国産木材で樽の香り、酒熟成キット発売 浜松のベンチャー、ボトル漬け込み再現

 浜松市の起業家支援施設「FUSE」を拠点に活動するベンチャー、酒ハックプロジェクト(浜松市中区、種石健一社長)は18日、カットした国産木材をボトルに漬け込み、手軽で早期に樽(たる)で熟成したような味や香りを再現できる製品「酒熟成キット#酒ハック」を発売する。半日から1日程度でまろやかな風味への変化が楽しめるという。

酒と7種類の木の組み合わせで、多様な香りと味わいが楽しめる製品=13日、浜松市中区の「FUSE」
酒と7種類の木の組み合わせで、多様な香りと味わいが楽しめる製品=13日、浜松市中区の「FUSE」

 キットは高さ25センチのガラス製ボトルと、地元の天竜スギやヒノキ、北海道産ミズナラ、サクラ、カエデなど7種類の長方形型の木材。木材を選んでセットし、ウイスキーや焼酎、ワイン、日本酒など好みの酒をボトルに注いで浸す。
 木材の一部は間伐材や高級家具向け“銘木”の余材で、表面に焦げ目を入れて樽酒のように香りを引き立てやすくした。体積を大きくしてより早期に味や香りが酒に移るほか、木ごとに異なる風味の飲み比べを楽しめるのが特徴という。
 種石社長は精密機器メーカー勤務などを経て起業し、10月に法人化した。製品は協力者の試飲や専門家らの助言を受けて改良を重ね、2回のクラウドファンディングで計3500万円以上の支援を集めた。キットは1万1760円(税、送料込み)。電子商取引(EC)や酒販店メルカート間渕(同市)で販売する。
 種石社長は「林業振興など地域社会に貢献とともに、海外展開も目指したい」と意気込む。
 (浜松総局・山本雅子)

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