試作の生地で女性シャツ 廃棄やロス減 浜松のブティック開発

 服飾販売のブティック・ビギ(浜松市中区)は製品企画段階の試作などの生地を活用した女性用オリジナルシャツを開発し、販売を始めた。市内の生地メーカーや縫製工場と連携してSDGs(持続可能な開発目標)に配慮した新しいファッション作りに取り組むことで、製造にかかるエネルギー使用の低減や、着用期間の短さなどによる環境負荷課題の解決、地域産業の活性化につなげる。

ブティック・ビギが販売を始めたオリジナルシャツ=8日午前、浜松市東区のイオンモール浜松市野
ブティック・ビギが販売を始めたオリジナルシャツ=8日午前、浜松市東区のイオンモール浜松市野

 生地メーカーの企画段階の試作やテストなど、通常は使われずに廃棄される「試験反」と呼ばれる生地に着目した。
 製品時と同様の品質ながら、一部企業では年間5万メートル、ジャケットに換算すると約1万着分に相当する処分量が生じているという。色や素材、発生量も異なる試験反を活用し、通常とは逆の「あるだけの生地」を基にした製造で、素材の廃棄や生産ロスを減らす。
 昨秋、採用したデザイナーの製品づくりノウハウや人脈を生かし、準備を進めた。石井一社長は「小ロット生産で製品に付加価値も付く。ファッションを通じてSDGsの理念を伝えていく」と話す。
 シャツは30~40代の女性向けでバンドカラー(帯状の襟)とプルオーバーの2種類で5色展開。バンドカラーは綿、麻、綿麻のパターンがある。浜松、磐田市内の商業施設内のセレクト店「クラメット」3店で、作り手の思いを記したリーフレットを添えて提供する。

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