産官学でロボット分野の人材育成へ 連携協定締結 浜松城北工高、ヤマハ発など

 産官学で地域の産業人材育成を目指す文部科学省の「マイスター・ハイスクール」事業の指定を受けた県立浜松城北工高とヤマハ発動機、浜松市、県教委は20日、事業推進に向けた協定を同市中区の同校で締結した。地元に拠点を置くグローバル企業と組んで、社会変革の中で需要が高まるロボティクス、デジタル人材を継続的に輩出する“浜松型”のシステム構築を目指す。

浜松城北工、県教委、ヤマハ発動機、浜松市の関係者らが出席した協定締結式=20日午後、浜松市中区の同校
浜松城北工、県教委、ヤマハ発動機、浜松市の関係者らが出席した協定締結式=20日午後、浜松市中区の同校

 指定期間は3年間。同校は、二輪とともに世界トップクラスの産業用機械メーカーのヤマハ発動機から、事業推進役「マイスター・ハイスクールCEO」と常勤の特別教諭「産業実務家教員」の2人を迎える。3年生の課題教育授業への参画から始め、来年度にはロボット分野に特化した科目を新設し、実習などを通じて教育の専門性を高める。
 日本式のものづくり現場を実体験する海外インターンシップ、起業プログラムの作成、卒業生のロボット関連企業への就職拡大なども視野に入れる。
 ヤマハ発ロボティクス事業部の江頭綾子部長は人材不足や人件費高騰を背景に、ロボットを活用した自動化ニーズは一層増すとの見方を示し、「社会課題の解決に向けて人財のエコシステムを実現したい」と述べた。県教委の塩崎克幸教育監は「県西部は本県のものづくりをリードする地域。この事業が全県的なモデルになってほしい」と期待を寄せた。
 マイスター・ハイスクール事業は2021年度から始まり、指定校は浜松城北工高を含めて全国15校で、東海地区では初めて。

 

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