記者コラム「清流」 ビーガンレザーでSDGs

 自動車内装材メーカーの共和レザー(浜松市)がこのほど開発した合成皮革は、長野県の自治体などと連携して廃棄予定のリンゴの搾りかすを原材料に活用している。動物由来の素材を使用しない「ビーガンレザー」で秋以降にバッグなどに製品化されるという。
 普段仕事で持ち歩くバッグは、愛着はあるのにすぐボロボロになる。消耗品と割り切り、扱いも雑になるから悪循環だ。今回のビーガンレザーは、リンゴという誰もが知る素材の有効活用に加えて、高い耐久性が求められる自動車用シートの製造技術力を応用した点で注目を集めそうだ。
 身近な製品の成り立ちを原材料から知ることは、ものを大切にする意識醸成につながる。SDGs(持続可能な開発目標)浸透の一歩といえる。
 (浜松総局・山本雅子)

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