スズキ世界生産2・0%増 1~6月四輪 国内反動増で改善

 スズキが28日に発表した2023年上半期(1~6月)の四輪車実績によると、国内と海外を合わせた世界生産は前年同期比2・0%増の158万6771台だった。海外生産が3年ぶりに前年を下回った一方、前年に比べ工場停止の影響が少なかった国内の生産は10・4%伸び、全体の増加に寄与した。世界販売は3・7%増の152万2159台。世界生産、販売ともに3年連続で増加したが、ともにコロナ禍前の水準には届かなかった。

 国内生産は46万7907台。半導体を含む部品供給不足は継続したが、工場稼働停止が多かった前年の反動で増加した。海外生産は1・1%減の111万8864台。主力市場インドは0・2%増の96万2200台とほぼ横ばいで推移したが、政府の輸入規制で部品調達が滞るパキスタンの生産が約7割減り、インドネシアも15・6%減少した。
 国内販売は車両供給不足が続いた前年に比べ13・5%増の32万9466台。軽自動車は9・5%増の26万5954台、登録車(軽自動車を除く小型車)は前年に主力工場の稼働停止日数が多かった反動で34%増の6万3512台だった。海外販売はインドがけん引し、1・2%増の119万2693台。インドは半導体が調達可能な車種を中心に拡販に努めたほか、「グランドビターラ」「フロンクス」など新型SUVの販売が好調に推移した。
 輸出は欧州向け完成車が増加し、2・1%増の11万2255台。
 6月単月は、世界生産、世界販売ともに前年同月を下回った。世界生産は4・5%減の24万4484台と2カ月ぶりの減少。国内が横ばいだった一方、海外は7・0%減と半導体不足の影響を受けるインドの生産減が響いた。世界販売は0・1%減の24万7009台。海外販売は2・2%減の19万3278台。インドは6月として過去最高の13万6019台を記録したが、パキスタンなどの減少分を補えなかった。国内販売は低水準だった前年の反動増で8・6%増えた。
 (浜松総局・山本雅子)

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