探究創造科新設へ 浜松学芸高 24年度、普通科改革で「文理協働」

 浜松学芸高(浜松市中区)は2024年度、「探究創造科」を新設する。23年度に県の認可を予定し、生徒募集に入る。文部科学省が進める高校普通科改革の一環。地域で実践する「文理協働」の学びを通じて多様な観点から課題解決の発想を養い、変化の激しい時代を生き抜く力の育成を目指す。

これまでの「地域創造」「科学創造」の各コースの取り組みなどを学年ごとに報告した発表会=浜松市中区の浜松学芸高
これまでの「地域創造」「科学創造」の各コースの取り組みなどを学年ごとに報告した発表会=浜松市中区の浜松学芸高

 高校設置基準・学習指導要領一部改正で22年度から、普通科の枠内に独自の特色を出した学科を新設できるようになった。文部科学省の改革推進事業の指定を県内で唯一受け、新学科創設の動きを具体化した。全国の約7割の生徒が通う普通科を特色や魅力を引き出したカリキュラム開発で進化させ、生徒の学習意欲を高める。
 現在の同校の普通科は、既存の特進コースに加え、20年度に地域の将来を担う人材育成に主眼を置いた「地域創造コース」、21年度には科学的視点を重視した「科学創造コース」を設けた。伝統の注染そめなどの繊維や、木材、食品といった衣食住にかかわる地元企業と連携したプロジェクト、フィールド調査などを実践しながら、主体的な学びを促す環境を整えた。
 24年度に開設する探究創造科は両コースを再編成し、定員60人を予定。全体では普通科特進コース、芸術科を合わせた3科6コースとなる。芸術科を有する強みを生かし「ART(アート)」の観点を重視するのも特徴で、提案やデザイン、最終的な発信などで「アイデアを形にする力」を養うという。
 内藤純一校長は「長期的なキャリア形成を見据え、地域のニーズを確認しながら改革をを進めたい」と強調する。

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