静岡人インタビュー「この人」 日本貿易振興機構(ジェトロ)・ミュンヘン事務所長 高塚一さん(ドイツ在住)

 南ドイツのミュンヘン事務所(2020年開設)初代所長。バイエルン、バーデン・ビュルテンベルクの2州を管轄する。赴任は西部デュッセルドルフ以来2回目。1月下旬には浜松市で現地概況を情報提供するセミナーを行った。牧之原市出身。

高塚一さん
高塚一さん

 -管内の経済・産業状況は。
 「BMWやメルセデス・ベンツ、ボッシュ、シェフラーなどの本社があり、主要自動車・部品メーカー、機械など製造業が集積する。国の名目GDP(21年)の3割以上を創出し、高い経済力を有する。日系企業進出はこの10年で200社増の約740社と加速している」
 -事務所の役割は。
 「日本と海外の貿易と投資の促進がジェトロの使命。日本、南ドイツ双方の企業進出支援や進出済み企業のビジネス拡大などをサポートしている。浜松をはじめ、自動車産業が集積する日本と南ドイツはビジネスにおける親和性が高い。双方の協業・協力のニーズに対応したい」
 -注目すべきテーマは。
 「自動車産業の構造転換は日本と同様、重要な課題。EVなど次世代自動車シフトに向けた各メーカーの戦略や政府の産業支援への関心も高い。ドイツをはじめ欧州は環境など新しいルールを設定し、競争力を高めている。欧州の最新情報や動向を重視する企業は多い」
 -ドイツとの縁と抱負を。
 「『ベルリンの壁』崩壊時に関心を持ち、現地の人とコミュニケーションしたいと学生時代にドイツ語を学んだ。赴任地の南ドイツは自動車やサッカープロリーグのブンデスリーガ、ビール、ロマンチック街道など、日本人が想起するドイツが凝縮され、魅力ある地域。駐在経験を生かし、今後もジェトロの幅広い事業分野に携わりたい」
 (浜松総局・山本雅子)

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