地域と交流、介護施設に彩り 入居者ら“非日常”満喫 浜松の管理会社がプロジェクト、14者が食や体験で協力

 須山建設グループで高齢者施設の管理運営会社「バイ・スティックケアサービス」(浜松市中央区)が、地域企業との交流を通じて多様性ある施設づくりを目指す「未来マチプロジェクト」を展開している。サービス付き高齢者向け住宅「おおるり富塚」(同)で2年前、市内のバーマスターと連携して入居者や家族向けのイベント「BAR OHRURI」を開催したことがきっかけ。協力企業や団体は飲食や織物工房など現在14事業者に広がる。

バーや飲食店などが協力し、入居する高齢者が夕食を楽しんだ催し=浜松市中央区の「おおるり富塚」
バーや飲食店などが協力し、入居する高齢者が夕食を楽しんだ催し=浜松市中央区の「おおるり富塚」

 このほど開かれた催しでは、バーランブリンボーイ(千歳町)、KIZUKIの食堂(尾張町)、高齢者に配慮したケアを行う福祉ネイリストが協力。80~90代の約30人の入居者らが参加し、旬の地元食材を取り入れた夕食をカクテルやドリンク類とともにたしなみながら、非日常の空間を楽しんだ。よそ行きの格好で食事前にネイルの施術を受けて参加した女性(88)は「気持ちが明るくなりますね」と笑顔を見せた。
 地元飲食店によるパンや刺し身、季節料理の提供や、遠州織物工房のワークショップ、浜松調理菓子専門学校の学生との交流など、週1~2回、食や体験の取り組みを継続している。
 同社はプロジェクトを通じ、高齢者の自分らしい生活を支援するほか、介護業界を支える担い手確保にも期待を寄せる。おおるり富塚で運営責任者を務める塚本絢也さんは「閉鎖的なイメージを変え、入居者が地域社会に住んでいることを感じられる開かれた施設にしたい」と思いを込める。
 (浜松総局・山本雅子)

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