静岡人インタビュー「この人」 「工作ガレージ」でものづくりの楽しさを伝える 松岡和彦さん(浜松市西区)

 楽器メーカー「ローランド」を退職後に起業。2月に浜松市中区葵西に工作キット販売と作業スペースレンタルの「STEP たのしい工作ガレージ」をオープンし、子どもたちにものづくりの面白さを伝える。61歳。

松岡和彦さん
松岡和彦さん

 ―開設の理由は。
 「定年退職を迎え、新商品の企画開発に携わった経験を何か生かせないかと思い立った。幼少期、組み立てたおもちゃが動き出す瞬間に感じた驚きや興奮が自身の原体験。自動車や楽器などものづくりの地を担う子どもたちが創造力を養い、手で形作る楽しさを体感してほしい」
 ―運営状況は。
 「利用者は小学生とその保護者が多い。店内には太陽電池で走るミニソーラーカーや燃料電池の仕組みがわかるミニバギーなど、150個以上の動きを伴う工作キットを並べている。購入してその場で組み立てられる。作業スペースでは材料提供とともに、ドライバーなどの工具類の扱い方も助言する」
 ―やりがいは。
 「地域外から来てくれる親子もいて『こういう場所はなかった』という声は大きな励み。最近は小学校から授業の外部講師に招かれ、児童に折り紙の六角返しの作り方を手ほどきした。今までにないつながりもできた。出張講座も今後、依頼があれば受けていきたい」
 ―今後の運営の工夫は。
 「集客強化とリピーター獲得へものづくりのニーズの把握を心がける。季節に合わせた子ども向け企画を充実させ、直近では今月24日までクリスマスをテーマにした工作ワークショップを開いている。少し前に初開催した夜間の大人向けレゴ企画は少人数ながら好評だった。お客さん同士のコミュニケーションの場も創出していきたい」
 (浜松総局・山本雅子)

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