記者コラム「清流」 国際交流 自身の言葉添えて

 仕事で外国人に取材する機会があり、英語の通訳者にお世話になった。会話を単にそのまま訳すのではなく、文脈を補い、相手側に伝えようとする姿勢が印象的だった。
 今は母国語を多様な言語に高精度に翻訳できるアプリや専用機器が増えた。行政窓口や海外旅行先で第1段階のコミュニケーションツールとして活用でき、言葉の壁のストレスも和らぎそうだ。ただ、頼り切りではなく、その行間を埋める生身の言葉の力も、国際交流や共生に欠かせない。
 新型コロナの水際対策が緩和され、観光地では外国語で案内する通訳やボランティアが受け入れ準備を進めている。訪日客と日本をつなぐ懸け橋。コロナ下の緊張を解くその人ならではの一言と、もてなしに期待したい。
 (浜松総局・山本雅子)

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