静岡人インタビュー「この人」 浜松市出身のレーシングライダー 渥美心さん(大阪市在住)

 4歳からバイクを始めて約25年。耐久レースをメインに国内外で活動する。今季は昨年9月から所属するチーム「ヨシムラSERT[サート] Motul[モチュール]」で参戦する。浜名区出身。28歳。

渥美心さん
渥美心さん

 ―レーサーとしての経緯は。
 「バイクの仕事に携わる父親からポケットバイクを贈られたのがきっかけ。15歳で全日本選手権に出場し始め、大人になるにつれプロレーサーの道を決意した。2019年には鈴鹿8時間耐久ロードレース(SSTクラス)で優勝し、海外レースでも結果を残した。22年はフランス拠点のチームに移り、異文化の中でのレース参戦は貴重な経験になった。鈴鹿8耐には22、23年は、エスパルスドリームレーシング・ITECから出場した」
 ―所属チームでの目標は。
 「世界耐久選手権で数多くの優勝経験があるチームから声がかかったのは光栄なこと。今季はリザーブライダーになるが、来季はメイン3人に選出されるよう良い走りを見せたい」
 ―耐久レースの魅力は。
 「ホンダ、BMW、ヤマハ、スズキと多様なバイクに乗ってきたが、メーカー問わず順応でき、コンスタントに自身のベストタイムを出してきた。8時間や24時間の耐久レースはチーム一丸の半面、スピードや転倒リスクとの戦いなど個人の葛藤や孤独もある。ただ、最後まで何が起こるかわからない。諦めず走り抜くことが大事で面白い」
 ―バイクのまちへの思いは。
 「メーカー発祥の地で育ったことは誇り。ただ、浜松出身のレーシングライダーは少ない。最近はボランティアの清掃活動やスポンサー企業の訪問などで地元に帰る機会が増えている。自身も結果を出し、バイクの魅力を地道に発信していきたい」
 (浜松総局・山本雅子)

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