“EV時代”中小企業の開発後押し 静岡県が浜松にものづくり支援新拠点

 電気自動車(EV)シフトに伴う中小企業の次世代自動車部品開発を支援しようと、県は1日、「デジタルものづくりセンター」を浜松市北区の浜松工業技術支援センターに開所した。コンピューターを活用して企画・設計から加工、評価計測まで生産工程のデジタル化を進め、納期短縮や低コスト化による競争力強化を後押しし、中小の開発を促進する。

デジタルものづくりの一環で、熱や構造など設計シミュレーションができるトライアルルーム=1日午後、浜松市北区の浜松工業技術支援センター
デジタルものづくりの一環で、熱や構造など設計シミュレーションができるトライアルルーム=1日午後、浜松市北区の浜松工業技術支援センター
デジタルものづくりセンターの開所式
デジタルものづくりセンターの開所式
デジタルものづくりの一環で、熱や構造など設計シミュレーションができるトライアルルーム=1日午後、浜松市北区の浜松工業技術支援センター
デジタルものづくりセンターの開所式

 設計段階では熱や構造、形状最適化をシミュレーションでき試作回数減に寄与する、新規導入の解析支援ソフト(CAE)、成形加工は複雑形状が造形可能な金属3Dプリンター、計測評価プロセスでは内部の不良を確認できるエックス線CT、3Dスキャナーなどを配置し、一貫支援態勢を整えた。ソフトを実際に体験できるセミナールーム、打ち合わせ用スペースも設けた。
 同支援センターで行われた開所式には県内の企業関係者ら約70人が参加した。田中伸弘県経済産業部長代理は「企業のデジタル技術のボトムアップを図り、官民連携で次世代自動車部品の開発を強力に推進する」と強調。来賓の望月英二次世代自動車センター浜松センター長は「デジタルものづくり無しには次世代自動車ビジネスに対応できない。人材育成や情報提供なども含め中小企業を支援していく」と呼びかけた。
 今後も継続的にワークショップやセミナーを開催し、デジタルものづくりの浸透を図る。
 (浜松総局・山本雅子) 

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