千博産業 制振事業を分社化「エヴォルツ」 住宅用装置を拡販

 アルミ建材販売の千博産業(浜松市中区)は26日までに、販売が伸長している制振事業部門を分社化した新会社「evoltz(エヴォルツ)」(同)を設立した。営業拠点を拡充し、主力の木造住宅向け油圧式制振装置を全国の中小住宅会社に拡販する。

制振装置「evoltz」を設置した制振体験コーナー=浜松市中区
制振装置「evoltz」を設置した制振体験コーナー=浜松市中区

 新会社設立は4日。千博産業は地震の際に建物の揺れを抑える制振分野に着目し、2008年から独自商品の開発販売をスタートした。15年から扱っている制振装置は、鉄製の長さ2・2メートル、直径約5センチで、柱と柱の間に斜めに設置するタイプ。サスペンションメーカー「ビルシュタイン社」(ドイツ)に製造委託し、小さい揺れの段階から効果を発揮するのが特徴だ。来年5月には、エネルギー吸収力を現行製品より25%高めた新製品の販売を予定する。
 今年9月、大阪市内に西日本支店を開設した。東京都内の東日本支店と浜松市本社の3拠点体制で営業力を強化する。25年度の目標売上高を15億円とし、分社化前の21年度の同事業売上高9億円から引き上げる。住宅会社、購入者向けに分かりやすく制振の仕組みを伝える体験コーナー設置と合わせて、一層の浸透を図る。
 エヴォルツの渥美幸久代表は「制振装置提供や大学との共同研究の経験を生かし、今後は住宅構造面のサポートも目指す」と話した。

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