ジェット船外機艇 販促を強化 水難事故、迅速救助へ 浜松市・OJJ協同組合 

 浜松市内の小型船舶の企画製造会社などでつくる「アウトボードジェットジャパン(OJJ)協同組合」(同市)が、水難事故発生時の迅速で安全な救助を目指して開発したジェット船外機式レスキュー用ボートの本格販売に乗り出している。豪雨災害や河川などの水難事故が相次ぐ中、まずは全国自治体の消防関係者に提案する。

OJJ協同組合が販売しているレスキュー用ジェット船外機ボート
OJJ協同組合が販売しているレスキュー用ジェット船外機ボート


 プロペラ式ではないため、浅瀬航行や浮遊物の巻き込み防止など機動力を発揮できるのが特徴。4人乗り、全長3・8メートル、幅1・75メートル、重量(本体のみ)は50キロで、空気注入式で折りたためる。ポリ塩化ビニール(PVC)製で船底は擦れに強い特殊皮膜付きで耐久性を高めた。
 がれきのある水面の航行や緊急時に直接岸辺に乗り上げても、穴あきを防止できるという。船外機もジェット水流で推進力を得る構造で、水深10センチ程度の浅瀬や要救助者接近時も円滑に進める。
 組合を構成するのはいずれも市内に拠点を置く、小型船舶の企画製造や修理、販売プロモーション、発信を担うデザイン会社の4社。県中小企業団体中央会西部事務所が支援し、ことし4月に設立した。
 城田守理事長は、ヤマハ発動機出身で、海洋教育を手がける「SHIPMAN」(同市)代表。「要救助者を一人でも多く安全に救いたい。水難事故は世界共通。海外展開も見据えている」と話した。
 (浜松総局・山本雅子)

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