働き方、自ら切り開く 英企業へ浜松からテレワーク 飯田さん 経験を発信

 英国の教育コンサルタント企業に浜松市中区からテレワークで勤務する飯田恵梨さんが、自身が追求する働き方の実現やキャリア構築の経験を講演やSNSで発信している。浜松、東京、海外で働き、培った視点を生かし、人材育成面で故郷・浜松に貢献したいと一昨年末、約12年ぶりに浜松に戻った。目指すのは「地方在住の身近なロールモデル」としての存在だ。

浜松市内の活動拠点の一つで、パソコンに向かう飯田さん=浜松市中区
浜松市内の活動拠点の一つで、パソコンに向かう飯田さん=浜松市中区

 飯田さんは1984年生まれ。都内大学を卒業後、浜松でUターン就職した。留学の夢を追って渡英し、27歳で現地で就職。2014年に帰国後、楽天を経て、現在は約5万2千人が働く「Hult EF(ハルト・イーエフ)」の本社(ロンドン)に所属し、52カ国を対象に企業の組織開発や人材のコンサルティングを手がける。
 約10年前、英国での就活時にオンライン面接を経験し、テレワークを生かした「仕事とプライベートの喜びを両立できる」働き方への道筋を見いだした。当初、現在の会社ではロンドン勤務を求められたが、仕事で実績を残すなど「前職場の日本法人時代から4年がかりで訴え続けた」結果、浜松拠点のテレワーク実現にこぎ着けた。「20代前半は何も強みがなかった」と振り返り、金融、貿易実務、英語教育、スマートフォン販売など、意識的に転職して経験を積んだ飯田さん。その際に重視してきたのは「周りに影響されず、働き方は自身で切り開く」ことだ。
 帰国して都内と浜松の行き来が増える中、少子化や人口流出の課題を抱える故郷に思いを寄せるようになった。ビジネスSNS「LinkedIn(リンクトイン)」が認定する日本の発信力あるリーダー「トップボイス」の1人に選出されたことも生かし、「地域活性には人の存在が不可欠。なりたい姿を諦めず、キャリアアップに挑戦する人を後押ししたい」と意欲を高める。

いい茶0
あなたの静岡新聞 アプリ
地域再生大賞