ナブテスコ 浜松工場第1期、完工 稼働は2024年
精密減速機の世界的メーカー、ナブテスコ(本社・東京)は18日、国内外3カ所目の生産拠点となる浜松工場(浜松市北区都田町)の第1期工事の竣工(しゅんこう)式を現地で開いた。海外の景気後退の影響などで稼働開始は当初の10月から2024年になる見通し。木村和正社長は「EVシフト関連や人手不足に伴う自動化ニーズを背景に、継続的な市場成長が見込まれている。浜松工場稼働により安定供給を目指す」と意欲を示した。
約18万平方メートルの敷地内に、第1期として3階建て事務棟と2階建て生産棟(延べ床面積計約5万平方メートル)が完成した。24年度末の定時生産能力は年産40万台を予定。25年ごろから第2期工事に着手し、30年時点で年産120万台にする計画に変更はないという。マザー工場の三重・津、中国江蘇省常州を抜き、同社最大規模となる。
浜松工場は高効率の生産設備やデジタル化を駆使し、材料受け入れから加工、組み立て、出荷までを一貫して行う。機械加工工程の将来的な自動化率目標は95%、組み立ては90%。AIやビッグデータ活用などスマート生産化を進め、工場内を最適に空調制御するシステムも導入する。
浜松市など新規4社の地元サプライヤーから部品調達を決めたが、技術力あるものづくり企業と連携したサプライチェーン(供給網)構築へ調達率をさらに高めたいという。稼働当初の従業員は85人で、地元工業高校出身者らも採用した。
竣工式には中野祐介市長や斉藤薫浜松商工会議所会頭らも出席。神事に続き植樹などを行った。
(浜松総局・山本雅子)