インド四輪生産 累計3000万台達成 スズキ、40年4カ月

 スズキは3日、乗用車シェア40%を超える主力市場インドの累計四輪生産台数が、3月末までに3千万台を超えたと発表した。1983年12月の生産開始以来、40年4カ月での達成。世界トップの14億人の人口を抱え、拡大するインドの需要に対応し、日本国内で記録した55年2カ月を抜いて最速で節目に到達した。2023年度の生産台数は198万台(子会社マルチ・スズキ公表)と過去最高だった。

生産第1号車の「マルチ800」
生産第1号車の「マルチ800」
2023年発売のSUV「フロンクス」
2023年発売のSUV「フロンクス」
生産第1号車の「マルチ800」
2023年発売のSUV「フロンクス」

 現在3工場で計16車種を生産している。1983年にマルチ・スズキ社の前身マルチ・ウドヨグ社で、第1号車「マルチ800」の生産をスタート。累計500万台達成は2005年4月、1千万台は11年3月、2千万台は18年6月だった。車種別トップ5は「アルト」が506万台、「スイフト」が319万台、「ワゴンR」が318万台、「マルチ800」が291万台、「ディザイア」が286万台。
 現行の年間生産能力は、ハリヤナ州のグルガオン、マネサール、グジャラート州の3工場で計225万台。急成長する市場に合わせて30年度までに400万台以上の体制を確保する。
 乗用車シェアも「50%以上」を掲げる。ハリヤナ州カルコダに25年稼働の新工場を建設中のほか、グジャラート州既存工場にEV(電気自動車)増産を視野に入れた新生産ラインと、28年度の稼働を目指した5カ所目の新工場整備計画がある。
 従来の小型車に加え、近年人気が高いSUV(多目的スポーツ車)のラインアップを強化。24年度に投入し、欧州や日本に輸出予定のSUV型EV「eVX」のほか、CNG(圧縮天然ガス)車の拡大、牛ふんを活用したバイオガスの活用など、同国のカーボンニュートラルにも貢献する。
 (浜松総局・山本雅子)

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