スズキ、世界販売8000万台 四輪累計、最多は「アルト」

 スズキは29日、四輪車の世界累計販売台数が8月末までに8千万台(OEM車除く)を達成したと発表した。1955年10月に日本初の量産軽四輪車「スズライト」を発売して以来、67年11カ月で節目に到達した。軽自動車の代表モデルとして世界で人気の「アルト」系は1601万台と最多の2割を占め、「スズキの歴史や軽四輪の中で極めて重要な役割を果たしてきた」(鈴木俊宏社長)。近年は主力市場インドでの販売を着実に積み上げている。
1979年に発売した「アルト」
 四輪は、国内外10カ国15カ所で生産し、世界184の国・地域で使われている。内訳は日本国内が36%の2890万台、海外は64%の5127万台。地域別の割合はインドが32・6%、欧州は10%、アジア13・5%、その他(北米、中南米、大洋州、中近東、アフリカなど)が7・8%だった。
スズキの四輪世界累計販売の推移(OEM車除く)と主な節目
 国内は、スズライト発売後の1965年に「フロンテ800」で小型車に参入。79年に“全国統一価格47万円”で話題を呼んだ「アルト」、軽ハイトワゴンを開拓した「ワゴンR」、世界戦略車「スイフト」など、独創的な商品を次々に打ち出し、スズキブランドの革新と発展を進めた。
 現在の海外販売をけん引しているのは1983年に生産を開始したインド。アフリカ向けなど輸出向けの生産拠点の役割も担う。人口約14億人のインド市場で高まるニーズに応え、小型車に加えてSUV(多目的スポーツ車)などの拡販を図っている。
 今後は2030年度に向けた成長戦略で示した国内外での電気自動車(EV)の投入、インドでの乗用車シェア50%以上の回復が鍵になる。鈴木社長は「今後もスズキのものづくりの根幹『小・少・軽・短・美』の価値を届けられるよう努力する。生活のパートナーとなる製品、サービスを届けていく」とコメントした。
1955年発売の「スズライト」
1965年発売の「フロンテ800」
 アルト以外の世界累計販売の上位車種は次の通り。
 ②ワゴンR系950万台③スイフト系895万台④エブリイ系839万台⑤キャリイ系728万台⑥エスクード系395万台⑦ジムニー系333万台

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