スズキ 電池開発100億円 都内企業に追加出資

 スズキは14日、大型リチウムイオン電池開発などを手がけるエリーパワー(東京)に100億円を追加出資し、電動化加速に向けて業務提携契約を締結したと発表した。エリーパワーの株式を21・59%保有する筆頭株主となる。電気自動車(EV)や二輪など多様なモビリティに搭載するリチウムイオン電池の共同開発に取り組む。
 エリーパワーが発行する転換社債型新株予約権付社債150億円も引き受ける。出資とともに年内に手続きが完了する見込み。
 同社は慶応大発のベンチャーとして2006年に創業した。独自技術で高い安全性と長寿命を兼ね備えた大型リチウムイオン電池開発、製造を進めている。スズキは12年に10億円を出資して以来、技術交流を図ってきた。
 今回の業務提携では、大和ハウス工業が手がける住宅や商業施設など先行して培った定置用途向けの蓄電システムの実績を生かし、スズキとの連携を通じてモビリティ領域の事業に本格参入する。開発や実用化に向けたスケジュールや人員体制などは今後検討する。
 鈴木俊宏社長は「カーボンニュートラル社会の実現に向け、環境への配慮と高い性能を両立させたモビリティに適した電池開発に共同で取り組む」とコメントした。
 (浜松総局・山本雅子)

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