8月11日は山の日 「富士山」染色、自宅で手軽に 体験キット発売 浜松・武藤染工

 浜松伝統の注染(ちゅうせん)そめや服地の染色加工を手がける武藤染工(浜松市中区)は、自宅で手軽に楽しめる子供向け染色体験キット「はさんで染める△(さんかく)ふじさん」を開発した。手ぬぐいとハンカチ版の2種類を用意し、11日の「山の日」に発売する。遠州織物の工程の一つ、染色業界から地場産業を発信する。

キットを使い染色を実演する武藤染工の武藤社長(左)ら=7日、浜松市東区
キットを使い染色を実演する武藤染工の武藤社長(左)ら=7日、浜松市東区
染め上がった手ぬぐい
染め上がった手ぬぐい
体験キットの一部
体験キットの一部
富士山の姿のように、生地が染料を吸い上げる過程も楽しめる
富士山の姿のように、生地が染料を吸い上げる過程も楽しめる
キットを使い染色を実演する武藤染工の武藤社長(左)ら=7日、浜松市東区
染め上がった手ぬぐい
体験キットの一部
富士山の姿のように、生地が染料を吸い上げる過程も楽しめる

 キットは白布や染料とソーダ灰、透明アクリル板、ビニール手袋、入れ物と作業を兼ねるプラスチック容器など8点。「赤富士」「青富士」をイメージし、手ぬぐいをピンク色に、ハンカチを青色に絞り染めする。
 特徴は、三角に折った白布を挟んだアクリル板を介し、染め上がる過程を楽しめる点だ。上部を残して布地が染料を吸い上げ、さながら富士山のよう。水と湯で洗い乾かすと雪の結晶のような模様が出来上がる。
 創業62年の老舗染工場が長年の経験を生かし、染料の量や配合、染まる速さを綿密に計算した。SDGs(持続可能な開発目標)に配慮し、廃棄予定だったコロナ禍の飛沫(ひまつ)感染防止用アクリル板を再利用したほか、5色から選べる染料と布のみを封入した「追加キット」を設定した。
 コロナ禍に伴う受注停滞で打撃を受けた中、新たな試みで初の自社商品の開発に着手した。外に向けた発信やデザイン面で、遠州織物の振興プロジェクトで交流があった市内の染色作家桂川美帆さん、デザイナー榊原絵里奈さんの協力を受けた。武藤真和社長は「白い生地に色や柄を加える染色の技術を、子供たちが楽しみながら知るきっかけになれば」と期待する。
 価格は税込み1980円。追加キットは同880円。浜松科学館(同市中区)や作品販売サイト「Creema(クリーマ)」などで販売する。

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