、グラタン、パスタ、スープ、揚げ物の6分野で約30種類。中心価格は800~900円台。同社は「素材選びや調理工程などこれまでのチルド料理で培ったノウハウを生かし、高品質で本格的な味わいにこだわった冷凍食品を提供する」としている。磐田市
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スズキ 富士宮のバイオマス発電に出資 知見をインド事業に活用へ
スズキは21日、牛ふんを利用したバイオマス発電事業を展開する富士宮市の合同会社「富士山朝霧Biomass(バイオマス)」に出資したと発表した。出資額は非公表。スズキは出資を通じて同社から得る知見を、進出先のインドで始めた牛ふんに含まれるメタンから自動車用燃料の精製を目指す実証事業に生かす。 富士山朝霧バイオマスは、地元の酪農家や農家から回収した牛ふんを発酵させてバイオガスを精製し、同ガスを燃料に朝霧バイオマス発電所で発電する。経済産業省のFIT(固定価格買い取り制度)認定を得た上で、本格稼働と売電を予定している。発酵の過程で生じる消化液も有機肥料として販売する。2021年に設立された合同会
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記者コラム「清流」 新戦力への期待
本年度の新卒学生の内定式は、ウィズコロナに対応して対面方式に戻す傾向が目立った。授業や面接もオンラインに慣れた学生たち。取材した県西部の企業では、緊張の表情ながら、同期との出会いを喜ぶ姿が印象的だった。 就職活動ではリモートワークや一部大手が進める週休3日といった新しい働き方、会社の将来性など、多様な情報が入ってきただろう。選択肢が広がる中、学生は目的意識を持って地域の企業を選んだ。企業側は学生の不安を取り除き、入社意欲をさらに高めるフォローの工夫が求められる。 人口減少社会を担う新戦力への期待は大きい。若手が有するデジタルへの対応力と“先輩”社員の経験と実績。直
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新築工事現場、間近に 中区で親子見学会 浜松
浜松建設業協会は15日、親子で建設業の役割に理解を深めてもらう現場見学会を浜松市中区元城町で開いた。同市と湖西市の小学生と保護者約50人が参加し、浜松いわた信用金庫新本部棟と大河ドラマ館の2カ所の工事現場を巡った。 来年秋に完成予定の浜松いわた信金新本部棟では、地上10階建てビルの4階にエレベーターで上り、工事の進捗(しんちょく)や規模を体感した。専用の機材を使って床などに基準線を付ける作業「墨出し」も一部体験した。工事関係者から、安全確認を徹底した上での高所作業車やフォークリフトの稼働、地震発生時に機能する免震装置などの説明を受け、積極的に質問する児童の姿が見られた。 市立新津小3年の
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子どもの食を支援 浜松いわた信金笠井支店 食品560点を寄付
浜松市東区の浜松いわた信用金庫笠井支店はこのほど、地元で子ども食堂を開くNPO法人サステナブルネット(中区)に、地域の催しで集めた、家庭で余った食品類160種約560点を寄付した。同支店で贈呈式を開いた。 東区内で9月末に開催された特産品販売「手づくりにぎわい市」で支店ブースを設け、回収した。事前の支援呼びかけに賛同した来場者が、カップ麺やレトルト食品、缶詰、菓子などを持ち寄った。同NPO法人はひとり親家庭支援の子ども食堂を長上協働センター(同区)で月2回開き、食品も希望者に提供している。同NPO法人の渡辺修一理事長は「コロナ禍で利用者が増えている。多様な種類の食品があるのはありがたい」と
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静岡人インタビュー「この人」 一般社団法人「森林健康経営協会」代表理事 浅沼宏和さん(浜松市中区)
カーボンニュートラル社会の実現に向けて、企業と森を結びつけ、健康で持続可能な森づくりを目指す。地元の林業家などと7月に団体を設立し、活動を始めた。自身は税理士で経営コンサルタント。59歳。 ―協会の活動の目的は。 「日本の国土の約3分の2は森林。水源涵養(かんよう)や木材供給源など多面的な役割があるが、適切に管理が行われていない森林が増加し危機にある。協会の目的はより小規模な森林と、そのエリアに拠点を置く中小企業などがつながるプラットフォームを構築し、企業が身近に森の健康づくり活動に関わる。街と森をつなぎ、地域コミュニティーの土台をつくる」 ―具体的な取り組みは。 「温室効果ガス排出
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1928年建築 静銀浜松営業部で演奏会 浜松市立高吹奏楽部
浜松市中区田町の静岡銀行浜松営業部は7日夜、音楽の街の発展と中心街の活性化を目的にしたライトアップコンサート「威風堂々」を、市の有形文化財に指定されている同営業部本館で開いた。市立高吹奏楽部が出演し、重厚感ある歴史的な建物内で迫力の演奏を響かせた。 ロック調を取り入れた「威風堂々」やコンサートマーチ「風薫る五月に」、松田聖子さんヒットメドレーなど幅広いジャンルの楽曲を奏でた。ダンスを披露しながらの行進曲演奏も好評だった。 本館は1928年の建築。市民ら約40人と部員の保護者らが来場し、若々しい吹奏楽の音色に聞き入った。 コンサートは20回目を迎えた。市内で8日開幕する「やらまいかミュー
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西部中小DI5・4ポイント改善 7~9月期 二輪回復が寄与
しんきん経済研究所(浜松市中区)が5日発表した県西部地域の中小企業景気動向調査によると、7~9月期の全産業ベースの業況判断指数(DI)はマイナス19・4で、前期(4~6月期)に比べ5・4ポイント改善した。原材料価格高騰の影響を大きく受けながらも、6四半期ぶりにプラスに転じた二輪関連など製造業の業況改善が寄与した。 調査は9月1~7日に行い、中小626社が回答した(回答率95・1%)。 業種別では製造業が8・9ポイント改善し、マイナス14・5。大手取引先の受注が回復傾向の二輪は25・6ポイント上昇し、3・8となった。自動車は半導体不足の影響長期化もあり、ほぼ横ばいのマイナス30・4。4~6
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マックスバリュ東海 純利益5%減 8月中間、エネルギー高騰響く
マックスバリュ(MV)東海が5日発表した2022年8月中間連結決算は、コロナ禍の巣ごもり需要の落ち着きや水道光熱費上昇の影響で、経常利益は前年同期比10・9%減の45億8200万円、純利益は5・5%減の29億4千万円と2年連続の減益だった。 売上高に当たる営業収益は1735億9千万円。会計基準変更のため前年同期との比較はないが、既存店の売上高は1・8%減だった。総菜や弁当などデリカ分野は好調だったが、農水畜産の生鮮食品が伸びなかった。 エネルギー価格の高騰により、水道光熱費は前年同期比約10億円増と利益を圧迫。一方、構造改革の一環でキャッシュレスセルフレジ導入など業務効率化を推進し、約1
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「交通事故専門士」養成へ対応法指導 浜松・南区のNPOが講習会
NPO法人ジコサポ日本(小楠健志理事長)はこのほど、交通事故時の適切な対応をアドバイスする同法人認定資格「交通事故専門士」を養成する講習会(静岡新聞社・静岡放送後援)を浜松市南区の本部事務所で開いた。 同法人理事の石黒篤さんが講師を務め、弁護士監修のプログラムに沿い、法律や治療、修理、保険の分野で身につけておくべき知識や対応方法を指導した。警察への連絡や記録を残すといった事故直後の対応、けがの治療時の留意点、保険の種類や特徴などを解説。受講した市内の自動車整備工場の経営者らが、顧客から実際に受けた相談を踏まえて質問する姿が見られた。 2013年に交通事故専門士の資格を創設後、これまでに全
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巨大市場「手が届くEV」準備 鈴木俊宏社長に聞く【インド戦略、深化へ スズキ進出40年⑤完】
インド事業40周年の節目を迎えたスズキ。国土は日本の約9倍、人口は約11倍の巨大市場で、中期経営計画で示す「乗用車市場シェア50%以上」の継続的な獲得に何が必要か。鈴木俊宏社長に戦略を聞いた。 ―市場動向の変化にいかに対応するか。 「今はSUV、MPVなど(中大型)に需要が動いている。当社もSUVのラインアップを拡充中だ。ただ、EV(電気自動車)化が進めば、価格的に見て、また小型車に戻るのではないか。その時に備えてしっかりと小型EVを準備する。地場メーカーなどのEVが売れ始めているが、インドで今後、EV化がうまく進行するか不安もある。インフラ準備が整わない中、普及はまだクエスチョン(疑問
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SDGs支援投融資 30年度1750億円に拡大 浜松いわた信金
浜松いわた信用金庫は30日、気候変動の影響による財務情報開示を積極的に進める「TCFD提言」に賛同を表明し、脱炭素社会実現に向けた目標数値や取引先支援内容の開示を充実させると発表した。2030年度までの目標値は、CO2排出量を13年度比で46%減らし、持続可能な開発目標(SDGs)支援関連の投融資「サステナブルファイナンス」の累計目標実行額を22年度の183億円から1750億円に拡大するとした。 製造業のEV(電気自動車)化の技術革新対応や、予想しない自然災害発生が与える取引先中小企業や地域産業への影響をリスクとして想定。コンサルティング、ファイナンス、マッチングの3本柱の支援を進め、中小
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シェア50%回復へ 「生命線」次代見据え積極投資【インド戦略、深化へ スズキ進出40年④】
グジャラート州ガンディナガルの国際会議場で8月28日に行ったスズキのインド事業40周年記念式典。「国交樹立70周年を迎えた日印の強固な経済関係の象徴」。壇上の鈴木修相談役と来賓のモディ首相が固い握手を交わすと、会場は大きな拍手に包まれた。 インド事業は1982年、国営企業マルチ・ウドヨグ社(現マルチ・スズキ)と四輪合弁生産の基本合意を経て始まった。首都ニューデリー近郊グルガオンの工場建屋は当初、屋根や柱など基礎構造があるだけで、サルもすむ荒野だった。「本当にここで車を造るのか」。マルチ・スズキ初の日本人社長で、草創期を支えたOBの一人中西真三さん(74)=浜松市=は当時の心の内を明かす。た
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遠鉄電車 全線で運行再開 架線断線の復旧終了
遠州鉄道は28日、浜松市東区で27日に発生した遠鉄電車の架線断線の復旧作業を終え、全線で始発から通常運行を再開した。 同社によると、27日午後5時50分ごろ、自動車学校前駅北側で架線のうちの一部が切れ、一時は全線で運行を見合わせたが、同11時台までに順次復旧を進めた。同社が断線の原因を調査している。 この影響で計51本が全面または部分運休し、約6千人に影響した。最大で計19台の代行バスを運行し、乗客輸送に対応した。
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「日本のなぜ?」調査解説 外国人が学習成果を発表 浜松
浜松市外国人学習支援センターは27日、定住外国人を対象にした日本語初級クラスの学習者によるプロジェクトワーク発表会を西区の同センターで開いた。参加者はゼロレベルから半年間学習したベトナムとフィリピン出身の10、20代の3人。関心を持った日本の生活文化について学習支援者らにアンケート調査し、結果から得た気づきなどを日本語で披露した。 ベトナム出身のミナミ・ハイフォンさんは、日本人が旅行を好む背景について「リフレッシュや多様な経験をしたいとの思いがある」と分析。日本の街がきれいでごみが少ない点を調べたフィリピン出身のクリスチャン・マリナイさんは「きれい好きで子供の頃から家や学校でルールを教えら
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ナブテスコ浜松工場着工 生産自動化9割目指す
ナブテスコ(本社・東京)は26日までに、需要が拡大する精密減速機の生産拠点となる浜松工場(浜松市北区都田町)の建設に着手した。2023年10月稼働予定。国内外3カ所目の生産拠点で、最大規模。30年までに拡張して年産120万台とする計画実現に向け、自動化率90%のスマート生産工場化を図る。ニーズの高い機種に絞って大量生産を進め、製造効率を高める。 浜松工場では材料受け入れから加工、組み立て、出荷までを一貫して行う。生産状況の見える化やデータ解析を蓄積し、予測に基づいて生産することで需要の変動に柔軟な対応が可能になるという。 高い剛性や耐久性を強みとする自社製品技術を工場内や建設時にも活用す
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ドイツの大学研究員 浜松の楽器店を視察 日本の老舗に興味、継承の経緯や思い聞く
ドイツのヴィッテン・ヘルデッケ大学の女性研究員ジグルン・カスパリさん(56)が22日、ファミリービジネス(創業一族による経営)研究の一環で、明治期に創業したとされる浜松市中区の「菊岡楽器店」を視察した。5代目の女性店主菊岡真知子さん(74)に継承した経緯や店の経営に対する考え方などを直接聞き取った。 日本は創業から100年以上の“長寿企業”が世界各国に比べて多いとされる。カスパリさんは企業の名やブランドを守り維持する日本独特の家業文化やその背景に注目。ファミリービジネスや企業史に詳しい静岡文化芸術大の曽根秀一教授(45)との共同研究を希望し、約1カ月間、同大客員研究
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奨学生新たに46人 スズキ教育文化財団
スズキ教育文化財団(理事長・鈴木俊宏スズキ社長)は19日、本年度の奨学生認定証授与式を浜松市中区で開いた。新たに高校生40人と大学生6人の計46人を奨学生認定した。 鈴木理事長は高校生と大学生の奨学生代表に認定証を手渡し、「浜松の『やらまいか』の精神で多くの挑戦に貪欲に取り組み、将来皆さんの力を社会で生かしてほしい」と呼び掛けた。 対象は経済的な理由で学業に専念できない県内の高校生、県内の高校を卒業した大学生。高校生には月額2万円を3年間、大学生には同5万円を4年間それぞれ給付する。返済は不要。 同財団は2000年にスズキの創立80周年記念事業で、グループが基金を寄託して設立した。22
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愛されたゾウ「ハマコ」 浜松市動物園に献花台「さみしいよ」
浜松市西区舘山寺町の市動物園は17日、15日に死んだ雌のアジアゾウ「ハマコ」(推定51歳)を追悼する献花台を同園ゾウ広場に設けた。「長い間ありがとう」「さみしいよ」。開園直後から市民や親子連れなどが次々に訪れ、花や好物のリンゴを手向けて冥福を祈った。献花台は当分の間、設置するという。 ハマコは1972年3月に動物園に入り、現在地に移転後を含め約半世紀にわたって来園者に愛された。生前の写真とともに設置された献花台には、花とともに、手紙や子供が色鉛筆で描いた絵も添えられた。 子供のころ、写生大会でよく訪れたという同市中区の自営業藤田寛さん(48)は「最近デッサンに来て、昔の記憶のままと思った
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長寿祝う 浜松で3年ぶり祝寿会
浜松市中区の高齢者の長寿を祝う「祝寿会」が17日、浜松市のアクトシティ浜松で開かれた。60回目で、コロナ禍による中止を挟んで3年ぶりの開催。午前、午後と2回に分けて75歳以上の約790人が出席した。 鈴木康友市長は「いつまでも元気で、地域で生き生きと活躍されることを祈念します」とあいさつ。本年度米寿を迎える同区の1394人を代表し、計4人に壇上で祝い金を贈呈した。演芸会には歌踊演舞一座「響ファミリー」が登場し、絢爛(けんらん)なショーで会場を盛り上げた。 祝寿会は同市中区の自治会の一部で構成する実行委が主催した。小中、大学生らがボランティアで運営に参加した。
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記者コラム「清流」 国際交流 自身の言葉添えて
仕事で外国人に取材する機会があり、英語の通訳者にお世話になった。会話を単にそのまま訳すのではなく、文脈を補い、相手側に伝えようとする姿勢が印象的だった。 今は母国語を多様な言語に高精度に翻訳できるアプリや専用機器が増えた。行政窓口や海外旅行先で第1段階のコミュニケーションツールとして活用でき、言葉の壁のストレスも和らぎそうだ。ただ、頼り切りではなく、その行間を埋める生身の言葉の力も、国際交流や共生に欠かせない。 新型コロナの水際対策が緩和され、観光地では外国語で案内する通訳やボランティアが受け入れ準備を進めている。訪日客と日本をつなぐ懸け橋。コロナ下の緊張を解くその人ならではの一言と、も
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記者コラム「清流」 ビーガンレザーでSDGs
自動車内装材メーカーの共和レザー(浜松市)がこのほど開発した合成皮革は、長野県の自治体などと連携して廃棄予定のリンゴの搾りかすを原材料に活用している。動物由来の素材を使用しない「ビーガンレザー」で秋以降にバッグなどに製品化されるという。 普段仕事で持ち歩くバッグは、愛着はあるのにすぐボロボロになる。消耗品と割り切り、扱いも雑になるから悪循環だ。今回のビーガンレザーは、リンゴという誰もが知る素材の有効活用に加えて、高い耐久性が求められる自動車用シートの製造技術力を応用した点で注目を集めそうだ。 身近な製品の成り立ちを原材料から知ることは、ものを大切にする意識醸成につながる。SDGs(持続可
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環境配慮型オフィス見学 浜松で社会貢献講座 児童がSDGs学ぶ
浜松市市民協働センターはこのほど、小学生対象の社会貢献講座を同市中区の建設業「常盤工業」で開いた。全4回講座の2回目。4~6年生5人が参加し、SDGs(持続可能な開発目標)を推進する同社の環境配慮型オフィスを見学した。 1月から運用開始したオフィスは二酸化炭素(CO2)削減や省エネ実現へ、地元の豊富な地下水や日照、風などの自然エネルギーを積極的に取り入れた構造。社員の高橋脩夫さんが講師を務め、エアコンを使わなくても地下水を活用して社内を冷やすシステムや天井からの自然採光、屋上緑化など省エネと快適性にこだわった社屋づくりの工夫を説明した。 市立東小4年の高橋一颯君は「電気自動車(EV)で蓄
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ロボットの新活用法は? アイデア甲子園へ高校生見学会 浜松
FA・ロボットシステムインテグレータ協会は23日、新たなロボット活用の発想を競う「ロボットアイデア甲子園」に向けた県西部大会見学会(静岡新聞社・静岡放送後援)を浜松市北区の日本設計工業で開いた。2日間の日程で県西部の高校生約100人が参加し、ロボットの特性に理解を深めながら新たな活用法を考案した。 同社の名倉慎太郎社長がロボットが持ち合わせるセンサー、駆動、知能の3要素を説明し、効果的に動かして生産性を高める仕組みを構築する「システムインテグレータ」の役割を強調した。生徒は製造現場で使われる産業用ロボットの動きや性能を見学し、世の中に役立つロボットの活用法や価格設定などをイメージ図とともに
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家業後継者らネットワークづくり 浜松で動き 交流の場、変革へ悩み共有「勇気づけられた」
創業100年を超える“長寿企業”が世界各国に比べて多いとされる日本。デジタル化など激変する社会の中で急成長するスタートアップ(新興企業)が注目されがちだが、家業を受け継ぎ、地域経済を支える企業も欠くことができない存在だ。こうした家業の後継者や承継予定者によるネットワークづくりが浜松市で始まっている。特有の悩みの共有や時代に合った社業変革への意識向上につなげるのが狙いだ。 「自分が何とかしなくてはと腹をくくったが、縛られていいのかとの葛藤がある」「経営のベースとパーツがあり、起点にできるのは家業の強み」。 8月上旬、同市中区で自動車部品製造や養蜂、食品、繊維、不動産
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9月のブラジルデーPR 日伯交流協会例会で総領事 浜松
在浜松ブラジル総領事館のガルシア・アウデーモ総領事が19日、浜松市中区で開かれた日伯交流協会の例会で、9月3、4の両日、市ギャラリーモール・ソラモで開く音楽文化イベント「ブラジルデー浜松」(同総領事館主催)をPRした。 ブラジル独立200周年(9月7日)を記念し、ブラジル、日本両国のアーティストら約40人が参加を予定している。ガルシア総領事は「ブラジル人が約1万人居住し、地理的にも東京、大阪の真ん中に位置する」と友好交流を促すイベントを浜松で開催する意義を強調。「成功すればぜひ毎年の開催を目標にしたい」と話した。企業への協賛協力も呼び掛けた。 同日の例会は、日系ブラジル人の法律問題や相談
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園児体感 バナナ一房、ずっしり ありたまこども園
浜松市東区のありたまこども園はこのほど、バナナをテーマにした食育の催しを同園で開いた。実物に触れながら、身近なバナナの生育過程に理解を深めてもらうのが狙い。4、5歳児30人が参加した。 “先生”はオーガニックカカオ事業を展開する「OCA JAPAN」(同市中区)のスタッフで、園児の保護者の村松光美さん。同社が沖縄県に販売拠点を持つ縁で、「銀バナナ」と呼ばれる沖縄産の栽培種を紹介した。高さ2~3メートルの木や花などを写真で示し、収穫直後で青々とした70本前後が実ったバナナの一房も披露した。 園児たちは一房の重さ約10キロのバナナを協力して持ち上げたり、小ぶりながら実
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新野球場周辺 開発規制緩和を 浜松商議所、市に要望
静岡県が浜松市西区の遠州灘海浜公園篠原地区で予定する新野球場整備に関連し、浜松商工会議所の斉藤薫会頭が12日、市役所に鈴木康友市長を訪ね、公園周辺の開発整備の規制緩和を求める要望書を提出した。 同公園周辺を地域振興の起爆剤となるエリアと位置付け、最寄りのJR高塚駅と野球場を結ぶ道路沿いの開発行為が円滑に進むよう規制緩和を求めた。周辺は市街化調整区域に当たる。斉藤会頭はにぎわい創出に向け「周辺でさまざまな商業活動ができるよう要望したい」と強調した。 同商議所元相談役の鈴木修スズキ相談役、会頭経験者の御室健一郎浜松いわた信用金庫会長、大須賀正孝ハマキョウレックス会長も同席した。鈴木市長は「東
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学んだ技術で即戦力に 浜松工高定時制生徒がインターンシップ 地元の製造業知る
浜松工高定時制の1~3年の生徒約20人が7月中旬から8月上旬にかけて、浜松市内の製造業6社でインターンシップ(就業体験)に臨んだ。浜松商工会議所との連携で本年度実施している在学中の工業教育の学びを生かした就労支援の一環。 設備メーカー榎本工業(同市北区)では2日間ずつ2回に分けて9人が参加した。自動機への材料の取り付けや加工後のバリ取り、検査の工程で、社員の指導を受けながら作業を体験した。小栗秀保執行役員生産本部長は「将来の成長へ若手人材を確保したい。まずは職場や仕事を知ってもらうことで働く動機になれば」と期待した。 参加した男子生徒(16)は「学校での説明会で関心を持った。アルバイト
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CO2吸収「見える化」 企業と林業家タッグ 浜松「森林健康経営協会」設立
カーボンニュートラル(CN)社会の実現に向け、浜松市の企業経営コンサルタントや林業家らがこのほど、一般社団法人「森林健康経営協会」を設立した。二酸化炭素(CO2)排出削減を進める企業とそのエリアの森林を結びつけ、「カーボン・オフセット」を支援する。CO2吸収や生物多様性を可視化する簡易な証明サービスの提供を検討中で、持続可能な森林づくりの一歩につなげる。 第1弾は自動車部品製造業を中心としたソミックマネージメントホールディングス(同市南区、石川雅洋社長)と連携する。協会理事で林業家前田剛志さん(47)が所有する観音山山麓の約2ヘクタールの「Kicoro(きころ)の森」(同市天竜区)で、ソ
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インボイス制度のセミナー参加募る 浜松商議所、22、29日
浜松商工会議所(浜松市中区)は22、29の両日開くインボイス制度と改正電子帳簿保存法の対策セミナーの受講者を募集している。それぞれ定員を当初の定員50人から200人に拡大した。 同市の税理士石塚啓治さんが講師を務める。22日は事業者が消費税納税額を正確に計算するためのインボイス制度(2023年10月導入予定)、29日は電子取引における電子データ保存が求められる22年1月施行の改正電子帳簿保存法の概要や留意点を解説する。 両日とも午後3時半から5時半まで。ビデオ会議アプリ「Zoom」を活用する。希望者は同商議所のホームページから申し込む。 問い合わせは、同商議所<電053(452)111
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洋上風力発電視野 遠州灘で海洋調査 都内企業、8月末まで
洋上風力専業のベンチャー「インフラックス」(東京都)は浜松市沖の遠州灘で、海洋調査を進めている。洋上風力発電を視野に入れた約2カ月間の調査で、8月末までを予定する。 調査は地元2漁協の了承を得た上で、シラス漁などの時間を避けて7月から開始した。計画面積は浜松、磐田両市境の天竜川河口沖から浜名湖の今切口沖まで約2万1千ヘクタールのエリア。漁船に設置したマルチビーム測深器による洋上からの深浅調査に加え、サイドスキャンソナーを使った砂、岩など海底面の画像を取得する。 8月からは1隻増やし、2隻体制に拡大した。取得したデータは鳥瞰(ちょうかん)図に落とし込み、事業可能性の判断に生かす。 政府は
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「ワゴンR」仕様変更 安全機能充実 スズキ
スズキは30日、軽乗用車「ワゴンR」シリーズの安全機能の充実を図るなど一部仕様を変更して発売する。ヘッドランプやフロントグリルに新デザインを採用した「ワゴンRカスタムZ」「同昇降シート車」を設定する。 安全機能面では「ワゴンR」「同スティングレー」「同昇降シート車」の全車に、夜間の歩行者も検知する「デュアルカメラブレーキサポート」を標準搭載した。一部を除き、車線逸脱抑制機能も備える。通信機能サービスの「スズキコネクト」にも対応する。 ワゴンRカスタムZはマイルド(簡易版)ハイブリッド車で、ターボ車も設定した。外観はフロント周辺に専用デザインを採用するなど、精悍(せいかん)さを表現した。全
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遠州織物の魅力発信 「武襯衣」発売10年 販売減課題、戦略再考も
静岡県と県繊維協会が西部の地場産品「遠州織物」を活用して開発、ブランド化した夏用衣類「武襯衣(むしゃ)」が発売10年を迎えた。綿や麻本来の風合いを生かした上質な質感など職人の高い生産技術の発信に貢献したとの見方がある一方、販売枚数は顕著な減少傾向。ブランドの継続には運営や販売戦略の再考が求められる。 男性夏用ウエアとして始動した武襯衣は、「サムライ」をコンセプトに扇子を納める専用ポケット(男性用限定)が付く。女性向けワンピースやシャツも登場し、若者イベント「TGC(東京ガールズコレクション)しずおか2019」への衣装提供を機に、女性作家らとのコラボレーションも活発化した。ラインアップはバッ
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沖田化成が新工場 生産能力2割増へ 浜松の本社工場隣接地
自動車部品などプラスチック射出成形加工の沖田化成(浜松市南区)はこのほど、本社工場隣接地に新工場を建設し、稼働した。投資額は約9億5千万円。増産要請に対応可能な態勢を整え、2025年までに生産能力を現行の2割増に引き上げる。 老朽化が進んだ同区内の長田工場を本社隣接地に移転集約した。用地を購入し、約5千平方メートルの敷地に一部2階建ての工場(延べ床面積約3680平方メートル)を整備した。 同社は自動車のシフトデバイスやハンドル内部の機構周辺の部品加工などを手掛ける。小型から大型まで多様な部品に対応する射出成形機を新工場を中心に追加や更新を含め59台備える。同社は「将来の事業承継を見据え、
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組織マネジメント 在職経験から語る 浜松で元トヨタ高田氏
浜松商工会議所は26日、トヨタ自動車の高級車「レクサス」のブランドマネジメント部長を務め、現在はブランディングのコンサルティング会社を営む高田敦史氏の講演会を浜松市内で開いた。高田氏は「トヨタで学んだカイゼンと改革」をテーマに、組織マネジメントのポイントについて語った。 高田氏はトヨタの歴史や企業風土に触れながら、「カイゼン」の名で世界的に知られる生産方式の根幹を解説した。「カイゼンは問題の認識から始まり、問題はあるべき姿と現状のギャップ」と説明し、あるべき姿のイメージを引き上げて改善と達成を繰り返すトヨタ式経営の強みの一端を明かした。グローバルで展開したレクサスのブランド戦略の体験談も披
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三島営業所を開設 一建設が静岡県東部初
飯田グループホールディングスの一建設(本社・東京)は28日までに、県東部初の拠点となる三島営業所を長泉町下土狩に開設した。本格稼働は8月1日。浜松、静岡の両営業所を合わせた3拠点体制で、同社主力の分譲戸建て住宅を中心に販促を強化する。 営業エリアを三島や富士、沼津、御殿場市などに広げる。2022年度は同社が県内全体で計画する分譲戸建てや注文住宅約300棟のうち、東部で約50棟の供給を目指す。 県内の21年度の住宅供給実績は約250棟。6月下旬に浜松市中区に県内初のショールームを設けた。
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ICTなど最新技術PR 浜松でフェア、130社・団体
浜松いわた信用金庫主催の産業展示会「第15回ビジネスマッチングフェア・イン浜松2022」(静岡新聞社・静岡放送後援)が27日、浜松市中区のアクトシティ浜松で開幕した。新型コロナウイルス禍の影響で、3年ぶりの通常開催。県西部の中小企業を中心に130社・団体が出展し、新産業・スタートアップ、ものづくり、ICTなど5分野で、製品や最新技術をPRする。28日まで。 ものづくりブースでは自動車部品の加工技術やロボットを使った省力化システムなどが並んだ。日本設計工業(同市北区)はコンベヤー搬送と人型ロボットを組み合わせた医療の検体自動仕分けシステムを提案。営業部門の山田光太郎次長は「省力化、効率化の潜
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プラごみ回収装置搭載の船外機生産開始 スズキ
スズキは27日までに、マイクロプラスチックごみの回収装置を標準搭載した船外機の生産を始め、国内外で順次発売すると発表した。搭載機種は「DF140BG」など中型船外機5種類。 船外機搭載用のマイクロプラスチック回収装置として世界で初めて開発。ボートの走行中に水面付近のごみを回収できる。2020年10月の発表後、国内外14カ国でモニタリング調査を実施し、改良を重ねた。湖西市の湖西工場で生産する。 海洋プラスチック問題に対応する同社の「クリーンオーシャンプロジェクト」の一環。
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「二輪」活況 コロナ禍で続く 静岡県内業界、一層の拡大期待
新型コロナウイルス下で、「密」を回避した移動やリモート生活による趣味の時間が注目され、二輪購入や免許取得の需要が続いている。かつてバイクに乗っていた人が、長年のブランクを経て再び乗り始めた「リターンライダー」や女性、若者など需要の裾野は広がりつつあり、二輪関連業界は市場のさらなる活性化に期待を寄せる。 6月下旬、浜松市東区の遠鉄自動車学校浜松校。「旅行で遠出をしなくなった。二輪免許を取ったら、風を感じながら海沿いを走りたい」。浜松市北区の女性会社員(20)が教習に励んでいた。 遠鉄自校が運営する系列3校の2021年度の二輪入校生は、19年度比52・5%増の1565人と大きく伸びた。女性割
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ペット葬、供養に特化 はまゆうの会が新ブランド「杜のしおん」
浜松葬儀のグループ会社「はまゆうの会」はこのほど、ペット葬や供養に特化したブランド「杜(もり)のしおん」を立ち上げた。浜松市東区半田山の同社事務所を拠点に、総合的な支援を進める。24日午前10時から午後3時に見学会を開く。 市内エリアが対象。希望者には環境に配慮したかご状の専用ひつぎを直接届ける。火葬プランは別れのセレモニーから拾骨まで家族が立ち会うケースと、同社に一任する2種を用意した。事務所内に納骨堂を設けている。 担当者は「家族としてペットを見送りたいとのニーズが増えている。葬儀社のノウハウを生かし、サービスを展開したい」と話す。 問い合わせは同会<フリーダイヤル(0120)12
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19地域ブランド 浜松・遠鉄百貨店に集結 25日まで
浜松市中区の遠鉄百貨店で22日、県内外19の地域発ブランドが出展する展示会「サンチノ」が始まった。衣類や雑貨、食など地域に根付いたものづくりの魅力を紹介する。25日まで。 同市西区のアパレルブランド「HUIS(ハウス)」は遠州織物のシャツやパンツなどを展示し、素材の風合いを生かしたしなやかな手触りの商品の魅力を紹介した。同市南区の家具制作「シュクレ浜松」は20~30年前の家具をリメーク・リペアしたたんすやソファを並べた。 福岡県の久留米絣(がすり)のもんぺ、三重県の伊勢木綿の商品、岐阜県の作家が制作した漆のアクセサリーなども注目を集めた。 今回で2回目。多くの来場者があり、各ブランドの
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スズキ奨学金認定証交付 静岡文化芸術大生7人に 浜松
浜松市のスズキ教育文化財団は22日、中区の静岡文化芸術大で学生に対するスズキ奨学金の認定証交付式を開いた。本年度は文化政策学部とデザイン学部の3年生計7人に各30万円を支給する。 財団理事長の鈴木俊宏スズキ社長の代理として、横山俊夫学長が学生一人一人に認定証を手渡し「皆さんは多様な分野で研さんを積んでいる。今後の活躍に役立ててほしい」と呼びかけた。 奨学生はそれぞれ抱負を語った。国際文化学科の西家由真さん(20)は「環境問題や地方創生など、これまで学んだ領域で関心が高まった分野の研究を深掘りしていきたい」と力を込めた。 2011年度にスズキと同大が共同でスズキ奨学基金として創設した。2
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生産能力120万台へ拡張 浜松進出のナブテスコ、2030年までに
精密減速機の生産工場を浜松市北区に整備しているナブテスコの藤原利也取締役常務執行役員は22日、2023年9月の工場完成後、30年までにさらに拡張し、年間生産能力を120万台体制にする計画を明らかにした。 同市内で開いた浜松商工会議所の講演会で述べた。工場の自動化率も高める考えで、藤原氏は「世界ナンバーワンのスマート工場を目指す」と強調した。 ナブテスコは中大型産業用ロボットの関節などに使用する精密減速機で、世界シェア約6割のトップメーカー。浜松工場は津市と中国・常州に続き、同社3カ所目の生産拠点となる。 既存2工場の生産は106万台(22年12月末見込み)で、今後の市場成長などを見据え
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情報開示誌作成 公開はHPのみに 浜松いわた信金
浜松いわた信用金庫(浜松市中区)は21日までに、経営内容をまとめた2022年版ディスクロージャー誌を作成した。本年度からホームページのみで開示する。 全55ページ。同信金の基本方針やバリューイノベーション(価値改革)を掲げた中期経営計画(19年度~23年度)の概要、21年度決算の概況、主な経営指標などを掲載した。
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リンゴ搾りかす活用「ビーガンレザー」 浜松の共和レザー開発
自動車内装材メーカーの共和レザー(浜松市南区)は21日までに、リンゴの搾りかすを活用し、植物由来の合成皮革「ビーガンレザー」を開発した。脱炭素や持続可能な開発目標(SDGs)推進に向けて原料の50%以上を植物由来とし、高い耐久性が求められる自動車シートなどの開発技術を応用した。 バッグや小物に製品化し、今秋以降に自社ブランドの電子商取引(EC)サイトで発売する。同社によると、ビーガンレザー生産は国内初という。 全国有数のリンゴ産地の長野県飯綱町と、搾りかすの有効資源化を目指すSORENA(長野市)と3者の官民連携プロジェクト。2月に本格的に開発をスタートした。 使ったのはりんごの酒の製
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記者コラム「清流」 再スタートの好機
10年ほど前、新しい趣味づくりの一環で、中国の伝統楽器の二胡に挑戦した。ピアノやギターよりも、演奏人口が少ない楽器の方が焦らずに取り組めると思ったから。ただ、練習時間がうまく確保できず続かなかった。 世界的楽器メーカーが立地する浜松市に赴任して、まちに音楽が息づいていると実感する。JR浜松駅新幹線構内展示スペースに置かれているピアノからはいつも優雅な音色が聞こえる。古典から現代まで世界の楽器が並ぶ博物館は世代を超えた来館者でにぎわう様子を見た。ジャズなど音楽の催しも多い。 そんな光景に後押しされ、楽器に再挑戦したい気持ちが高まっている。これまで個人で愛好するものと考えてきたが、継続には仲
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メセナ静岡が浜松で演奏会 協奏曲など6曲披露
NPO法人音楽の架け橋メセナ静岡(静岡市葵区)は10日、「音楽の贈りものコンサート」(静岡新聞社・静岡放送後援)を浜松市中区の市地域情報センターで開いた。同市天竜区を拠点に活動するフェリーチェ合奏団の10人が出演し、協奏曲など6曲を披露した。 演奏曲目はコレッリの合奏協奏曲やバッハのオーボエ協奏曲など。バッハの楽曲では、存在感あふれるオーボエの独奏に合わせて、バイオリンやチェロなどが美しいハーモニーを響かせ、聴衆を魅了した。
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汚れに超音波振動 ASTI、清掃ノズルを開発
ASTIはこのほど、超音波技術を活用した清掃器具を発売した。毎秒2万8千回の超音波振動で、微細な汚れを落としやすくする。清掃事業者や宿泊施設など幅広い業務需要向けに販促する。 受託製品以外の収益事業化を目指した自社ブランド開発の一環。商品名は「ラベラス ウルトラソニック クリーナーノズル」。掃除機に同ノズルを取り付け、ヘッド部を汚れに当てて使用する。 乾式、湿式の両タイプをそろえた。乾式はじゅうたんやカーペットに絡まった粉じんを吸引しながらたたいて浮き上がらせ、ダニなどアレルゲン物質の残存率を下げる。湿式は水を塗布して振動を当てると発生する「キャビテーション」(真空爆発)を介して汚れを分
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海外販路開拓支援へオンライン商談会 浜松いわた信金など開始
浜松いわた信用金庫は7月から、中小企業の海外販路開拓を支援するオンライン食品輸出商談会を始めた。県中西部の食品関連15社が参加し、22日までに香港やタイ、シンガポールを拠点にする海外バイヤーや国内輸出商社と計34件の商談を予定している。しずおか焼津信金、浜松市などとの共催。 7日に商談に臨み、輸出拡大を目指す中部の食品加工会社の担当者は、高所得者層などをターゲットにする香港のバイヤーに商品の特徴や味わい方などをアピールした。画面を通じて信金中金香港駐在員事務所と両信金職員がサポートした。 バイヤーによると、香港では富裕層などのコロナ禍の巣ごもり需要で品質の高い日本食材の需要が伸びた。規制
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パラスポーツの力感じて 池崎選手(車いすラグビー)講演
静岡県作業療法士会はこのほど、第35回県作業療法学会(静岡新聞社・静岡放送後援)の市民公開講座を浜松市中区のアクトシティ浜松で開いた。東京パラリンピック車いすラグビー競技で銅メダルを獲得した池崎大輔選手(三菱商事)が「夢への挑戦」と題して講演した。 池崎さんは車いすがぶつかり合う競技の特徴や日々の厳しいトレーニングを紹介。リオパラリンピックに続く銅メダルとなった東京大会に触れ、「機能回復など多くの方のお世話になって舞台に立っている。悔しさもある。進化を続けて、次こそ金メダルを」と2024年のパリ大会を目指す強い思いを口にした。 池崎さんは「車いすラグビーは転んでも強い気持ちで何度も相手に
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西部中小DI改善 非製造業が回復 4~6月期
しんきん経済研究所(浜松市中区)がこのほど発表した県西部中小企業の4~6月期業況判断指数(DI)は、全産業ベースでマイナス24・8と、前期(1~3月期)比3・4ポイント上昇と2四半期ぶりに改善した。半導体不足などで製造業が停滞する一方、新型コロナのまん延防止等重点措置解除に伴う経済活動の再開で、飲食レジャーや小売業などの非製造業が押し上げた。 業種別は、製造業全般が0・4ポイント改善のマイナス23・4と足踏み状態。原材料価格の度合いを示すDIは73・9と7四半期連続上昇で高騰が続く。アジアと関連が深い二輪車は中国・上海のロックダウンが響き17・7ポイント悪化。一方、四輪は停滞していた生産再
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乗り慣れた軽で高齢者講習 遠鉄自動車学校が拡充
遠鉄自動車学校(浜松市東区)は6日、運転免許を更新する70代以上に義務付けられている高齢者講習向けに、スズキの軽自動車「ワゴンR講習車」の導入を拡充した。同日は袋井校(袋井市)と中部校(焼津市)に2台ずつ追加し、計8台体制とした。小回りが利く軽自動車に乗る高齢運転者が増える中、普段乗り慣れた車で受講してもらう。 ワゴンR講習車は、指導員が乗る助手席側に補助ブレーキや補助ドアミラー、運転席足元ランプなどの専用装備を付加し、開けた視界で運転がしやすい。遠鉄自動車学校が2020年10月に開設した「高齢者講習センター」(浜松市東区丸塚町)で同車両4台を試験導入したところ、受講者ニーズが高かったとい
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外国人材と企業つなぐ 浜松国際交流協会 ニーズ聴取、生活支援
開設3年目を迎えた浜松国際交流協会(HICE)の「外国人雇用サポートデスク」が、高度な知識や技能を持つ高度外国人材の受け入れ企業の開拓に注力している。2020、21年度で計13人を正社員として新規事業や次世代事業に挑戦する企業と結びつけた。求職の希望は市内外から増加傾向で、裾野を広げて外国人求職者とのマッチング促進を目指す。 スリランカ出身男性のサミーラ・アッタナーヤカさん(33)は21年7月、サポートデスクを介して屋根の補修や塗装事業を手掛ける「トヨコー」(富士市)に就職し、浜松市のオフィスで働く。 母国の大学で研究した腐食(さび)分野の仕事を求め、留学先でもある浜松で転職を希望。光
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浜名湖花博 24年3月~6月開催 花や緑とテクノロジー融合
静岡県は4日、2024年に浜松市内で開く浜名湖花博20周年記念事業実行委員会(会長・川勝平太知事)を設立し、第1回総会を浜松市中区の浜松商工会議所で開いた。基本構想で開催期間を同年3月23日から6月16日までの86日間とし、テーマに「人・自然・テクノロジーの架け橋~レイクハマナデジタル田園都市」を掲げた。04年のイベントで定着した県民の花や緑への高い関心を引き継ぐとともに、先端技術を融合した事業を目指す。 浜名湖ガーデンパーク、はままつフラワーパークを拠点に、庄内半島など浜名湖一帯を対象エリアとする。2拠点の集客目標は計90万~95万人。開催テーマのテクノロジーとの融合に沿って、デジタルチ
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ジムニー50周年 1300台集結し祝福 浜松で愛好家団体
日本ジムニークラブ(本部・浜松市)は3日、スズキが1970年に発売した軽四輪駆動車「ジムニー」の50周年記念イベントを浜松市東区の天竜川河川敷で開いた。全国各地から約1300台、愛好家約2千人が集結。コロナ禍のため、2020年に迎えた節目を2年遅れで祝った。 1970年代から近年のモデルまで、内外装パーツを付け替えるなどこだわりの愛車で乗り入れ、記念撮影や所有者との懇談を通じて交流を深めた。同クラブの二階堂裕会長(68)=神奈川県=は「コンパクトな車体ながら抜群に高い走破性能が魅力。往年から新しいファンまで熱い思いを語り合う場になれば」と期待を寄せた。開会式では鈴木修スズキ相談役からのメッ
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新本店棟10月オープン 浜松いわた信金 ワンストップで顧客対応
浜松いわた信用金庫は1日、浜松市中区元城町で建設中の新本店棟を10月11日にオープンすると発表した。本店営業部や個人向け住宅ローン・相続などの総合相談窓口「夢おいプラザ浜松」、関連会社など3社が稼働予定で、多様なサービスのワンストップ化により顧客対応を強化する。 新本店棟は鉄骨4階建てで、建築面積1331平方メートル、延べ床面積4493平方メートル。1階に、現在は周辺ビルで業務に当たる本店営業部、2階に中区中島から移転する夢おいプラザ浜松、2、3階に浜松いわた信用保証、はましんリース、提携先の浜松損害保険サービスが入る。4階には職員向け大会議室を整備する。 同信金は「当金庫が掲げる総合サ
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スズキ 印市場拡販強化 新工場の能力増強方針 株主総会
スズキは29日、浜松市内で開いた株主総会で、主力のインド市場の販売拡大や経営基盤強化に注力する姿勢を改めて示した。同国北部ハリヤナ州に建設する四輪新工場の年間生産能力は、当初の25万台規模から将来的に100万台規模までの拡張を想定。需要が伸びるスポーツタイプ多目的車(SUV)も商品力を強化する。中長期的な市場拡大への対応と同時に、鈴木俊宏社長は「社会で求められる電動化を率先して推進する」と強調した。 インド市場で乗用車シェア50%以上の確保を掲げるスズキ。2025年をめどに西部グジャラート州のEV生産工場の能力増強や、ハリヤナ州カルコダで稼働を目指す新工場建設に大型投資する。現在の国内の生
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実証実験情報を一元化 「FromTo」が中小支援サービス
浜松市に事業拠点を置くITスタートアップ「FromTo(フロムトゥ)」(本社・東京)は29日、全国自治体の実証実験情報を一元化し、スタートアップなど中小企業の地方での事業展開や進出を支援するサービス「47pass(よんななパス)」を始める。 自社のサービスや製品の検証、実績づくりを目指すスタートアップと、企業の独自技術を生かして社会課題解決を図りたい自治体を結びつける。 実証実験情報の提示や近く実装する課題テーマや補助額ごとの検索サービスから始め、年度内に提出書類の申請までをサイト上で一貫支援できるよう整備する。アイコン表記などで施策内容を分かりやすく再編集する。企業側は無料で活用できる
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奥浜名湖観光協会「ほおずき市」PR 静岡新聞社浜松総局を訪問
7月2、3日に浜松市北区引佐町の竜ケ岩洞で開かれる「第26回いなさほおずき市」(奥浜名湖観光協会主催)のPRキャラバン隊が27日、同市中区の静岡新聞社・静岡放送浜松総局を訪れ、来場を呼び掛けた。 産地として全国的に知られる引佐町で、最盛期に合わせて開催している。 ほおずきの鉢植えや枝ものの販売、地元女性団体が手掛けるほおずき人形の製作体験会などを予定している。浜松のスーパーフード・モリンガのかき氷、竹細工の販売コーナーも並ぶ。 コロナ禍による中止や縮小開催を経て3年ぶりに通常開催する。協会会員で会場となる竜ケ岩洞の忠内一洋所長代理は「夏の風物詩として、多くの人に足を運んでほしい」と話し
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太陽光発電利用 1人乗り超小型EV 浜松のサインクリエイト開発
総合看板業のサインクリエイト(浜松市南区)は太陽光発電利用の1人乗り超小型電気自動車(EV)「NINA(ニーナ)」を開発し、6月から販売を始めた。狭い道路での走行や災害時の非常用電源ニーズに対応する。 全長2・17メートル、幅1・16メートル、高さ1・56メートルで、海外製車両をベースに天井部に太陽光発電設備を付加した。原付「ミニカー」区分の登録で、車検や車庫証明は不要。最高時速60キロ。家庭用コンセントから充電でき、満充電で約50キロ走行できる。折り畳み式太陽光パネルからも充電可能。 同社は本業のほか、鉛電池を長寿命化する仕組みを生かした耐久性の高い太陽光発電の常夜灯を手掛けている。車
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産官学でロボット分野の人材育成へ 連携協定締結 浜松城北工高、ヤマハ発など
産官学で地域の産業人材育成を目指す文部科学省の「マイスター・ハイスクール」事業の指定を受けた県立浜松城北工高とヤマハ発動機、浜松市、県教委は20日、事業推進に向けた協定を同市中区の同校で締結した。地元に拠点を置くグローバル企業と組んで、社会変革の中で需要が高まるロボティクス、デジタル人材を継続的に輩出する“浜松型”のシステム構築を目指す。 指定期間は3年間。同校は、二輪とともに世界トップクラスの産業用機械メーカーのヤマハ発動機から、事業推進役「マイスター・ハイスクールCEO」と常勤の特別教諭「産業実務家教員」の2人を迎える。3年生の課題教育授業への参画から始め、来年
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A.I.S新工場 船外機部品の生産拡大、来夏稼働
輸送用機器部品製造の「A.I.S(エイアイエス)」(浜松市東区)は、堅調な需要が見込まれる船外機部品の生産能力拡大に向け、新工場を同区内に建設する。国内外4カ所目の生産拠点となる。今月着工し、2023年7月の稼働を目指す。 建設地は市北部清掃工場跡地で、本社から東名高速道路を挟んで近距離に位置する。昨年市が実施した民間工場用地として分譲する事業者公募を通じ、約8400平方メートルを取得した。15億円を投じて、一部2階建ての新工場(4千平方メートル)を整備する。 同社は二輪や四輪、船外機のアルミ合金製品の一貫生産を手掛ける。新工場ではマリンエンジン向け大型製品を製造する。本社工場からの生産
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記者コラム「清流」 次世代車、所有者も理解を
以前乗車していた車に短期間で何度かトラブルが発生した。持ち込んだ工場で自動車整備士から電気系統の不具合について詳細な説明を受けたが、理解不足のまま修理してもらった経験がある。 車検や修理で、車の安全走行の“ゴーサイン”を出す整備士。脱炭素社会の加速で、電気自動車(EV)や自動運転など次世代車の普及が見込まれる中、電気制御などへの高度な知識や技能、ユーザーへの説明力が一層重要になるとされる。浜松市には来春、1級整備士養成校が開校予定だ。 ただ、所有者も任せきりというわけにはいかない。次世代車の構造や安全機能に対する学びや理解が不可欠だ。メーカー、整備士、ユーザーなど
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多様性活力に浜松発展 市長、企業社長 外国人留学生と会談
ふじのくに地域・大学コンソーシアムは11日、浜松市や市内企業に対する外国人留学生らの関心を高め、就業を促進する座談会イベント「市長・社長と語ろう!」を同市中区で開いた。静岡大や常葉大で学ぶアジア出身の留学生と社会人の4人が、鈴木康友市長と自動車部品製造ソミックマネージメントホールディングス(同市南区)の石川雅洋社長と活発に意見交換した。 留学生らは起業や研究者への夢、就職面の課題などを率直に語った。それぞれ応援する考えを示した鈴木市長は市の多文化共生のあり方を「国籍に関係なくコミュニティーを形成し、多様性を都市の活力や発展に生かし定着させていく」と強調。一方、人口減や労働力不足で他国も日本
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マンション管理 スマホで効率化 日本デジコム開発へ
システム開発や保守事業の日本デジコム(浜松市中区)は、スマートフォンやパソコンなどの手元の端末を活用してマンション管理業務を効率化するデジタルサービス「デジ管」の開発を進めている。従来の専用端末設置型に加えて、今秋のサービス開始を目指す。16、17日に東京ビッグサイトで開かれる「マンション総合EXPO」に出展する。 常駐管理員の高齢化や人手不足が課題になる中、複数物件を扱うマンション管理会社や、自主管理する組合のコスト削減と省人・省力化ニーズに対応する。 発売中の端末機型サービス「patom(パトム)」は2019年から本格展開し、一連のシステムの特許を今年2月に取得した。タッチパネルやカ
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浜松学院大学長「豊かな人間性育んで」 高校生に講演
浜松市中区の浜松学院高で7日、浜松学院大の俵山初雄学長(70)が「社会が求める人材とは」とテーマに講演し、将来に向けて学業だけでなく豊かな人間性を育む重要性を呼び掛けた。系列の高校と大学の連携を生かした「総合的な探求の時間」の一環。 2年生約50人が聴講した。浜松信用金庫(現浜松いわた信金)常務理事、しんきん経済研究所理事長を務めた俵山学長は、自身の人生で得た出会いや経験を交え、リーダーシップや向上心など社会が期待する資質や能力について伝えた。 東日本大震災発生時の避難のような決断が求められる際には「マニュアル通りではなく、瞬時に正しい判断ができるか。日々の多様な経験の中で身に付けてほし
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工業の学び 在学中に実践 浜松工高定時制と商議所連携
浜松工高定時制(浜松市北区)と浜松商工会議所が連携して本年度、工業教育の学びを在学中から地域の製造業で生かす就労支援の取り組みに乗りだした。同校定時制は工業技術実習が多い教育課程の一方、通学前の時間帯に工業以外の仕事に従事する生徒が多いのが現状。若手人材を確保したい中小製造業と、企業情報が届きにくい生徒とのマッチングを促進する。 3日夜、同校で行われた初の説明会では、自動車部品や工作機械関連など3社の代表が1~3年の58人に事業や経営理念、働き方を紹介した。希望する生徒は各社で数日のインターンシップを行い、合意すれば就労する。秋までに計12社が説明会への参加を予定する。 大手の採用活発
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静岡人インタビュー「この人」 戸塚昌宏さん 「御鎮座950年祭」を実施した浜松・高塚熊野神社宮司
代々社家の出身で2002年から現職。神社の創建は平安時代後期の11世紀と伝わる。約4年前に歴史の一端を伝える史料が“発見”されたことを機に、初の御鎮座祭として5月末に奉祝大祭などを行った。58歳。 ―御鎮座祭に至った経緯は。 「延久年間(1069~1074)に紀州の熊野本宮の神主が全国行脚中に足を留め、祭祀(さいし)したのが始まりとされる。ただこれは口頭伝承で、明確に掲げることができなかった。2018年に浜松市立中央図書館に昭和16年の旧可美村役場保存の神社関係文書が保管されていると分かった。鎌倉期以前からこの地にあり、源頼朝が参詣した―旨の記述があり、こうしたこ
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車の技術進化急速 次世代整備人材の養成に力 浜松に学校新設へ
自動車業界でEV(電気自動車)や自動運転といった次世代技術の導入が急速に進む中、電子制御技術など高度な整備の知見と技術を備える人材養成ニーズが高まっている。完成車や部品メーカーが集積する浜松市には2023年4月、自動車整備士資格の最上位「1級整備士」取得を目指す養成校が新設予定。国も整備士の能力向上策に関する議論を深めている。 静岡自動車学園(静岡市葵区)が浜松市中区寺島町に浜松工科自動車大学校の設立を予定する。同学園としては静岡工科自動車大学校(葵区)に続き、1級整備士養成課程(4年制)と2級養成課程(2年制)、留学生ら対象の国際オートメカニック科(3年制)を開設する。 静岡市の大学校
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脱炭素 好影響2割/悪影響4割 中小製造業アンケート 浜松
浜松地域イノベーション推進機構次世代自動車センター浜松(浜松市中区)は2日、中小製造業などを対象に行った二酸化炭素(CO2)削減などカーボンニュートラル(脱炭素)に向けた対応状況のアンケート結果を発表した。脱炭素社会の自社影響(複数回答あり)について「好影響がある」と答えた企業は約2割にとどまり、「悪影響」が約4割だった。 2月に開催した中小企業向け対応講座の受講企業と会員企業に実施し、72社が答えた(回答率20・8%)。好影響と回答した16社は「省エネによるコスト削減ができる」「ビジネスチャンスが拡大する」などと捉えた。 悪影響とした31社の回答は、電気自動車(EV)化に連動した部品点
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能力発揮、プラス思考で 浜松商高創立記念式典、専門家講演
浜松市中区の浜松商高は1日、本年度の創立記念式典を校内で開いた。トップアスリートのメンタルトレーニングで知られるサンリ(島田市)の臼井博文取締役能力開発研究室長が記念講演し、思考をプラス転換して能力発揮につなげる心の持ち方を説いた。全校生徒約940人が会場を分散して聴講した。 複数の同校部活動で過去に講習を行った縁で招いた。臼井さんは北京五輪ソフトボールチームや高校野球、ボクシング選手など同社がサポートして金メダルや優勝などに導いた事例を紹介した。学業や部活に励む生徒に「脳は口に出したことを記憶する。ワクワクする夢を友と語り合ってほしい」と呼び掛けた。夢への“壁”に
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補助金支援ツール 浜松商議所が提供 申請書類作成を効率化
浜松商工会議所はこのほど、中小企業・小規模企業会員の補助金申請の書類作成を効率化する独自の支援ツールの提供を始めた。採択実現を見据えた申請書様式の具体的な記入例などを5業種で示し、作成に役立ててもらう。申請の敷居を低くして活用を促し、販路開拓や新商品開発など積極的な事業展開を後押しする。 名称は「補助金獲得テンミニッツシート」。相談の入り口となるヒアリングシートや、売り上げ、顧客ニーズなどをまとめた個別シート、申請書様式の記入例に加え、解説動画も付けた。 「テンミニッツ(10分)」を想起する短時間で書き起こしができるよう構成した。対象は小規模事業者持続化補助金、ものづくり補助金の2種類で
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スズキ、HVリチウムイオン電池再利用 ソーラー街灯の電源に
スズキは23日、同社製乗用車のハイブリッド車(HV)に搭載されている小型リチウムイオン電池について、廃車になった車両から回収した後、ソーラー街灯用の電源に再利用する技術を開発したと発表した。まだ使える状態で処分されていた資源を有効活用し、持続的な循環型社会の構築に貢献する。 使用済みの小型リチウムイオン電池は20センチ四方ほどの大きさ。ソーラー街灯はこれを10個内蔵し、雨天時など日照量がなくても5日間稼働する想定で設計した。容量は新品時から10%程度の劣化を見込んで計324ワット。浜松市南区の本社敷地に7基と近くの駐車場に1基の計8基を配置し、検証を進めている。 同社は2012年、ブレー
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光・電子技術の活用ニーズ開拓 浜松・フォトンバレーセンター講座
光・電子技術の活用ニーズ掘り起こしに向け、浜松地域イノベーション推進機構フォトンバレーセンター(浜松市)は本年度、静岡県内の金融機関や行政、支援機関の職員らを対象に「浜松ひかり塾」をスタートした。光技術は多様な産業を支える基盤だが、応用の可能性に気付かず埋もれるケースが多い。受講する職員らは日頃事業者と接点が多く、業務の中で対応した光・電子技術が活用できそうな困り事や相談を、幅広くセンターにつないでもらう。 本格開催初回のひかり塾は19日、同市中区で開かれ、浜松いわた信用金庫の営業店職員約75人が対面とオンラインで受講した。入門編と称して日常の暮らしや社会の中の光の存在、性質などを説明。農
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自動運転実証実験スタート 浜松で3回目、360度センサー活用
浜松市、スズキ、遠州鉄道などは17日、乗用車の自動運転の実用化を見据えた機能の検証やニーズ収集を目的に、3回目の実証実験を同市西区でスタートした。今回は新たに全方位検知の360度センサーを活用した自動運転機能や、予約したスマートフォンでドアが自動開閉するシステムを提供し、稼働状況や課題を確認する。 ソフトバンク子会社BOLDLY(ボーダリー)を含む4者が連携する「浜松自動運転やらまいかプロジェクト」の一環。同区の庄内協働センターを発着点にした片道約3・4キロのコースで、実験参加者が約30分間のスズキ車の試乗に臨んだ。 2019年12月の前回実験は、前方車に追従して自動で加減速する運転支援
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俳句音楽普及へDVD制作 浜松の関係者「新たな表現で後世に」
俳句を後世に残す新しい形として、浜松市のプロデュース会社や俳句団体関係者、プロの演奏家らが中心となり、朗読や歌、楽器演奏と融合させた「俳句音楽」の普及に取り組んでいる。今月中旬にはこれまでのCD版を発展させ、映像を取り入れた初のDVDを制作した。 DVD第1弾は、俳句愛好会「青竹の会」会長で、中村建設(中区)会長の中村信吾さんの喜寿を記念した作品。中村会長の句集「引佐細江」の50作品を自身の朗読と浜名湖周辺で吟行する映像、ギタリスト中村ヨシミツさん作曲の音楽、歌手三原ミユキさんのボーカルを組み合わせて約20分間にまとめた。 5年ほど前に俳句を朗読や音楽で楽しむ新しいスタイルと出合い、地元
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記者コラム「清流」 音楽機にアフガンを再考
浜松市楽器博物館で開かれたコンサートで、アフガニスタンの音楽に初めて触れた。伝統弦楽器ラバーブの繊細で深みのある音色と、女性ボーカルの現地公用語ダリー語の独特な響き。郷愁を感じさせる曲調にすっかり引き込まれた。 シルクロードの交差点と言われ、音楽も多様な民族文化を背景にはぐくまれたという。2019年に現地で凶弾に倒れた中村哲医師をはじめ、紛争で緊迫した地帯との印象が根強い。音楽の面からアフガニスタンを感じることは新鮮だった。 一方、最近の海外報道はロシアのウクライナ侵攻関連が大半。最近のアフガン情報は得にくいが、タリバンの復権で混乱は続いているようだ。世界各地に深刻な人道危機が存在するこ
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記者コラム「清流」 新しい学校校舎の挑戦
磐田市豊田地区に開校して約1年の「ながふじ学府小中一体校」は、一般的な学校に存在する校舎回りの壁やフェンスが無い。公共図書館機能を持つ学校図書館も平日は地域開放され、外部の人が入ることができる。 自身が持つ学校のイメージを覆す試みに驚いた。防犯面の懸念はあるが、カメラなどの対策と同時に、住民の目が“監視”役となることも期待されているようだ。学校と地域の連携は言われて久しいが、ながふじは一歩踏み込んだ事例だ。 一方で、まだその目指す方向性が地域や市民に広く浸透しているとは言いがたい。コロナ禍で今は自由に校内に迎えることは状況的に難しいが、収束後、まず足を運んでその理
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スポーツのまち磐田の転換点 資産生かし新機軸戦略を【風紋】
サッカーJ1ジュビロ磐田本拠地の磐田市で2月、多様なスポーツ資産のまちづくりへの生かし方を考えるシンポジウム(市主催)が開かれた。表題は「どうする磐田」。しかし「今ごろ?」と違和感を持ったのが本音だ。20年前のサッカー日韓W杯では市内にベースキャンプを張った日本代表を支え、長年プロサッカー、ラグビーチームが拠点を置く。市出身の卓球五輪金メダリストの存在もある。一連のスポーツレガシーや集客、話題力から、本来は既に先進地であってしかるべきだ。 課題はこの輝きを放つスポーツ資産が点と点で存在すること。チーム名や有名選手の影響か、民間調査会社が公表した「地域ブランド調査2021」で「スポーツのまち
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磐田・遠江国分寺跡 半世紀ぶり再整備 遺産価値の認識向上を【解説・主張しずおか】
磐田市の国指定特別史跡「遠江国分寺跡」で、約半世紀ぶりの再整備が本格的に始まった。2025年度末の終了をめどに、建築物の土台部分を木で覆っていた「木装基壇[きだん]」の復元などを進める。県内では登呂遺跡、新居関跡とともに最高位の国の特別史跡に指定される一方で、有形物が無く、古代の姿を想像しづらい側面があった。整備と並行し、市が誇る歴史遺産との認識をいま一度醸成する取り組みも必要だ。 遠江国分寺は約1300年前の奈良時代、疫病流行などで不安定だった世の平安を願い、聖武天皇の命で全国60カ所以上に造られた国分寺の一つ。JR磐田駅北口から約1キロと徒歩圏内で、市役所に近接する。1923年に国史跡
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記者コラム「清流」 「トンボ」のまち
磐田市の東名磐田ICを降りると、左手の案内表示板に「トンボとサッカーのまち」とある。市外から訪れた友人に「サッカーは誰もが知るが…」と聞かれ、国内有数の生息地・桶ケ谷沼や「市の昆虫」で環境省指定絶滅危惧種のベッコウトンボを紹介した。 市の花や木はあるが、昆虫の制定は珍しく、唯一無二の地域財産。それほどまでに市民の愛着や誇りが強いのかと感じたが、現実は長く叫ばれる個体数減少に対する関心や危機感は決して高くないように思う。NPO法人のメンバーやボランティアによる地道な保護、増殖活動が支えている。 沼はアカトンボなどの観賞シーズンという。緊急事態宣言も明けた。トンボが飛び交う豊か