県内の起業家育成組織 「静岡イノベーションベース」活動2年 経験共有、経営の学びに 参加募る

 静岡県内の若手起業家や経営者の育成支援組織「一般社団法人静岡イノベーションベース(SIB)」が始動から2年を迎え、活動を本格化させている。会員の少人数グループで経験をシェアし、成長に生かす「フォーラム」活動は26人で進行中。「ベンチャースピリッツ日本一の県」を目指し、育成機運を高めようと意欲のある起業家らの参加を呼びかける。

「静岡イノベーションベース」の活動を説明する富田直人代表理事=4月中旬、浜松市中区の「FUSE」
「静岡イノベーションベース」の活動を説明する富田直人代表理事=4月中旬、浜松市中区の「FUSE」

 SIBは上場企業を含む経営者3人を中心に設立した。活動の柱は、県内に本社を置く原則8人のメンバーでグループコーチングを行うフォーラムと、毎月多様な県内外の経営者を迎え、講演を聞く月例会だ。
 フォーラムは現在、ITとサービス、住宅、運輸など幅広い業種出身の経営者らで4グループを立ち上げた。若手起業家の世界的ネットワーク「EO(起業家機構)」の手法を導入し、1カ月で特に心が動いた仕事、個人、家庭での経験を数時間かけて共有し合う。
 守秘義務を徹底した上で「普段は言えない心の内や課題をシェアすることは自身や経営の学びになる。一生の仲間づくりの場にもしたい」(SIB)という。
 月例会は本年度、講演者にヤマハ発動機の日高祥博社長らを迎える計画を進めている。
 SIBは4月中旬、浜松市中区の起業家支援拠点「FUSE」で、拠点の利用者らに活動を紹介する説明会を開いた。発起人の一人で代表理事を務める、IT企業「イノベーション」(東京)の富田直人社長(58)=浜松市出身=は「日常的に多様な考え方を持つ起業家、経営者に触れ、刺激を受けてほしい。本県から毎年複数の上場企業社長が継続的に出るような環境をつくりたい」と意欲を語った。
 イノベーションベースの活動は徳島、京都など全国20地域で進む。2024年度は本県で全国大会を開く計画もあるという。

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