スズキ、3月期最高益 売上高、初の4兆円超 円安やインド販売増が要因

 スズキが15日発表した2023年3月期連結決算は、為替の円安効果や主力のインド市場の販売伸長で、売上高、経常利益、純利益がそれぞれ過去最高を更新した。売上高は前期比30・1%増の4兆6416億円と初めて4兆円を超えた。経常利益は45・6%増の3828億円、純利益は37・9%増の2211億円。

スズキの業績推移
スズキの業績推移

 本業のもうけを示す営業利益は83・1%増の3506億円と過去2番目に高い水準だった。原材料高の影響は939億円の減益要因となったが、対米ドル、対インド・ルピーなどの円安による増益効果が1006億円と追い風になった。成長するインドの生産拡大に向けた新工場の土地取得費をはじめ設備投資を拡大したほか、電動化など次世代自動車対応のため、研究開発費は449億円増の2056億円と過去最高を充てた。
 事業別売上高は四輪が29・9%増の4兆1622億円。世界販売台数は10・8%増の300万台。インドは新型SUV(スポーツ用多目的車)の拡販などで20・5%増の約164万台と全体をけん引した。過去最高だった南アフリカをはじめ、アフリカ地域は33・5%増と伸ばした。国内は半導体不足の影響が前期より緩和し、11・7%増の約62万台だった。
 二輪事業は31・4%増の3332億円、マリン事業は北米の大型船外機販売が伸長し、37・3%増の1346億円となった。
 24年3月期の連結業績予想は、売上高が販売増を見据えて4兆9千億円と増収の一方、円高や原材料高、将来に向けた研究開発費の拡大などで、営業利益3300億円、経常利益3400億円、純利益1900億円とそれぞれ減益を見込む。

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