発達支援学級生の体験学習受け入れ 浜松技術専門校が試験的実施 「職業選択の一助に」

 職業訓練施設の静岡県立浜松技術専門校(浜松テクノカレッジ、浜松市東区)はこのほど、市内の中学校発達支援学級(特別支援学級)がキャリア教育の一環で行う職場体験学習を試験的に受け入れた。同専門校の設備や人的資源を生かし、生徒の状況に配慮した上で、工業系の職業訓練体験プログラムを提供。進路選びの情報収集や気づきにつなげてもらう。

ステンレス製の名刺入れ製作に取り組む北浜中の生徒(左)=浜松市東区の県立浜松技術専門校
ステンレス製の名刺入れ製作に取り組む北浜中の生徒(左)=浜松市東区の県立浜松技術専門校

 北浜中(浜北区)教諭の相談を契機に11月下旬、1~3年生ら計16人(知的障害、自閉症・情緒障害)を受け入れた。専門校の指導員が講師を務め、安全講話を行った後、専用の機械や工具を使い、ステンレス製の名刺入れ製作に臨んだ。生徒たちは一人ずつ、プレス機械での曲げ加工や溶接、接合の方法などを指導員とともに体験した。3年生の男子生徒は「読み書きが苦手。何か技術を身に付けたい気持ちはある」と関心を持った様子だった。
 市教委によると、卒業者は進学が大半を占める。北浜中発達支援学級の鮫島由起子主任は「自身の特性に合わせ、持続的に社会参画できる知識やスキルを身に付けてほしい。そのために職業観を養う多様なタイプの体験ができれば」と語った。
 同専門校は、発達障害がある人に特化した職業訓練を自校で実施した実績がある(現在は外部委託)。大口英臣訓練課長は「ものづくりの人材を育てる職業訓練校も、将来の選択肢として念頭に置いてほしい」と話した。

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