スズキ商用軽バンEV 発売を24年度以降に延期 ダイハツ認証不正が影響

 スズキは9日、本年度中に国内で予定していた軽商用バンEV(電気自動車)の発売について、2024年度以降に延期すると明らかにした。同軽商用EVはトヨタ自動車とダイハツ工業の3社で共同開発し、ダイハツが生産を手がける予定だった。昨年末に公表されたダイハツの認証検査不正問題の影響が波及した格好だ。

スズキが昨年開かれたジャパンモビリティショーで参考出品した軽商用バンEV「e エブリイ コンセプト」
スズキが昨年開かれたジャパンモビリティショーで参考出品した軽商用バンEV「e エブリイ コンセプト」

 スズキ広報部は延期後の発売の見通しについて「詳細が明確になった段階で、お知らせする」としている。軽商用EVは同社が30年度に向けた成長戦略で明示した国内外のEV投入戦略で“先陣”を切る予定だった。一方、ダイハツが問題を受けて、生産と出荷を停止している状況の中、計画通りの発売は困難となったもようだ。
 3社と、商用車技術開発会社「コマーシャル・ジャパン・パートナーシップ・テクノロジーズ(CJPT)」は22年7月、軽メーカーの小型車づくりのノウハウとトヨタの電動化技術を融合して共同開発するEVシステム搭載の軽商用車を、23年度に市場投入する方針を発表。その後、3社それぞれのブランドで発売する予定や試作車などが公表されていた。一連の問題に関連して昨年12月20日に会見したトヨタの中嶋裕樹副社長は「(軽商用EVの発売には)大きな影響があると認識している」との見解を示していた。

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