浜松に人つなぐ「街食堂」 異業種交流へ平日オープン 地元店、毎週交代でランチ提供

 浜松で働く人の応援を掲げ、地元で“話題”の飲食店が週替わりで平日にランチを提供する「街食堂」が浜松市中区板屋町にオープンした。県西部の製造業、金融、建設、小売りなど上場企業から中小まで多彩な業種の20社が賛同し、会員企業に加わった。「食」を通じて人が集い、連携やアイデア創出が自然に生まれる環境づくりを目指す。

オープンした「街食堂」=浜松市中区板屋町の「SOU」
オープンした「街食堂」=浜松市中区板屋町の「SOU」


 開設地は同町のビル地下1階のコミュニティースペース「SOU(ソウ)」。ランチを税込み千円で提供する。会員企業の会費を運営費に充て、各企業社員が来店した場合は割引になる。出店した飲食店は店舗の発信につなげられる。「面白法人カヤック」(鎌倉市)が同市内で展開するモデルを活用した。
 開設したのはレストラン事業などを手がける「鳥善」と中心部の新川モールを運営する「HACK(ハック)」。鳥善の伊達善隆社長(38)は「浜松は多様な人がいて個々には連携の動きもあるが、より偶発的で気軽につながれる場所をつくりたい」とし、導き出したのが「食」をキーワードにすることだった。
 第1週目(8~12日)は、創作イタリアン「ビストランテ ウニコ」(中区鴨江)。オーナーシェフの田中ルカス秀樹さん(28)は、日頃1組程度を対象にコースメニューを手がける。約30席を備える空間でのランチの提供は「楽しかった。店の認知度も高まる」と手応えを語った。街食堂の出店店舗は、6月末まで決定している。
 ランチ時間に加え、水曜日の夜は「ヨル喫茶」を“開店”し、企業経営者を招いた講演会など学びの場を設定する。
 若年層の人口流出を懸念する伊達社長は「今回の試みを通じて、この街で暮らし、働く魅力を高めたい」と話す。今後会員を30社程度まで増やし、持続的な取り組みにつなげる考えだ。

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