川勝知事、国交省の運営批判 生態系会議、論点整理で【大井川とリニア】

 川勝平太知事は15日の定例記者会見で、リニア中央新幹線工事に伴う南アルプスの生態系への影響を議論するために8日に初会合が開かれた国土交通省専門家会議を巡り、事務局を務める同省が論点整理を委員に委ねたことについて「リーダーシップが欠如している」と批判した。=関連記事29面へ

 川勝知事は、国交省が「自然環境がダメージを受けないためにはどうするべきか」という議論の前提を最初に提示すべきとの認識を示した。その上で「(各委員は)専門性がだいぶ違う。(国交省に)会議の目的を決めてくださいと言われ、あぜんとしたと思う」と述べた。
 国交省は県推薦の委員を選定し、議事内容をウェブ上で全面公開するなど県の意向に配慮した運営を心掛けてきたが、川勝知事から早くも注文がついた。
 同省の担当者は会合の中で、委員の議論を通じて論点整理する手法を採用した理由について「(生態系の議論は)複雑で曖昧なことも含まれる。われわれが限定的にテーマを設定すると論点を間違える可能性がある」と説明し、委員から異論は出なかった。
 リニア沿線9都府県でつくる「リニア中央新幹線建設促進期成同盟会」に加盟申請したことについて川勝知事は、県内を除く東西の路線で早期開通を目指すべきとの考えを強調し「工事の足を引っ張ることは一切しない。できるところからやったらいい」と述べた。
 (政治部・尾原崇也)

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