川勝知事、水問題に理解求める 中津川市長と会談【大井川とリニア】

 川勝平太知事は1日、リニア中央新幹線の車両基地やトンネル工事が進む岐阜県中津川市を訪れ、市役所で青山節児市長と面会した。川勝知事はリニア整備自体には反対していない立場を強調した上で、静岡県内の南アルプストンネル工事に伴う大井川の水問題への理解を求めた。

岐阜県中津川市職員の出迎えを受ける川勝平太知事=1日午後、岐阜県中津川市役所
岐阜県中津川市職員の出迎えを受ける川勝平太知事=1日午後、岐阜県中津川市役所

 会談は非公開。予定時間を35分超過し、約1時間にわたり意見を交わした。会談後に取材に応じた川勝知事は、大井川の水問題について流量、水質、盛り土、水脈などの課題を説明したとし、「深くうなずいて聞いてくれた」と振り返った。リニア開業後に首都機能移転の観点から同市に最高裁判所を誘致するアイデアを披露したことも明らかにした。
 一方、知事とは別々に取材に応じた青山市長は、リニア開業を見据えて企業誘致や道路整備などのまちづくりを進めている現状を伝えたとした。「早期開業という言葉は使わなかったが、人口減少や若者流出という課題にリニアはアドバンテージになることは説明した」と述べた。リニアを推進する立場として、大井川の水問題に対する見解を記者団から問われると、川勝知事には伝えられなかったと前置きしつつ「課題が100%クリアに解決できない問題はある。中身をしっかり協議し、ここはこうしてほしいと伝えながら次の段階に進めるようになればいい」との考えを示した。
 川勝知事は会談に先立ち、リニア中央新幹線の車両基地建設現場や新駅予定地周辺を視察した。2日に三重県で開かれる中部圏知事会議の出席に合わせ、訪問が実現した。

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