記者コラム「清流」 庁舎の“スリム化”を

 沼津市役所を取材し始めて驚いたのは「文書保管箱」と書かれた段ボールが廊下や執務室内に積まれていることだ。前任地の下田市役所で手狭な庁舎は慣れているつもりだったが、沼津ほどの役所でも―とショックだった。
 人口30万人を想定して造られた現在の市庁舎は、築56年。数字ほど古さを感じないが、階段や廊下は“昭和”を思わせる。不思議なのは、今や想定の3分の2の人口なのに、どこか狭苦しさがある点だ。
 市は地元企業とICTを活用した取り組み「X-tech NUMAZU(クロステックヌマヅ)」を進めている。大規模事業が続く沼津市が、庁舎の更新に着手するのは少し後になりそう。当面は情報技術を生かして庁舎の“スリム化”を進めることが、職員の職場環境や意欲向上につながるはずだ。
 (東部総局・尾藤旭)

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