多様な用途 軽自動車に注目 アウトドア、リモートワークに スズキの新型軽商用好調

 コロナ禍を背景に機運が高まったアウトドアやリモートワーク向けに、少人数で使え、コンパクトで燃費効率が高い軽自動車が注目されている。スズキが昨年8月下旬に発売した軽商用バン「スペーシア ベース」は、約7カ月で年間目標台数を上回る販売ペース。車中泊専用マットなど軽向けの関連商品開発の動きも進む。

マルチボードの設置位置の切り替えで、多様な用途に活用できる「スペーシア ベース」=3月下旬、浜松市南区
マルチボードの設置位置の切り替えで、多様な用途に活用できる「スペーシア ベース」=3月下旬、浜松市南区

 スペーシアベースは、積載性の高さや広い荷室といった商用車の強みと、乗用車の乗り心地の良さを兼ね備えた車両。スズキによると、販売台数は年間目標の1万台に対して、3月末までの約7カ月で1万545台と好調を維持する。
 目玉は高さを3段階に切り替えられる「マルチボード」(縦68センチ、横113センチ)。デスクやフルフラットな空間、荷室の分割棚など「自分だけの移動基地」を掲げ、仕事や車中泊、ソロキャンプなど多彩に室内空間をアレンジできる。
 スズキの担当者は「仕事と遊び両面で自分仕様にできるニーズに合致し、幅広い年代の支持を得ている」。アウトドアイベントでの車両出展やホームページで活用場面を提案するなど、引き続きPRを強化する。
 関連商材にも波及している。同市西区の「スポンジ専門店ソフトプレン」は昨年9月、ホンダの軽バン「N―VAN(エヌバン)」向け車中泊マットを企画し、クラウドファンディングサイトで発売。反響を受けて11月には車メーカーにこだわらず、形状やサイズに合わせたマットのオーダーメード販売につなげた。特に軽自動車向けの注文や問い合わせが目立つという。
 試作と体圧分散の測定を経て、高反発と高密度のウレタン素材の2層構造にして開発。グループ会社のソフトプレン工業が材料加工を担う。担当者は「寝室の寝心地を体感できる。キャンプブームが続く中、今後は車種別に開発したい」と語る。

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