「会議の中立性確保を」 静岡県、国交省に要望【大井川とリニア】

 静岡県は31日、リニア中央新幹線工事に伴う南アルプスの生態系への影響と環境保全対策を協議する国土交通省の専門家会議について、会議の中立性や透明性を確保するよう同省に文書で申し入れた。6月上旬に初会合を予定していて、県は提案が受け入れられれば開催を容認するとした。

リニア工事に伴う自然環境への影響を検証する協議体
リニア工事に伴う自然環境への影響を検証する協議体

 県が求めた条件は主に4点。大井川の水資源への影響を議論した同省専門家会議(2020年4月~21年12月)の開催時に求めた内容と同じ5事項(会議の透明性の確保、議題は県が整理した47項目すべてなど)に加えて「会議の長は中立で生態系全般に知見を有する識者を選定すること」や「自然環境に及ぼす影響を明確にし、回避策をJR東海に指導すること」などを挙げた。
 県は31日、環境省に対しても山口壮環境相宛ての要望書を提出した。有意義な議論にするために委員の選定や協議内容でリーダーシップを発揮し、国交省の指導役になるよう求めた。
 リニア工事を巡っては、県は18年8月、自然環境への影響を検証する有識者会議に「地質構造・水資源」と「生物多様性」の2部会を設置した。両部会でJR東海との議論が行き詰まったため、国交省が事態の打開を図ろうと新しい協議体(専門家会議)を設置。水資源への影響について先行して議論した。

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