マイクロプラ判別へ共同研究 スズキと静岡大 タンパク質特性生かす

 スズキは11日、静岡大とマイクロプラスチックの有無や種類などの判別技術に関する共同研究を開始すると発表した。同社は海洋環境保護の一環で海洋マイクロプラスチック回収装置(MPC)付き船外機を販売している。研究を通じてプラスチック片が短時間で簡便に検出できる試薬を開発し、国内外の海域から集めた回収物の効率的な分析や、顧客の海洋プラごみ削減の意識向上に貢献する。

マイクロプラスチック回収装置を搭載した船外機
マイクロプラスチック回収装置を搭載した船外機

 タンパク質のプラスチックへの吸着特性を生かし、静岡大農学部の中村彰彦准教授と連携する。色のついた蛍光タンパク質などを活用し、プラスチックと混ぜ合わせ、正確かつ短時間にプラスチックの特定や種類別の色分けができるよう目指す。
 スズキは昨年7月から5機種の船外機にMPCを標準搭載している。製品力向上に生かすため、プラごみや木くず、微小な海洋生物などを含む回収物をスズキのマリン技術センター(湖西市)で一括して分析している。一方、現状の分別は手作業と目視が中心のため効率改善が課題という。
 回収量や種類を可視化するため、画像認識技術との連動も目指す。現地から回収物を送らずデータの取得が可能になるほか、MPC付き船外機を購入したプラごみ量の把握を希望する顧客の要望にも応える。
 (浜松総局・山本雅子)

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