一般向けマグロ小売り開始 浜松の仲卸 流通自由化に対応

 浜松市南区の水産物仲卸「SANKO海商」は販路開拓の一環で、一般消費者向け小売業の取り組みを開始した。マグロを専門とする市中央卸売市場の仲卸業者の目利き力や加工技術を生かし、マグロ即売会と称して厳選商品を月1回の予定で販売する。

マグロを中心に約50種類を提供した即売会=2月下旬、浜松市南区のSANKO海商
マグロを中心に約50種類を提供した即売会=2月下旬、浜松市南区のSANKO海商

 市場外の取引拡大や卸売市場法改正2020年などで流通の自由化が加速する中、企業変革の試みとして即売会の開催を決めた。
 同社加工場で2月下旬に開いた2回目の即売会は、メバチマグロの赤身や天然マグロ3種類セット、カシラやホホ、アゴなどの希少部位を含め約50種類を特価で並べた。1月の初開催時の経験を踏まえ、家庭向けに少量化したり、にぎりずしを加えたりするなど求めやすい商品を拡充した。競りや加工作業に携わる社員が店頭に立ち、商品の特徴や食べ方などを紹介した。
 同社幹部は「マグロに強みを持つ人材や知識を武器に生き残りにつなげる」と話した。次回は3月26日。
 SANKO海商は、首都圏で大衆酒場アカマル屋などを展開する「SANKO MARKETING FOODS」(東京)の完全子会社。民事再生手続き中だった海商(浜松市)が会社分割で設立した新会社の株式を21年11月に取得した。

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