記者コラム「清流」 織物産地の活性化期待

 昨年から今年にかけて、遠州織物をはじめ、浜松市内外の繊維工場を見学する機会があった。織機が「ガシャ、ガシャ」と縦糸、横糸を取り込みせわしなく稼働する様は、現代ながらアナログ的に感じ、見入ってしまった。
 糸から生地に織り上がる過程を間近で見れば、服を大切に着たいと思うはずだ。ただ、環境変化や高齢化で事業者や担い手は減少。織物工程の分業制が特徴の遠州の産地も、工程によって職人不足が深刻という。
 注目したい動きもある。若手担い手が産地振興のヒントを得ようと他県産地を訪問したり、繊維関係者が連携して遠州織物のベビー用品を開発したりと新風を吹き込んでいる。変化をつぶさに伝え、産地維持や活性化を後押ししたい。
(浜松総局・山本雅子)

いい茶0
あなたの静岡新聞 アプリ
地域再生大賞