農機部品の生産強化 小楠金属工業所(浜松市)、タイ子会社が新工場

 輸送用機器部品製造の小楠金属工業所(浜松市西区)は現地法人を置くタイで、農業用機械部品の生産態勢を拡充する。このほど、敷地内に3棟目の工場を新設した。周辺新興国の機械化需要を受けて、成長が見込まれる農機市場で新規受注獲得につなげる。
 新工場は一部2階建て施設(延べ床面積約5500平方メートル)で、トラクター、コンバインなど農機のギア付きシャフトをはじめ、動力伝導用部品を中心に製造する。総工費は約7億円を想定。取引先メーカーの増産要請に即応できる態勢を整えるほか、新規受注の取り込みも目指す。
 小楠金属工業所は2010年、タイ東部のチョンブリー県に、農機と自動車向け部品を生産する100%子会社を設立し、11年に操業開始した。現在は農機向け生産が7割超を占める。タイ子会社の22年3月期の売上高は約40億円で、今後も年平均5%程度の成長を目指すとしている。
 11月末までに、日本政策金融公庫浜松支店中小企業事業から現地法人に直接融資する「クロスボーダーローン」として設備資金、浜松いわた信用金庫から本社に運転資金の協調融資を受けた。
 (浜松総局・山本雅子)

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