磐田で「空飛ぶクルマ」製造 スズキとスカイ社 年間100機体制目指す

 スズキと「空飛ぶクルマ」を開発するスカイドライブ(愛知県豊田市)は10日、機体の製造協力契約を結んだと発表した。2024年春ごろ、スズキ子会社の磐田市沿岸部の工場で製造を開始し、年間最大100機の製造体制構築を目指す。

「空飛ぶクルマ」を製造予定のスズキ子会社の磐田市内の工場
「空飛ぶクルマ」を製造予定のスズキ子会社の磐田市内の工場
インドでの事業開発を検討する関係者(スカイドライブ提供)
インドでの事業開発を検討する関係者(スカイドライブ提供)
「空飛ぶクルマ」を製造予定のスズキ子会社の磐田市内の工場
インドでの事業開発を検討する関係者(スカイドライブ提供)


 スカイドライブは機体製造を担う完全子会社「スカイワークス」を9月1日付で設立した。磐田市内のスズキ子会社工場に3人乗り(乗客2人)の機体「SD―05型」の製造ラインを新設し、製造を開始する。スズキ、スカイドライブの両社社員が出向する。
 スカイドライブによると、25年大阪・関西万博での運航開始を目指して設計開発を進め、現在までに国内外から累計257機の予約を受注した。
 スズキが乗用車トップシェアを誇るインドでも、空気汚染や慢性的な渋滞といった社会課題解決を見据えて、空飛ぶクルマの市場開拓の検討を進める。川沿いや沿岸部の観光客が集まるエリアやインドの宗教巡礼者の山間部への移動など、スカイドライブの機体を活用できるビジネスモデル創出へ検証を進めている。
 両社は22年3月に空飛ぶクルマの事業・技術連携に関する協定を締結し、ことし6月には製造協力に関して基本合意した。10月下旬に東京ビッグサイトで開幕する「ジャパンモビリティショー」でも、スズキブースで製造する機体の模型を展示するなど、取り組みをPRする。
 (浜松総局・山本雅子)

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