静岡市と鈴与商事 日の出地区、脱炭素で協定

 2030年までに地域内の消費電力を全て再生可能エネルギーでまかない二酸化炭素(CO2)排出量を実質ゼロにする環境省の脱炭素先行地域で、静岡市は27日、清水区の日の出地区について鈴与商事(静岡市葵区、加藤正博社長)を実現に向けたパートナーとする、と発表した。同日、市役所静岡庁舎で連携協定書の締結式を開いた。

連携協定書を締結した田辺信宏静岡市長(左)と加藤正博鈴与商事社長=27日午後、市役所静岡庁舎
連携協定書を締結した田辺信宏静岡市長(左)と加藤正博鈴与商事社長=27日午後、市役所静岡庁舎

 両者によると、鈴与商事は倉庫群など既存施設の屋根を対象に、初期投資ゼロで太陽光発電設備が設置できるPPAモデルで同設備を普及させる。余剰電力をマリンビルや清水海上保安部などが入る合同庁舎に供給。防災の観点から蓄電設備も設置し非常時に備える。
 鈴与商事は鈴与グループが事業展開する日の出地区での取り組みを通じ、同地区への官民投資の一層の呼び水にしたい考え。ビジネスモデルとして確立させ、他地域でも脱炭素地域を実現させる足掛かりとする。加藤社長は「静岡市発の事業が他地域へ水平展開する1ページ目となる」などと抱負を述べた。
 環境省は4月、静岡市などの26件を脱炭素先行地域として認定。市内では日の出地区以外にもJR清水駅東口(清水区)と恩田原・片山地区(駿河区)でそれぞれエネオスと静岡ガスがパートナーとなり、取り組みを進める。市は3地域で最大100億円規模の投資を見込んでいて、3分の2(上限50億円)を国の交付金でまかなう。
 市は7月下旬に「脱炭素先行地域推進コンソーシアム」を設立する。3地域が相互に進捗(しんちょく)状況を確認したり、外部に取り組みを情報発信したりする予定。

 

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