記者コラム「清流」 「トンボ」のまち

 磐田市の東名磐田ICを降りると、左手の案内表示板に「トンボとサッカーのまち」とある。市外から訪れた友人に「サッカーは誰もが知るが…」と聞かれ、国内有数の生息地・桶ケ谷沼や「市の昆虫」で環境省指定絶滅危惧種のベッコウトンボを紹介した。
 市の花や木はあるが、昆虫の制定は珍しく、唯一無二の地域財産。それほどまでに市民の愛着や誇りが強いのかと感じたが、現実は長く叫ばれる個体数減少に対する関心や危機感は決して高くないように思う。NPO法人のメンバーやボランティアによる地道な保護、増殖活動が支えている。
 沼はアカトンボなどの観賞シーズンという。緊急事態宣言も明けた。トンボが飛び交う豊かな自然に足を運んでみては。
 

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