付加価値力「向上を」 日銀静岡支店長の小泉氏講演 21世紀倶楽部

 静岡新聞社・静岡放送21世紀倶楽部の1月例会セミナーが23日、浜松市中区のプレスタワーで開かれ、日銀静岡支店の小泉達哉支店長が国内や県内経済の現状と展望をテーマに講演した。経済成長の実現に向けて「生産性や付加価値力をいかに向上させるかが課題だ」との認識を示した。

本県や日本経済の課題や展望について講演した小泉達哉日銀静岡支店長=23日午後、浜松市中区のプレスタワー
本県や日本経済の課題や展望について講演した小泉達哉日銀静岡支店長=23日午後、浜松市中区のプレスタワー

 小泉支店長は本県の足元の景気動向について、半導体不足など供給制約の緩和や堅調な設備投資、「ウィズ・コロナ」のサービス業改善などで持ち直し基調にあると説明した。今後の経済循環に向けては、物価上昇に対する賃上げと、原資となる企業の収益力強化の必要性を強調した。
 東、中、西部で均衡した人口や総生産、1人当たり市町民所得、全国3位(2019年度)の1人当たりの県民所得など、本県経済の潜在的な強みにも言及。「県外に人口やノウハウを流出させないよう県内企業同士の連携が鍵になる」と呼びかけた。国内人口が減少する中、世界経済といかに関わるかも焦点とした。
 日本経済を考える上で引き続き「成長戦略、金融緩和、財政規律の三つが筋肉質な強さの源泉になると考えている」とも述べた。

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