スズキ、インド四輪生産再編 マルチ社 SMG子会社化へ

 スズキは31日、主力市場インドの四輪生産体制を再編すると発表した。現地子会社マルチ・スズキが2023年度内をめどに、西部グジャラート州に置くスズキ100%出資の四輪生産子会社「スズキ・モーター・グジャラート(SMG)」の全株式を取得し、完全子会社とする。世界生産をけん引するインド市場の拡大へ、マルチ社が四輪生産を統括し、現地の生産力の発展強化と関連する業務効率化を推し進める。

グジャラート工場の全景
グジャラート工場の全景

 スズキ、マルチ社、SMGの31日の取締役会で、スズキが株式の56・48%を持つマルチ社がSMGを子会社化する方針を承認した。SMGはスズキの孫会社となる。マルチ社の株主承認などを得た上で子会社化を完了する。スズキによると、SMGは引き続き連結対象のままという。
 SMGは14年に設立し、17年に稼働開始したグジャラート工場を運営。「スイフト」「バレーノ」、ことし発売した新型SUV「フロンクス」など、生産する全台数をマルチ社に供給している。22年度のインド生産192万台のうち、約3割を超える67万台を占め、23年3月期売上高は3201億ルピー(3月末のレートで約5250億円)。
 スズキは乗用車市場のシェア50%以上への挽回を掲げ、30年度までのインドの年間生産能力を、現行の倍増となる約400万台に増強する計画。ハリヤナ州のグルガオン、マネサール、グジャラートの現行3工場に加え、25年稼働に向けてハリヤナ州カルコダの新工場を建設中。これに加え新たに100万台規模を生産できる工場建設を公表している。
 スズキは、インドに昨年8月設立した100%子会社のR&Dセンターなどを活用し、電動化など将来技術の研究開発を強化する。
 (浜松総局・山本雅子)

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