浜松いわた信金 静岡県内3社にSLL融資 持続可能社会を支援

 浜松いわた信用金庫(浜松市中区)は29日、SDGs(持続可能な開発目標)やESG(環境、社会、企業統治)に関連して設定した目標の達成状況で金利を引き下げる「サステナビリティ・リンク・ローン(SLL)」の融資を28日に静岡県内3社に実行したと発表した。単独で策定したスキームによる融資は県内信金で初めてという。
 融資は、不動産取引業のホームポジション(静岡市清水区)に1億円、中央不動産(浜松市浜北区)に5千万円、電子部品製造業ワールド電子(同市西区)に5千万円。それぞれの企業は従業員のモチベーション向上や女性活躍などのキャリアアップ、不動産の買い取り再販件数の増加、温室効果ガスの削減などのSDGsやESGに関する指標や戦略的な高い数値目標を掲げた。調達資金は運転資金などに充てる。同信金は定期的なモニタリングで、達成度や進捗(しんちょく)を評価・分析する。
 同信金は4月、企業が経済・社会・環境にもたらす影響を評価して、その活動を支援する「ポジティブ・インパクト・ファイナンス」の取り扱いをSLLと同時に開始した。両方を合わせて、本年度は計10億円程度の融資を目指す。
 竹内嘉邦SDGs推進部長は「取引先との対話を徹底し、伴走型支援を通じて企業の成長と社会課題解決につながるサステナビリティ経営を後押しする」と述べた。
 (浜松総局・山本雅子)

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