住み継ぐ家 独自7基準 県西部中心の工務店、設計事務所12社 団体設立 消費者に情報、理解促す

 静岡県西部を中心とした工務店10社と設計事務所2社がタッグを組み、世代を超えて資産価値を維持できる家づくりを目指す「一般社団法人未来へつなぐ工務店の会(みらつぐの会)」(大木剛代表理事)を設立した。耐震や省エネ、維持管理など「家づくりの七つの最低基準」を独自に策定。対面やオンラインで対応する相談会と併せ、家づくりに向けて、消費者の正しい理解や判断を促す。

昨年開かれた「木の家建築会」の様子=浜松市内(未来へつなぐ工務店の会提供)
昨年開かれた「木の家建築会」の様子=浜松市内(未来へつなぐ工務店の会提供)
設立趣旨や七つの基準などを記したパンフレット
設立趣旨や七つの基準などを記したパンフレット
昨年開かれた「木の家建築会」の様子=浜松市内(未来へつなぐ工務店の会提供)
設立趣旨や七つの基準などを記したパンフレット


 「七つの最低基準」は新築向けで、会員で協議して定め、家を建てる前に知っておくべき項目として啓発パンフレットを作成した。長期に安全・快適に居住でき環境にも配慮した「認定長期優良住宅」や「住宅性能評価」といった公的制度の存在、地震への強さや断熱性能、家の隙間面積を示す気密性能でクリアすべき数値、カビや腐食の原因となる結露が発生しないよう使用素材に配慮して事前に計算する必要性を示した。
 中古住宅は、良質な住宅が適正な評価で市場に流通することを目指す国土交通省の本年度事業の採択を受け、基礎や構造、コンクリ強度などで良質度をラベリング(仕分け)する制度の仕組みを構築中だ。
 みらつぐの会は、県中西部の工務店などでつくる組織に参加しながら、同じ志で設計・施工を実践する経営者らが先導的に取り組みを進めようと結集した。消費者に会の趣旨を伝える会場型の「木の家建築展」を隔月で開くほか、オンラインでの相談会(ユーチューブで配信)を開催。県の依頼で4月、県内自治体の住宅部署の担当者向け勉強会で講師も務めた。
 人口減少で急増する空き家問題などを受けて、住宅建物の方向性は20~30年単位で壊して建て替える従来の考え方から、補修して生かし循環させる方式が重視されているという。竹下友規副代表理事(43)は「子や孫などに引き継ぐ視点に立てば、求める性能やコストの捉え方も変わる。正しい情報を伝え、後悔しない家づくりをサポートしたい」と話した。
 次回建築展は10月7、8の両日、浜松市東区のサーラプラザ浜松で開く(同会のホームページから予約可能)。
 (浜松総局・山本雅子)

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